旅は哲学ソクラテス

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那須温泉郷

老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本) ※2019/12/16/閉館

那須湯本は「那須七湯」の中心的温泉街で、大小のホテル、旅館が点在している。日帰り温泉施設としては「鹿の湯」(⇒記事)が有名。しかし今回は「那須の珍湯」を自称する老松温泉喜楽旅館を訪ねた。

詳細は、
那須の珍湯!?そこには衝撃的な光景が… : いかす温泉天国
(まぼろしチャンネル)にて。

老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)
那須街道の郵便局にさしかかるカーブの手前「旭橋」が進入路。看板が目印。しばらく行くと、使われず放置された建物がある。

老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)
ガラクタとともに首だけの人形も捨てられている。不気味なこと極まりない。そして、こんどは「那須の珍湯」の石碑。お金の使い方を間違えているとしか言いようがない。

老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)
そこから先は未舗装の道。駐車場は石碑のところに適当に。やがて旅館の建物が見えてきた。旅館と自宅は向かい合って建っている。

老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)
左が旅館。右が自宅。どちらも相当の年季が入っている。

老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)
老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)
旅館の痛み具合は凄まじかった。自然災害!?重機で解体途中!?なぜこうなった…。

老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)
老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)
いちおう営業はしていた。

老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)老松温泉喜楽旅館(栃木県那須町湯本)
浴室はまともだった。湯治場的な雰囲気がいい。那須湯本が引いているわけではなく独自の源泉だという。白濁した硫黄泉。

老松温泉喜楽旅館
源泉/老松温泉(泉質不明)
住所/栃木県那須郡那須町湯本181 [地図
電話/0287-76-2235
交通/那須街道(県道17号線)旭橋より約400m
料金/大人500円、小人300円(0歳〜10歳)
     ※45分以内
時間/8:00〜20:00、年中無休

詳細は、
那須の珍湯!?そこには衝撃的な光景が… : いかす温泉天国
(まぼろしチャンネル)にて。

鹿の湯(栃木県那須町湯本)

鹿の湯(栃木県那須町)那須温泉郷は那須湯本温泉、大丸温泉、北温泉、弁天温泉、高雄温泉、八幡温泉、三斗小屋温泉の、いわゆる「那須七湯」を総称して言う。このうち那須を訪れる観光客にもっとも有名なのが那須湯本温泉で、開湯は天平10年(738)だという。那須でいちばんの古湯であるのはもちろん、全国でも32番目という歴史を持つ。江戸時代は湯治場として諸大名も訪れ、また温泉番付では草津温泉に次いで、東の関脇として名を連ねている。

鹿の湯(栃木県那須町)鹿の湯とはその名の通り、温泉で傷を癒していた鹿を発見ことに由来する。那須湯本のホテルや民宿では鹿の湯源泉を引いているが、日帰りで楽しみたいなら殺生石の道向かいにある日帰り温泉施設「鹿の湯」を訪ねるとよいだろう。温泉街の北側に位置し、湯川の流れを挟んで右手の玄関は大正築、左手の浴室は明治築の建物だという。たかが日帰り施設といえども、湯治場の雰囲気を現代まで保ち続ける姿勢に敬意を表したい。

渡り廊下より浴室へと向かうが、ここには入湯の心得が掲げられている。初めにかぶり湯を100〜300回。ひしゃくで頭からかぶるのだという。次に2分ほどの半身浴。そして2〜3分程度お湯につかった後は、上がって休みの繰り返し。「長湯は避けてください」とのこと。何気なく読んだこの心得も、いざ入浴という段になって納得。pH2.53という強酸性であるため刺激が強く、また強烈なまでに高温の湯船まで備えているのだ。浴室で石鹸の使用を禁止している点でも草津と同じだが、こちらでも湯もみショーを行っているのだという(5〜10月の第2・4金曜日11時から)。

広い室内はすべて木造で、温度の異なる6つの湯船が並んでいる。男湯は41℃、42℃、43℃、44℃、46℃、48℃。女湯は41℃、42℃、42.5℃、43℃、44℃、46℃。段階的に高温を体験できるのは貴重だが、なりより46℃や48℃といった熱湯は通常お目にかかることすらないだろう。各湯船は大人4人が膝を抱えて精一杯な大きさで、源泉は白くにごっている。硫化水素臭が発生しているため、浴室内で寝転ばないようにとの注意書きもある。ひしゃくを片手に激しく頭からお湯をかぶっている人、打たせ湯で打たれ続けている人などにも圧倒されつつ、まずは無理せず41℃の湯船から。これでは一般的な施設と何ら変わりがなく物足りないので、徐々に熱い湯船へと移動。もっとも奥に46℃と48℃の湯船があるのだが、そこだけは湯船の周りに人だかりができている。まるで挑戦者を待ち構えているかのように…。

しばらく様子をうかがってみるも、意を決してまずは46℃に入浴。普段銭湯で鍛えているので、我慢できない熱さではない。しかし48℃の熱さは、たかが2℃の違いとはいえ、熱さの種類が違った。じりじりと突き刺してくる熱さに加え、皮膚を焦がすような熱さが、足首や指先など皮膚の薄いところを痛めつけてくる。体制を立て直すことすらままならず、涼しい顔を装ってじっと我慢。まわりのおじさんたちから「意外と頑張るねぇ」などと激励されるも、さすがに2分でギブアップ。これ以上の我慢で得られるものは何もなし、と。そのあとに入った41℃なんて、ぬるま湯みたいなものだ。

熱湯好きにはぜひとも挑戦していただきたい施設であるが、遊び半分の入浴はご法度である。入湯の心得をよく理解したうえでの利用を心がけたい。施設の雰囲気や源泉の使い方など、施設自体の満足度やコストパフォーマンスは高く、鹿の湯を目当てに那須を訪れる価値はじゅうぶんにある。

鹿の湯
源泉/那須湯本温泉(鹿の湯・行人の湯混合泉:単純硫黄泉)
住所/栃木県那須郡那須町湯本170 [地図
電話/0287-76-3098
交通/JR東北本線黒磯駅よりバス35分「那須湯本」停徒歩2分
     東北自動車道那須ICより県道17号で約12km
     無料駐車場あり
料金/大人400円、小学生300円、1日券1,500円
時間/8:00〜19:00(12月〜2月は8:00〜18:00)、無休

那須観光協会
那須温泉旅館協同組合

追記-2010/2/27
老朽化が進んで痛みが激しかった男湯の改修工事を終え、3月1日から営業を再開。大規模改修は約40年ぶりだという(10年ほど前に男女別浴として増設したのを除く)。「現施設は1942年に開設。同社は地元旅館などが出資して48年に設立、旅館やホテル13施設への給湯も行っている」(下野新聞より)



滝の湯河原の湯
追記-2012/4/27
那須湯本温泉街に地元住民と民宿宿泊者のみ利用できる共同浴場があった。
左)滝の湯 右)河原の湯

北温泉旅館(栃木県那須町湯本)

北温泉(栃木県那須町)栃木県の最北部、福島県との県境に位置する那須高原はいま紅葉が真っ盛り。東北自動車道那須ICより県道17号線(那須街道)を北進すると、さすがリゾート地の風情。観光客向けのレジャー施設やホテル、ペンションなどが建ち並ぶが、これらを一気に通過し、那須湯本から先はボルケーノハイウェイ(今年中に無料化の予定)をひた走る。

那須温泉郷と総称される温泉場は、茶臼岳を中心とする那須連山に点在するが、今回はその中から北温泉を訪れた。

旭北湯入口バス停より田舎道を1kmほど行くと、無料の公共駐車場がある。北温泉はここから遊歩道を10分ほど歩いて行くのだが、山あいを埋め尽くす紅葉はまさに絶景の域。この景色については何も説明は要らないだろう。遊歩道は北温泉を経て、清水平から三本槍岳や茶臼岳まで続いている。北温泉から先はむしろ登山道だ。

北温泉(栃木県那須町)北温泉(栃木県那須町)北温泉(栃木県那須町)

やがて北温泉旅館の全景が見えてくるが、山あいにひっそりと佇むさまは、時代から取り残されたかのようでもある。余笹川のほとりに板張りの木造建物が数棟建ち並び、古きよき湯治場としての風情を醸し出している。山の宿らしく自前のユンボやトラックを、床下には越冬用の薪を常備。それなのに手前には温泉プールがあったりして、この時期だと寒々しいのだが、一年中泳げるのだという。

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玄関先の囲炉裏では炭が焚かれ、そこに寛ぐ日帰り客と、チェックインする客でロビーはごった返していた。券売機で入浴チケットを購入することに戸惑いを感じたが、こんな状況ではむしろ合理性が最優先ということだろう。しかしこのチケットは、帰りに回収するのだという。不正入浴もありうると思うのだが、そもそも良識のない客ははるばるここを訪れることはないだろう。帳場の雰囲気は時代劇のセットのようでもあり、和箪笥ほか調度品は相当年季が入っている。かと思えば、廊下には日露戦争時の軍人の写真が貼り出してあったりする。売店ではカップ麺や日本酒、トランプなど、湯治生活の足しになりそうな商品とともに、骨董品に値する生活民具の類まで並んでいる。これらをひとつひとつ見ていたら迷子になってしまいそうなほど、館内は複雑に入り組んでいる。安政時代の建物に、明治、昭和の建物が増築され、傾斜した地形にあわせて階段で上り下りしなくてはならないのだ。館内図を見てもよくわからないので、目の前の矢印に従って移動することにした。

北温泉(栃木県那須町)北温泉(栃木県那須町)北温泉(栃木県那須町)

北温泉が有名たる所以といえば、天狗の湯の雰囲気だろう。薄暗い浴室はそれだけでも鄙びた雰囲気ではあるが、壁に掲げられた天狗の面が不思議な世界観というべきか、もっと言えば畏れすらを感じさせる。室内外に子宝祈願の絵馬が数多く奉納されているのを見ると、この温泉に対する信仰の厚さを感じずにはいられない。天狗の湯は文字通り、宝亀年間(770〜)に天狗が発見したとされる無色透明のお湯。豊富な湯量をかけ流ししている。湯船の間近に脱衣棚が設えてあるのだが、一部は廊下にもある。簾がかかっているとはいえ、廊下の先からも丸見えだし、その先の浴室への通り道でもある。肝心なことを言い忘れていたが、天狗の湯は混浴だ。秘湯宿だからこそのおおらかさと言えよう。

北温泉(栃木県那須町)北温泉(栃木県那須町)北温泉(栃木県那須町)

天狗の湯の先には打たせ湯(別名不動の湯)とぬる湯(家族の湯)がある。まさしく湯小屋という簡素な佇まいで、言うまでもなく混浴だ。そして鬼子母神の祠には金精様も祀られており、そしてこちらにも数多くの絵馬が奉納されている。北温泉の広大な敷地内にはこのほかに、温泉神社、お不動様、首なし地蔵、馬頭観音が祀られている。積み重ねてきた年月のなかで、館主や訪れる客の手厚い信仰がいまも息づいている証だ。

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館内には女性専用で芽の湯(別名:女の湯、目の湯)という浴室もあるが、そのほかの浴室は男女別浴である。露天風呂の河原の湯は余笹川の流れに面し、秋は対岸の紅葉を愛でながらの入浴となる。上流側には巨大な砂防ダムを控え、山の自然に似つかわしくない景色ではあるが、黄土色に変色しているのは温泉の成分によるものだろうか。河原の湯は明治時代に造られた、「比較的新しい浴場」だという(公式サイトより)。「満天の星の湯」との別名があり、20時からの1時間は照明を落としているのだという。より鮮やかに、そしてより間近に星空を眺めることができそうだ。(右の写真は河原の湯・女湯)

北温泉(栃木県那須町)北温泉(栃木県那須町)北温泉(栃木県那須町)

屋外に出ると相の湯という湯小屋がある。昔は唯一の混浴だったため、この名前がついたのだという。そして温泉プールの泳ぎ湯は大きさが10×15mと本格的。ウォータースライダー代わりの滑り台が、なんとも微笑ましい。裸でも水着でも入浴OKだという。

北温泉(栃木県那須町)北温泉の開湯は古く、元禄9年(1696)のことだという。明治以前は岐多温泉と呼ばれていたそうだが、これは源泉の岐路が多いことに由来するのだとか。いずれも自然湧出の自家源泉を3本持ち、豊富な湯量は合計で毎分1620リットル。老若男女を問わず、秘湯好きの間ではつとに知られた山のいで湯だ。



北温泉旅館パンフレット

北温泉旅館
源泉/北温泉(単純温泉)
住所/栃木県那須郡那須町大字湯本151 [地図
電話/0287-76-2008
交通/JR東北本線黒磯駅よりバス60分「大丸旅館」停で乗換、「旭北湯」停徒歩30分
     東北自動車道那須ICより県道17号、ボルケーノハイウェイ経由約30分
     ※公共無料駐車場より徒歩約10分
料金/700円
時間/8:30〜16:00

那須観光協会
北温泉旅館(自遊人温泉倶楽部)
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・大人530円(12歳以上)
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