旅は哲学ソクラテス

興味があるのは風呂屋めぐりとベイスターズです。それ以外のことにはあまり興味がありません。
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行動範囲は神奈川を中心とした1都3県と静岡、山梨です。

万座温泉

豊国館(群馬県嬬恋村干俣万座温泉)

豊国館(群馬県嬬恋村干俣万座温泉)万座温泉を訪れるのは3度目だが、今回は「豊国館」という旅館で日帰り入浴。かつて訪れた施設は露天風呂の数に満足したが、温泉評論家と呼ばれるような方々の本を読むと、豊国館を絶賛する記述が多い。万座温泉は江戸時代から湯治場として開けていたが、本格的な温泉地として開発されたのは戦後になってから。その中にあって、昭和2年創業の豊国館は老舗だと言ってよいだろう。万座ハイウェイ側の入口に建ち、外観も館内も鄙びた部類に属す。節電なのか普段からそうなのか館内は薄暗く、呼び鈴を鳴らしてもなかなか宿の人は出てこない。宿泊は「賄式(2食付)」「半自炊式」「自炊式」の3タイプ。観光客相手というより、湯治客あるいは温泉通好みの宿だと言える。

万座温泉の旅館で使用しているのは13の源泉だが、豊国館は自家源泉の「苦湯」。脱衣所は2方向に扉があって、一方は内湯。浴室は湯船も含めてすべてを木でつくっており、全体がこげ茶色の空間。歴史の積み重ねを感じさせる。湯船には青白いお湯がなみなみと湛えられており、細かい湯の花がいっぱい。ざらざらとした肌ざわりが成分の濃さを感じさせる。

豊国館(群馬県嬬恋村干俣万座温泉)脱衣所からもう一方の扉を開けると、通路を経て大きな露天風呂に通じている。廊下側にも通じていることは気づいていたが、あとになって知ったのはここが混浴だったということ。女性専用の露天風呂もあるため、女性客は誰もいなかったが。さて、この露天風呂の大きさは幅3m×奥行9m×深さ1m。曇り空だったが、青白いお湯がまぶしくてたまらない。「万座温泉に来たんだなぁ」とあらためて実感。目の前は開けていて、まだ雪の残っている山の景色を眺める。万座に下りてくる車やバスもはっきりと確認できる。外気はまだ冷たく感じたけど、半身浴だといくらでもお湯につかっていられる。のんびりとした景色を眺めていたら、ついうとうとしてしまった。(写真はパンフレットより転載)

好きな温泉どこ?という質問には、いつも万座と答えているのだが、今回の豊国館でも最高の温泉気分を味わうことができた。内湯や露天風呂の湯治場風情はもちろんのこと、なんといっても温泉そのものの素晴らしさ。硫黄泉のにおいや白濁した色、pH2.2という酸っぱさ、高原の静かなロケーション。五感で楽しめる温泉地だ。

豊国館
源泉/万座温泉(含硫黄−ナトリウム−硫酸塩泉)
住所/群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉2401 [地図
電話/0279-97-2525
交通/JR吾妻線万座鹿沢口駅よりバス約40分「万座バスターミナル」停徒歩1分
     上信越道碓井軽井沢ICより鬼押ハイウェイ〜万座ハイウェイ
     上信越道信州中野ICより国道292号線(志賀高原経由) ※冬期通行止め
料金/大人500円、子供300円
時間/8:00〜20:00

万座温泉観光協会

・万座高原ホテル(⇒記事
・万座温泉ホテル(⇒記事

万座高原ホテル(群馬県嬬恋村干俣万座温泉)

万座高原ホテル(群馬県嬬恋村)万座高原ホテルは万座温泉の入口に位置し、バスターミナルから2軒目のホテル。プリンスホテル系列で、宿泊客なら万座プリンスホテルでの入浴も可。万座プリンスに比べれば宿泊費もリーズナブルで、また万座温泉のほかの宿同様、3〜5泊(さらに延泊可)の湯治プランの設定もある。

万座高原ホテルの名物は「石庭露天風呂」。広大なスケールの露天風呂には8つの湯船があり、三味の湯、早蕨の湯、琥珀の湯、龍泉の湯、紅の湯、白滝の湯、水晶の湯、嬬取の湯と名づけられているが、いずれも岩風呂。しかも大きくゴロゴロとした岩を組んだ湯船。緑の山がぐるりと囲むが、岩肌があらわになり、さらには岩が転げ落ちてきそうな箇所もある。石庭といえば風流にも感じるが、露天風呂は景色と調和し、荒涼とした雰囲気を醸し出している。

源泉の違いなのか、青白い乳白色と黄緑っぽい乳白色の2つのお湯があり、湯船ごとに分かれている。透明度はほとんどなく、かすかに硫黄のにおいがする。源泉が熱いので加水をしているが、循環や消毒なしの掛け流し。たくさん湯船があるとどれに入ろうか迷うが、手前のほうがぬるく、奥のほうが熱いので、そのへんは好みに応じて。

じつはこの石庭露天風呂は混浴。館内の売店では湯あみ着を1,000円で販売しているが、バスタオルを巻いて入浴するおばちゃんもちらほら。にごり湯だし、1つ1つの湯船もゆったりとしており、また岩が視界を遮るように置かれていたりするので、若い女性もぜひチャレンジしてほしいと思う。いちおう嬬取の湯は女性専用。高い塀でほかの湯船からは隠れている。

もう1つの浴室である「百泉の湯」は2007年12月に誕生。内風呂と露天風呂がある。ややこじんまりとはしているが、いかにもホテルの大浴場といった清潔感のある雰囲気。内風呂は青白い乳白色、露天風呂は黄緑色の乳白色のお湯。内風呂からも大きな窓越しに山の斜面を望む。石庭露天風呂と百泉の湯のロケーションなどは、紹介ページを参照のこと。パノラマ写真などで雰囲気を味わうことができる。

万座高原ホテル(絶景温泉万座パンフレット)
プリンスホテルズ&リゾーツパンフレット-2008絶景温泉万座-より

万座高原ホテル
源泉/万座温泉
     (姥湯源泉:含硫黄−マグネシウム−硫酸塩泉)
     (露天混合泉:含硫黄−ナトリウム・マグネシウム−硫酸塩・塩化物泉)
住所/群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉 [地図
電話/0279-97-1111(万座プリンスホテル内)
交通/JR吾妻線万座鹿沢口駅よりバス約40分「万座高原ホテル」停下車
     または万座バスターミナルより徒歩3分ほど
料金/1,000円
時間/9:00〜18:00

万座温泉ホテル日進舘(群馬県嬬恋村干俣万座温泉)

万座温泉ホテルスキーで有名な万座温泉であるが、この地域の歴史は古い。そもそも万座とは「八百万の神々が座して祭事を行った場所」という意味だそうで、坂上田村麻呂がこの地で鬼退治をしたという伝説もあるという。 標高2,171mの白根山の西麓にあたり、万座温泉でも標高1,800mに位置する。ホテルや旅館はスキー場とセットになっているため温泉街といった雰囲気ではないが、温泉が目的ならばここ万座温泉ホテルをおすすめしたい。

万座温泉ホテル日進舘には9つの湯船があり、日帰り入浴の受付があるホテル本館の大浴場にはそのうち5つの湯船がある。ホテルは山小屋のような外観だが、ロビーやラウンジといった館内の雰囲気はごく普通の観光ホテルといった感じ。それに対して、大浴場の室内は古民家のような雰囲気。立派な梁が組まれていて、壁や床はすべて板張り。そのためか多少薄暗く感じるが、それも雰囲気と調和していて、温泉場に来た!という気分をよりいっそう盛り上げる。そして広い室内には「姥湯」「姥苦湯」「ささ湯」「滝湯」「真湯」の湯船があり、それぞれ泉質が違うのだという。そしてこれらの湯船はすべて木造である。万座温泉はわずかに青みがかった乳白色のにごり湯で、硫黄のにおい。湯量が豊富なので源泉掛け流し。

万座温泉ホテル露天風呂ホテル館内にある「姥苦湯」と「ささ湯」は露天風呂だが、もっと眺めがよい露天風呂が「極楽湯」。ホテルから1〜2分歩いたところにある。小さな建物なのだが、服を脱いでから長いトンネルを抜けると、4帖くらいの露天風呂がある。目の前の山々はところどころがスキーのゲレンデになっているので、シーズンオフはなんとも不恰好だが、遠くには山頂に雪をかぶった白根山を望み、まさに絶景。このロケーションならば何時間でも湯につかっていたい気分だが、天気がよかったので乳白色のお湯の照り返しもあって眩しいくらいだ。

万座温泉ホテル(鉄湯・ラジウム湯)さらに坂道を2〜3分下っていくと、「鉄湯」「ラジウム湯」の建物がある。木造下見板張りで、田舎の集会所といった簡素な外観だが、2006年末まではほかの建物数棟と「日進舘」という離れであったようだ。パンフレットの写真などを見ると、田舎のひなびた湯治宿のような雰囲気。ちなみに万座温泉ホテルの宿泊には「湯治プラン」もあり、最短で3泊〜最長で30泊といったコースがある。

さて、「鉄湯」と「ラジウム湯」であるが、これらは男女日替わり。鉄湯は乳白色のお湯だが、ラジウム湯は青っぽい透明感のあるお湯。この建物のすぐ裏手には源泉の湯畑がある。草津温泉のように整備されていない湯畑だが、ガス噴出につき近づかないようにといった驚くべき注意書きがある。その周囲は岩肌が露出し、荒涼とした雰囲気だ。

といったわけで、9つの源泉が3ヶ所の雰囲気で楽しめ、しかも1,000円。そういえば日帰り入浴の受付で料金を払うとき、「初めてですか?」と聞かれたが、逆に言えばリピーターも多いということだろう。はるばる山を越え、この温泉だけを目指していく価値はある。

万座温泉ホテル日進舘
源泉/万座温泉(含硫黄−マグネシウム・ナトリウム−硫酸塩・塩化物泉ほか)
住所/群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉2401 [地図]
電話/0279-97-3131
交通/JR吾妻線万座鹿沢口駅よりバス45分「万座プリンスホテル」停下車すぐ
     長野新幹線軽井沢駅よりバス110分「万座プリンスホテル」停下車すぐ
     ※冬季は「万座バスターミナル」停が終点
料金/1,000円(タオルつき)
時間/10:00〜17:00
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当ブログでご紹介している温浴施設の情報は、すべて自ら訪問し記録したものです。再訪時に料金・設備等で変更点があればその都度追記していますが、施設によっては現在と異なる点がありますのでご了承ください(⇒情報をお寄せください)。 また、当ブログ記載の「交通」は、各施設の公式サイトやパンフレットで公表している情報です。公表なき場合は1分=80mとして計算しています。
神奈川県の銭湯料金
神奈川県の銭湯の料金は下記の通りです。
・大人470円(12歳以上)
・中人200円(6歳以上12歳未満)
・小人100円(6歳未満)
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