西伊豆の海岸線はどこでも夕日が映えそうだが、土肥温泉の松原公園はきれいに整備され、足湯や展望台もあるし、なによりも市営駐車場に隣接。というわけで、夕暮れが迫ってくると若いカップルを中心に駐車台数が増加する。海水浴シーズンの駐車料金は1回1,200円だが、それ以外の時期ならば2時間まで無料。日が沈むのを待っていたとしても、時間が余るはず。それならば共同浴場へ。松原公園のすぐ近くにあるのが、屋形温泉共同浴場だ。
券売機は故障しており、フロントには誰もいない。入浴料はカウンターの料金箱に入れるが、当然お釣りはないので小銭を持参にて。料金表にはタオルセット、シャンプーセットの記載もあるが、そもそも無人なので各自持参にて。脱衣所は棚とカゴのみ。男湯は海に面しており、窓を少し開けると潮風が入ってくる。窓を全開にすると気まずい思いをするかもしれないから注意。
湯船には耐えずお湯が注がれ、先客が水で埋めていたのか適温。無色透明だが、湯船の縁や配管などには温泉の成分が白く石のように固まり、いい味わいを出している。いままでさんざん温泉めぐりをしたから、料金箱システムにも驚かないが、のどかな共同浴場の風情にあふれており、夕日を眺めに来た若い世代にもぜひ体験してほしいものだ。・屋形温泉共同浴場（伊豆市観光情報サイト）
屋形温泉共同浴場
源泉／土肥温泉（カルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉）
住所／静岡県伊豆市土肥2791-21 [地図]
電話／0558-98-1212（伊豆市観光協会土肥支部）
交通／国道136号線「土肥中浜」交差点より約500m
※市営松原公園駐車場より徒歩3分
料金／大人400円、小人200円
時間／13:00〜20:00（夏季10:00〜21:00）、毎月第2･第4火曜日定休
安楽寺のまぶ湯土肥温泉の発祥と言われているのが、安楽寺境内のまぶ湯。1610年、金鉱の採掘中に安楽寺の住職が病を患い、薬師如来に平癒祈願したところ、金鉱の岩間より温泉が湧出。住職の病はたちまち癒え、諸病にも霊があるとされ、遠近問わず、老若男女、夜となく昼となく湯あみに訪れたという。まぶ湯は採掘していた間部彦平にちなむが、「鉱(まぶ)湯」「医王湯」「こがね湯」とも言われる。安楽寺の門前には樹齢1000年以上と伝えられるクスノキの大木がある。樟の湯共同浴場の名の由来でもある。
安楽寺
住所／静岡県伊豆市土肥709 [地図]
電話／0558-98-0309
交通／国道136号線「土肥中浜」交差点より約650m
料金／150円
時間／8:30〜17:00、不定休
土肥温泉の共同浴場
・馬場温泉（樟の湯共同浴場）
・元湯温泉（水中共同浴場）
・弁天の湯（大藪共同浴場）
・屋形温泉共同浴場
