

ジャグジーもいくつかあるが、メインは温泉を使用した大浴槽だ。地下1,700mより湧出し、薄っすらと茶褐色。塩分を多く含むため、乾燥するこの時期は若干ヒリヒリする。湯船が浅めなのは好みが問われるところだが、長く浸かりたいなら半身浴、あるいは寝湯で。
曲線を描いた湯船が印象的な室内から、さながら屋上庭園といった雰囲気の露天風呂へ。こちらはぬる湯、あつ湯の2つ。時折り聞こえてくるのは、悲鳴を乗せ、轟音とともに滑り落ちるジェットコースター。塀で完全に遮断せず、せっかくならチラ見でもと思うのだが、ラクーアならではのやかましさだ。
サウナは愛好者泣かせの個性的な3室。2回ずつ計6回セットも入ってしまったから、いくら時間があっても足りない。オールドログは約100℃で、山小屋をイメージした静かな小空間。スタジアムは階段状で最上段は約90℃、テレビを観ながら。村田や長野など巨人の選手のバットを入口に飾っている。ヴィルデンシュタインは約80℃で、ロウリュを1日5回開催している。
アロマ水をかけ、タオルで熱気を回旋するだけのシンプルな内容。だからこそ真価が問われる。満員の客を前にして、熱波師の腕の見せ所だ。この日16時の回では、最初の1杯目でわかった。「熱いやつが降りてくる」と。ひさびさに刺激の強いロウリュを味わった。2つある水風呂は、どちらかもっと冷たくてもよいと思った。

パンフレットを見ると、8階〜9階のヒーリングバーデ(岩盤浴)をイチオシしているが、入館料と合わせ、さらに食事したら5,000円なんてあっという間。さすが東京はデートも高くつくなと若いカップルを心配する。WBCの試合前とあって、ここから隣の東京ドームへ向かう同志も多数。スーツ姿のサラリーマンも多く、さまざまな客が、さまざまな目的で訪ねるようだ。

東京ドーム天然温泉 スパラクーア
源泉/小石川温泉(ナトリウム−塩化物強塩温泉)
住所/東京都文京区春日1-1-1 東京ドームシティLaQua5〜9F [地図]
電話/03-5800-9999
交通/東京メトロ丸の内線・南北線後楽園駅より徒歩1分
都営地下鉄三田線春日駅より徒歩2分、三田線水道橋駅より徒歩3分
JR中央線・総武線水道橋駅より徒歩6分
料金/大人2,634円、小学生以上18歳未満1,836円、小学生未満は入館不可
深夜割増料金(1:00〜6:00)1,944円加算
休日割増料金(土・日・祝・特定日)324円加算
ヒーリングバーデは別途864円(11:00〜23:30)
時間/11:00〜翌9:00(18歳未満は11:00〜18:00)、年中無休