どう活用しているのかわからないが立派な水車小屋、受付兼有料休憩室、浴室の3棟からなり、これらの建物に囲まれた空間にはテーブルとベンチが置いてある。こうした配置や雰囲気も白骨と似ている。あとで知ったが、駐車場脇にあった建物(1枚目の写真)は宿泊棟であるようだ。料金は下記の通り。
浴室もまた簡単なつくりで、ブロックを何段か積んで、その上に柱と塩ビの波板を組んでいる。室内だというのにそれを感じさせず、まるで温室にいるような錯覚を受ける。本格的な岩風呂であることも特筆すべきで、湯船というより岩場のなかの湯溜まりか!と言いたくなるほど、室内じゅうが湯船みたいな感じ。とても自由な設計だ。
露天風呂も巨大な岩を配してつくった岩風呂。松川の河原も巨岩がゴロゴロしているが、こんなに大きな岩を運ぶのは大変だったはず。「岩を配して」というより、天然の岩場を一部くりぬいているのだろうか。これでもかと言わんばかりのダイナミックさである。露天風呂は混浴で、女性はバスタオルの着用が義務となっている。女湯の出入口の奥には女性専用スペースがあるのだが、目隠しになるようなものは何もない。むしろそのさらに奥からは松川の河原を眺めることができ、女性が誰もいなかったので、みんな自由に行き来していた。松川を取り巻く緑が間近に迫り、野趣あふれるロケーション。お湯は透明度があるのだが、1cmほどの糸状になった湯の花がたくさん舞っている。そして季節柄、虫がたくさん浮いていた。
信玄の隠し湯といわれ、江戸時代には湯治客で賑わった温泉もいつの日か廃れ、伝説をたどって再発見されたのは昭和42年のことだという。「旅行読売」では何度か表紙を飾っており、ツウ好みの温泉であることは間違いないが、クチコミサイトなどをのぞいてみると、カップルでの利用も意外と多いようだ。
松川渓谷温泉 滝の湯
源泉/松川渓谷温泉(含硫黄−カルシウム・ナトリウム−塩化物・硫酸塩泉)
住所/長野県上高井郡高山村奥山田3681-377 [地図]
電話/026-242-2212
交通/長野電鉄須坂駅からタクシーで約30分
料金/大人500円、子供300円
(入浴休憩)大人1,000円、子供600円 ※再入浴可
時間/10:00〜18:00
宿泊料金
持ち込み又は自炊 1泊4,000円・子供3,000円
(トップシーズン・金土日曜・祭日 1,000円増)
1泊朝食つき 6,000円〜・子供4,000円
1泊2食つき 8,000円〜・子供6,000円
・秘湯ロマン(テレビ朝日)〜長野・松川渓谷温泉「滝の湯」〜