旅は哲学ソクラテス

興味があるのは風呂屋めぐりとベイスターズです。それ以外のことにはあまり興味がありません。
日帰り温泉・スーパー銭湯・町の銭湯・共同浴場・サウナ・健康ランド・野湯など守備範囲は広めです。
行動範囲は神奈川を中心とした1都3県と静岡、山梨です。

熱海温泉

水口第二共同浴場(静岡県熱海市水口町) ※2015/12/31廃止予定

水口第二共同浴場(熱海市水口町)熱海市水口地区に2軒ある共同浴場のうち、来宮駅寄りにあるのが水口第二浴場だ。ただでさえ熱海の共同浴場は見つけにくい場所ばかりだというのに、ここにいたっては見つけてくださるなと言わんばかりの立地だ。周囲は住宅街であるため道は狭く、昼も夜も人通りはまばら。目印は肉屋で、そのわきの幅1mほどの路地の先にあるのだが、表通りに看板はない。ほとんどが地元住民の利用だろうから、看板など不要なのだろう。夜は人の気配を感じると、センサーが路地を照らしてくれるのがありがたい。見るからに地元住民専用な雰囲気だが、観光客の利用も可能。

水口第二共同浴場(熱海市水口町)路地の突き当たりに男湯と女湯のドアが並んでいる。開けるとすべてが見渡せるほどに、狭い浴室だった。脱衣スペースと洗い場を隔たる仕切りなどなく、湯船まで含めて1つの空間に収まっているのだ。その広さは間口1.25間、奥行1.5間、すなわち4畳弱。近所の谷口商店で購入した入浴券(裏表に名前を記入する)は、下足棚のわきの箱に入れる。脱衣スペースには3×3の棚と足拭きマットがあるのみで、実質半畳ほど。窮屈な感じで服を脱ぎ、洗い場では脱衣スペースを濡らさぬよう、細心の注意を。

水口第二共同浴場(熱海市水口町)おじさんがひとり入浴中で、湯船に水を勢いよく入れていた。おじさんいわく源泉は90度ほどの熱湯で「最初に源泉を一気に入れてやると雑菌が死ぬんだよ」と。それじゃ熱くて入れないから「今度は水で調整するんだ」とのこと。身近に温泉がある生活だと、「水で薄まってもったいない」なんていう発想がないのかもしれないし、これまで入った温泉もそうだったが、熱海の人は意外とぬる湯好きなのかもしれない。この頃は近所も建て替えて家に風呂があるのが当たり前で、利用者はだいぶ減ったらしい。そして「ここもいつまで続くかなぁ」と。

ひとしきりおしゃべりしたあと、おじさんは「よく温まっていきなよ」と言い残し、パンツ1枚の格好で帰っていった。「家はすぐそこ」なのだとか。思いがけず地元の人情にふれ、印象深い入浴体験だった。関東近郊の大温泉地として知られる熱海だが、温泉街をちょっと外れると超ローカルな雰囲気が残っている。なかなか熱海も奥深い。

水口第二共同浴場
源泉/熱海温泉
住所/熱海市水口町 [地図
交通/JR東海道本線熱海駅より徒歩20分、伊東線来宮駅より徒歩4分
料金/300円
時間/14:00〜22:00、毎週木曜日定休

水口第二共同浴場(熱海市水口町)裏手の路地から撮影

(追記-2015/10/16)
すでにツイッターなどで話題となっているが、建物の老朽化や入浴者の激減といった理由により、水口第一・第二共同浴場は今年12月31日をもって営業を終了する。


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水口第一共同浴場(静岡県熱海市水口町) ※2015/12/31廃止予定

水口第一共同浴場(熱海市水口町)熱海駅より南に下っていき水口地区まで来ると、温泉街というよりもう住宅街の風情。路地裏にもびっしりと家が建ち、熱海市民の日常生活を垣間見ることができる。そんな水口地区には2軒の共同浴場があり、観光客も利用することができるが、あくまでも地元住民の利用がメイン。通りに面して看板はなく、目印は目の前にあるバス停。路地側に2つ扉が並んでいるが、困ったことにどちらが男湯なのかが書いていない。しかも訪れたのは夜で、利用可能の時間内だというのに扉の向こうは真っ暗。しばし途方に暮れていると、入浴道具を引っ提げたおばちゃんがやって来た。左が男湯で、右が女湯、室内の電気は自分で点けるらしい。地元住民は誰もが知っていることで、いまさら案内不要なのだろう。

水口第一共同浴場(熱海市水口町)水口第一共同浴場(熱海市水口町)扉を開けると1帖ほどのたたきに、2帖大の脱衣スペース。4×4の棚が壁側にしつらえてあり、ほかにベンチと扇風機があるのみ。入浴券は向かいの小山商店で販売しているのだが、あいにく閉店していたので、第二浴場近くの谷口商店で購入(裏表に名前を書いて料金箱へ)。もしくは備え付けの紙に名前を書き、入浴料とともに箱に入れても良いらしい。「タダ風呂ではない」なんていう貼り紙もあり、当然のことながらルール厳守で入浴を。「入浴者注意事項」という貼り紙もあるが、日付は昭和39年1月。この共同浴場の歴史の古さを感じさせる。

水口第一共同浴場(熱海市水口)浴室は4畳ほどだろうか。水だけの蛇口が3つあって、奥の排水溝に向かって床は全体的に下り勾配。湯船は人造石の研ぎ出し仕上げで、1帖ちょっとの大きさ。先客が出てからしばらく時間が空いていたのか、お湯はだいぶぬるかった。蛇口をひねれば高温の源泉が出るので、適温にまで調整。のんびりとお湯につかることができた。大温泉地にして観光地の熱海とは一線を画すローカルな雰囲気を味わいたければ、ここを訪れると良いだろう。地元住民の憩いの場なので、それなりの覚悟とマナーは心がけて入浴したい。

水口第一共同浴場
源泉/熱海温泉
住所/熱海市水口町 [地図
交通/JR東海道本線熱海駅より徒歩19分、伊東線来宮駅より徒歩10分
料金/300円
時間/13:00〜21:00、毎週水曜日定休

(追記-2015/10/16)
すでにツイッターなどで話題となっているが、建物の老朽化や入浴者の激減といった理由により、水口第一・第二共同浴場は今年12月31日をもって営業を終了する。


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清水町浴場(静岡県熱海市清水町)

清水町浴場(熱海市清水町)熱海の清水町界隈は起雲閣芸妓見番といった観光施設はもとより、グルメシティやマックスバリュといったスーパーもあり、中心街というべき賑やかさがある。そんな一画にあるのが清水町浴場だ。町内会館ビルの1階にあり、熱海の共同浴場にしては珍しく、観光客の立ち寄りを歓迎する看板が立っていた。施設は無人なので、まずはすぐ目と鼻の先にある小川商店で入浴券を購入する。「お名前は?」と聞かれるが、これは入浴券に記入するため。「脱衣所の中にある箱に、名前が見えるようにして入れてね」とのこと。

清水町浴場(熱海市清水町)入浴券を携えて清水町浴場へ。おばちゃんに教えてもらったとおりに、脱衣所内の小箱に入れる。小川商店が閉まっているときは、備え付けの紙に名前、住所、電話番号を記入し、お金とともに料金箱に入れるという制度。不正入浴を防止するための制度だろうが、チェック体制は驚くべきほどに厳しい。脱衣所は2帖ほどの広さに鍵なしのロッカー、洗面台、扇風機があってせせこましい。

清水町浴場(熱海市清水町)小山商店のおばちゃんが「狭いけれど…」としきりに言っていたが、その言葉は本当だった。間口約1間、奥行約2間の細長い浴室。洗い場は2人分で、共同浴場では珍しくカランは最新式の混合栓。柱の関係なのか湯船には出っ張りがあるが、広さは2帖弱といったところ。山田湯は蛇口にホースをつないでいたが、清水町浴場ではパイプを使用している。源泉を出したり、水を出したりして湯温を調整する。素朴な感じで狭いならまだしも、重厚感ある造りなだけに余計な圧迫感をも感じさせる。もうひとり来たらいっぱいだし、気を遣ってしまうだろう。源泉そのものを楽しめるのは良いが、この雰囲気にして500円という入浴料をどれだけの人が納得できるのか。しかもこの1年の間に、ちゃっかり値上げしているし。住民の皆さんの管理とご好意なので、利用させてもらえるだけありがたいのだが。わりと見つけやすい場所だし、看板に惹かれて訪れる観光客も多いだろうなぁと思う。

清水町浴場
源泉/熱海温泉(ナトリウム・カルシウム−塩化物泉)
住所/熱海市清水町11-5 [地図
交通/JR東海道線熱海駅より徒歩20分
     またはバス「清水町」停徒歩3分
料金/500円
時間/11:00〜21:30(金曜日・土曜日は22:00まで)
     毎月6・16・26日定休


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