東京浴場(東京都品川区大井)大井町駅と西大井駅をつなぐ通りの一つが光学通り。いまは規模を縮小しているが、創業当初から製造拠点を置いているニコン(日本光学)にちなんでいる。その光学通りに面して、昔ながらの佇まいを残すのが東京浴場。たいていは地名だったり、松竹梅など縁起を担いだ屋号が多いのに、「東京」という思い切った屋号。佇まいとともに大きなインパクトを放っている。

東京浴場(東京都品川区大井)フロントで入浴料を支払い、脱衣所へ。折上格天井の開放感ある空間で、ブロック塀の高さまで岩積みの本格的な坪庭。大きな鯉が泳いでいる。さらには男女の浴室の間も坪庭としており、こちらも大きな岩を積み上げている。洗い場のカランの多さは、かつて賑わった証か。島2列のうち、1列は鏡すらなく、懐かしさの極み。戸建てやマンションの建ち並ぶ住宅地だが、むかしは日本光学のほか、鐘紡や三菱鉛筆など、工場が多く建ち並ぶ町だったという。

深湯と浅湯のほか、入浴剤の替わり湯。平日の開店直後は年配客が数人。品川区にもう1軒ある東京浴場とセットで訪ねてみると、レトロと未来志向の対比がよくわかる。



大井 東京浴場(品川浴場組合)

東京浴場
住所/東京都品川区大井2-22-16 [地図]
電話/03-3771-4959
交通/JR京浜東北線・りんかい線・東急大井町線 大井町駅より徒歩8分
     JR横須賀線・湘南新宿ライン・相鉄線直通 西大井駅より徒歩8分
料金/大人470円、中人180円、小人80円
時間/15:00〜22:30、毎週月曜日定休