COCOFURO たかの湯(東京都大田区仲六郷)雑色の地名は鎌倉時代までさかのぼり、宮中の雑事を担う職業に由来するという。現在は六郷地区となり、雑色の名は駅や商店街に残すのみ。その六郷も明治時代、雑色村を含む6村合併(実際は5村)によって、新たに名付けられた地名だとか。雑色駅は高架化で駅前広場はがらーんとしているが、すぐに庶民的な商店街が顔を見せる。芝信用金庫の角を曲がれば、今回お目当てのCOCOFUROたかの湯。久が原のCOCOFUROますの湯とは姉妹店で、温浴施設運営には定評のある楽久屋が引き継ぎ、改装を経て生まれ変わった。

朝湯営業を行っている銭湯は都内にちらほらあるが、ここは早朝6時より閉店までの通し営業。しかも毎日。一番風呂を楽しみたい年配客、出勤前のサラリーマンの来店が落ち着き、本来なら土曜日の10時なんて週末であっても平和な時間帯。そんな世間一般の状況は当てはまらず、店内は若い客層で賑わっていた。もちろん彼らの目的はサウナ。改装前から無料で利用できたが、ベンチの数を増やし、オートロウリュ仕様となったことで、注目が集まっているのだ。

30分おきに行われるミュージックロウリュの際には、5分前ですでに満席となってしまう。照明が赤く点灯し、軽快な音楽が流れる。と、まだこれは前置きに過ぎず、アナウンスが終わったら爆音のメロディとともに大量の水が注がれていく。この時間は西城秀樹のYMCA。そのあとは延々と送風が続くのだろうが、熱くて痛くて途中で限界。柏のすみれの岩盤浴と浴室サウナの合わせ技。どうしたら攻略できるのだろうか。

水風呂は深さがあって気持ちがいい。ととのい椅子は常にフル活用されているので、炭酸泉で休憩。ほかに電気風呂の付いたあつ湯もある。サウナを前面に打ち出すことで、近隣の銭湯とは大きく差別化。その結果、多くの話題をさらい、連日の賑わいを実現させた。運営が変わって激変するとは、まさにこのことだ。

COCOFURO たかの湯(東京都大田区仲六郷)


COCOFURO たかの湯
住所/東京都大田区仲六郷2-27-12 [地図]
電話/03-3739-2644
交通/京急雑色駅より徒歩2分
料金/大人480円、小学生180円、未就学児無料
時間/6:00〜24:00、3・5・9・11月の第3木曜日定休


隆の湯(改装前)(改装前の隆の湯。2016年撮影)