


敷地内の庭園はお見事。池や水車小屋まであって野趣に富んでいる。またしても赤い橋を渡って玄関へ。フロントで料金を支払うが、いまホームページで確認してみると、入浴料は800円・タオルは200円。タオルを持参したのに、その有無を尋ねられることもなく1,000円取られたのだが…。脱衣所は棚しかないので、貴重品はフロントで預かってもらう。紙に名前と時間を記入するが、1時間の制限はこれで確認しているのだろう。
タイル張りの浴室は、室内の半分を湯船が占め、半分は洗い場兼露天風呂への通路。7つのカランが横一列に並んでいる。旅館の浴室としてはいたって普通。露天風呂のほうが風情があっていい。大きな石を積み上げ、高さ1mほどからお湯が流れ落ちてくる。湯船のまわりを植栽と竹垣風の塀が囲み、その向こうには雑木林が見える。欲を言えばもう少し塀を下げて開放感が欲しかったな、と。
無色透明のお湯は、pH10.4という国内屈指の強アルカリ泉。湯船では循環処理をしているため、個性があまり感じられないし、湯垢もちょっと気になった。しかし、源泉のらしさを実感するならばカランのお湯。すべすべした肌ざわりとかすかな硫化水素臭。パンフレットによると「当館近くの河川改修の際に出現した多量の火山灰層。その下に何かがあると、天啓を受けたごとく掘削を開始したところ、ついに当地唯一の天然温泉が滾々と湧き出しました」とのこと。というわけで、カランのお湯をさんざんかぶって浴室をあとにした。
ふるさとの宿
源泉/飯山温泉(単純温泉)
住所/厚木市飯山5547 [地図]
電話/046-241-1106
交通/小田急線本厚木駅よりバス15分「飯山観音前」停すぐ
国道246号線「市立病院前」交差点より県道60号線経由で約5.6km
料金/800円(1時間)
時間/11:00〜20:00
・飯山温泉旅館組合
・飯山芸妓置屋組合
・厚木市観光協会




飯山観音長谷寺(ちょうこくじ)は真言宗の古刹。本尊の十一面観音像は縁結びに御利益があるという。春には約2000本のソメイヨシノが咲き、桜の名所としても知られている。