「讃岐の奥座敷」と呼ばれる塩江温泉にあって、さらに奥まったところに位置するのが「さぬき温泉」である。道中のところどころに看板があり、その名前とともに気になって訪れたのだが、道の駅しおのえより3.8km、国道193号線から枝分かれする落合橋より2.4kmと道のりは遠い。山間の農村的な風景の中に建つマンションのような外観のホテルだが、事前に下調べしていないとこういう施設は当たり外れが大きい。さぬき温泉というからには、讃岐を代表する温泉ホテルなのであろう。名前に誘われて訪れたらしい客がほかにも何人かいた。
客室は20室で100名収容だというが、建物は8階建で規模は大きい。宴会場やレストラン、会議室などを備えているため、団体客の利用が多いのであろう。ホームページを見ると個人客の集客にも力を注いでいるようだが。
フロント階より下ると浴室がある。内風呂として6帖ほどの湯船が1つ。大きくとった窓の外には、正面に小高い山、その下に畑。傍らにトラクターを停め、おじいさんが1人で農作業をしていた。絶景とまではいかないが、典型的な農村の風景が広がっている。これぞ讃岐の原風景、ということかもしれない。浴室の壁には温泉についての説明が書いてある。炭酸水素イオンとフッ素イオンが温泉法の基準を満たしているらしい。浴室内には小さなサウナと水風呂もある。
露天風呂へ行くためには一度脱衣所へと戻り、すぐわきの扉を出る。外階段を降りずに左へ進むと、1つ目の露天風呂がある。構造的にはベランダというべき部分に設けられた岩風呂風の小さな湯船。その横は山の斜面で、雑木林が迫っている。壁にはペンキで真っ青に塗られ、海と小島が描かれている。せっかくの岩風呂なのに、日本的な情緒はない。
そして露天風呂はもう1つあり、今度は外階段を下り、館内地階のボイラー室と思われる部屋のわきを通っていく。裸のまま廊下を歩くのはなぜか恥ずかしい感じがする。もう1つの露天風呂もベランダ的な空間に設けられ、岩風呂風に岩が湯船の縁に組んである。先ほどの湯船よりちょっとだけ大きい。内風呂で眺めた景色よりと同じだが、階が低いぶん畑が間近にある。
←写真は休憩室より。浴室からも同じ景色を望む。
さぬき温泉
源泉/塩江温泉(温泉法の温泉)
住所/香川県高松市塩江町安原上東2065-1 [地図]
電話/087-893-0300
交通/JR高松駅よりバスで約1時間「上落合」停下車、徒歩30分
車だと国道193号線で塩江温泉へ。落合橋より約3分
料金/大人500円、子供300円(小学生)、幼児200円
時間/9:00〜21:00、毎月第2・4水曜日休館(祝日の場合は変更あり)