ラドン健康パレス 湯〜とぴあ(山梨県甲斐市富竹新田)旧竜王町の国道20号線沿いに、ひときわ目立つ巨大看板。それが「ラドン健康パレス湯〜とぴあ」だ。「お風呂とジャンボレジャーのスペース」というキャッチコピーからして、ひと昔前の健康ランドのようでもあり、パンフレットは「竜王ラドン温泉ホテル」として夕食メニューを見開きで紹介。ホームページでは復刻版CDの通販も行っている。いろいろな顔を持ちつつも、簡単に言えば、昭和の一時代を築いた「ラドンセンター」の生き残り。車でも電車でも交通便がよく、宿泊もリーズナブルだから、観光やビジネスの拠点にしてもよいだろう。

ラドン健康パレス 湯〜とぴあ(山梨県甲斐市富竹新田)ラドンセンターあるいはラドン温泉については、湯〜とぴあホームページのサブコンテンツ「ラドン温泉医学のしおり」やwikipediaを参考にしていただきたく、ここでは説明を割愛したい。昭和50年代後半から60年代前半にかけて、ラドン温泉ブームが巻き起こり、利用客は1,000万人を超えたというが、いまでも「ラドンセンター」「ラドン温泉」の看板を掲げている施設はいくつあるのだろうか。

ラドン健康パレス 湯〜とぴあ(山梨県甲斐市富竹新田)湯〜とぴあ名物といえば、フロントの真正面にずらっと並ぶラドンとオゾンの発生装置だ。国内最大級の1,000名対応だという。どういう仕組みなのか知る由もないが、がらーんとしたロビーには機械音が響き渡っている。本来ならば機械室にて遮音したほうが良さそうだが、あえて客に見せる。オープン当初は自慢のハイテク設備だったのだろう。

パンフレット浴室は2か所に分かれており、フロントのおばちゃんは「温泉」と「サウナ」という呼び方をしていたが、平日の昼間では客が少ないせいかサウナは夕方から。温泉しか利用できないが、むしろ目的はラドン温泉ですとは言えなかった。

ラドンは皮膚からはもちろんのこと、呼吸からも体内に取り入れることで、より一層のホルシミス効果(細胞の活性化、免疫力向上)が期待できる。「医学の温泉」を謳うのはこのためだ。

浴室内にはラドン吸入室が設けられており、ロビーにあったラドン発生装置からラドンが送り込まれている。室内には湯船1つがあるのみで、薄暗く、湯気が立ち込める。ラドン自体は無臭で、効能・効果を直ちに実感できるものではないが、室内にいるだけで健康になれそうな気がしてくる。壁にはキュリー夫人が発見したというラジウムの話や、ラドン開発事業団の話などの説明が並ぶ。総裁は鈴木善幸だなんて、いったいいつの話か。

ラドン健康パレス 湯〜とぴあ(山梨県甲斐市富竹新田)浴室内にもう1つある湯船は、打たせ湯のつもりか知らんが、豪快に温泉が流れ落ちている。温泉は地下1,000mから湧出し、湯量は毎分120リットル。加温や循環ろ過をせず、ざあざあとあふれている。壁を隔てて水風呂もあり、それをコの字で囲むようにして洗い場が設けられている。ラドン吸入室がなければ、ただのくたびれた店で話が終わってしまうだろう。失礼ながら。

ラドン健康パレス 湯〜とぴあ(山梨県甲斐市富竹新田)ラドン健康パレス 湯〜とぴあ(山梨県甲斐市富竹新田)

風呂あがりに休む場所があればなぁと思うが、ロビーを突き抜けた先では業者が何やら作業中。「平日あるある」とでも言うべきか。本来は大人1,300円のところ、ただいま破格の600円で入浴可能。この思い切った割り引きの意図は何だろうか。

ラドン健康パレス 湯〜とぴあ
源泉/竜王温泉(ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉)
住所/山梨県甲斐市富竹新田1300-1 [地図
電話/055-276-9111
交通/JR中央本線竜王駅より徒歩12分
     国道20号線(甲府BP)「竜王駅入口」交差点より約300m
     ※無料駐車場400台分あり
料金/大人1,300円、小人900円(小学生以下)
時間/10:00〜23:00