葛の湯県道22号線は藤沢市から横浜市泉区に入ると、呼び名が横浜伊勢原線から長後街道に変わる。街道沿い(その下には地下鉄が走っている)には郊外型の店舗が目立ちはじめるが、街道から1本入ると住宅街が広がる。道の狭さから最近整備された分譲地ではないことが推測できる。ところどころには小さな看板があり、それを目印に走ると「葛の湯」にたどり着く。

むかしの住宅街には小さなテナントが並んだ「ショッピングセンター」が付き物だったが、「葛の湯」はそんな雰囲気だ。スナックなどと隣接し、店舗正面と地下、そしてその向かいには広大な駐車場を持っている。銭湯なのに、だ。

一般的な銭湯料金で入れる浴室のほかに、「ロイヤルコース」がある。わずか170円(現在は150円)の追加なので迷わずロイヤルコースを選択。鍵を2本渡され、1本はロッカー、もう1本はロイヤルコースのドアを開けるのに使う。

ちなみに「アフロスの泉」と「美都波の泉」という具合に2つの浴室があり、それぞれが男女日替わりになっている。訪れた日は「アフロス」だった。パンフレットを見ると「アフロス〜」は南欧風で「美都波〜」は純日本調。浴槽にはたいした違いはない。

浴室のドアを開けると、まず銭湯のフロア(2階)。バイタルバスやエステバス、ドリームバスなどの浴槽があるが、いずれも大まかに言えばジャグジーで、どこからブクブクが出てくるかの違い。露天風呂も2つあり、うち1つは源泉を使用。しかし狭いので、1人でいっぱいという感じ。

銭湯フロアの端っこにあるドアを開け、1階に降りていくとロイヤルコースの浴室になっている。洗い場にはシャンプーとボディソープが置いてある(銭湯には備え付けていない)。このフロアにもバブバンドルやジュビナバスなどいろんな浴槽があるが、それらもジャグジー。「葛の湯」はジャグジー好きである。高温サウナと塩サウナもあり、それぞれ10人くらいは座れそうな広さでしかもテレビつき。源泉(冷鉱泉)を使用した水風呂がある。露天風呂も源泉を使用している。お湯は澄んだ黄緑色で、よく見ると麦茶のような茶色でもある。簡単に言えば出がらしの番茶のような色だ。5〜6人がゆったりと入れる大きさ。高い塀に囲まれているので景色は望めないが(銭湯フロアの露天風呂も同様)、全体的にせせこましい浴槽ばかりなので、ここだけは落ち着いて入浴できる。

なにしろ町の銭湯のイメージとはえらい違いだ。「国内最大級スーパー銭湯」を自称しているが、広さが最大級なのではなく、ジャグジーの種類が最大級なのだと思う。1つ1つはたいして大きくはないのだけど。営業時間も長いということも魅力のひとつ。

葛の湯
源泉/横浜温泉(単純冷鉱泉)
住所/横浜市泉区中田南5-1-16 [地図]
電話/045-805-1010
交通/横浜市営地下鉄踊場駅より徒歩10分
     県道22号線(長後街道)「中田町庚申前東側」、
     または「踊場交番前」交差点より約800m
料金/大人450円、小学生以上180円、未就学児80円
    (ロイヤルコース)大人600円、小学生280円
時間/9:30〜25:00、年中無休

(追記-2012/9/23)
料金、泉質を最新の情報に訂正しました。