

14時の開店から客が一回転したであろう頃合いなのに、脱衣所からしてものすごい混雑ぶり。しかし、地元客でなく、大半が銭湯マニアではなかろうか。洗い場は壁列と島列で、計18のカランと2つの立ちシャワー。そしてほぼ全てが埋まっていた。
リニューアルの目玉はいくつもあるが、湯船では流行りの人工炭酸泉を導入。隣にはジャグジーや電気風呂が並ぶ。熱めの湯船を設けたのは下町銭湯ならではの発想だが、約45℃は今日の客層にとってチャレンジでしかない様子。さらに水風呂があって、すぐわきの扉を開ければ露天風呂だ。
白を基調とした明るい室内とは対照的に、露天風呂は薄暗く、まるで別空間。塀が取り囲み、格子にすだれが屋根代わりとして覆う。そこには、円形のシルキーバスが真っ白に浮かび上がる。全てのお湯は肌ざわりのよい軟水を使用しており、炭酸泉やシルキーバスの効果と相まって、女性客にも人気が出そうだ。
デザイナーズ銭湯と呼ぶほど奇をてらった演出や仕掛けはないが、現代のニーズによくマッチしている。地元住民にとっては毎日通う銭湯だからこそ、飽きのこないシンプルさと使いやすさもリニューアルのうちか。

斉藤湯
住所/東京都荒川区東日暮里6-59-2 [地図]
電話/03-3801-4022
交通/JR山手線・京成線・日暮里舎人ライナー「日暮里」駅より徒歩3分
料金/大人460円、中人180円、小人80円
時間/14:00〜23:30、毎週金曜日定休
・日暮里の銭湯で働く最後の「三助」・橘秀雪さんに迫る
(上野経済新聞-2010-02-15)