浴室は別棟にあり、「番台」という名のカウンターで作務衣・バスタオル・フェイスタオルを受け取る(18時以降の入館だと作務衣なし)。番台のある建物の2階に女性ロッカー・脱衣所・浴室があり、そして男性のロッカー室のみがある。男性はこのロッカー室で作務衣に着替えたり、下駄に履き替えたり、貴重品を保管したりする(館内の飲食には財布が必要だが)。男性の浴室はさらに別棟にあって、渡り廊下を通っていく。
横一列にカランが並び、湯船が2つ、そして小さなサウナと水風呂がある。湯船のうちの1つは40℃ほどだが、もう1つは38℃ほど。「ぬるいお湯に30分ほどつかってください」といったことが書かれている。よっぽどの長湯派でないと30分はつらいと思うが、気持ちよくて意外とあっという間に時間が経ってしまう。ぬるめの湯船のほうが小さいのだが、どうしても客が集中するので逆にしたほうがいいと思う。
露天風呂はぐるりと木々に囲まれている。むしろ森のなかに湯船があるのだ。頭上も緑で覆われている。そんな中に岩風呂調の湯船が2つある。内風呂と同様、1つは40℃ほどで、もう1つは38℃ほど。ちなみに女性の浴室は「木舟」、男性の浴室は「沢舟」という名前。文字通り沢が露天風呂のすぐ下を流れている。いまどきの繁盛店はジャズを流しているというが、女性の露天風呂でもジャズが流れているらしい。だけど男性の露天風呂では沢を流れる水の音と風になびいて揺れる木々の音のみが聞こえてくる。この露天風呂は神奈川県のベスト5といっても過言ではない。素晴らしいロケーションだ。

源泉は地下1,500mから湧出。無色透明で、白く小さく泡だっているところがあるが、これは硫黄の成分なのだという。細部までこだわりのある施設なので、源泉かけ流しだと高く評価できるのだが、循環式・塩素消毒であるのは仕方がないのか。
といったわけで、温泉に入るだけではもったいない。はるばる南足柄まで行くのだから、これらの施設や森の景色を満喫してほしいと思う。それだけの価値はある。
おんり〜ゆ〜
源泉/南足柄温泉(単純硫黄泉)
住所/南足柄市広町1520-1 [地図]
電話/0465-72-1126
交通/大雄山線大雄山駅よりバス8分「おんり〜ゆ〜」停下車
大雄山駅より県道723号線
※無料駐車場120台分あり
料金/大人1,800円、子供900円(小学生)
18時以降の入館:大人1,200円、子供600円
時間/10:00〜22:00(1日滞在型・入退館自由)
毎月第1・3木曜日定休
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南足柄に夢の天然温泉実現(タウンニュース足柄版2006/8/5号)

(タウンニュース秦野版より)