みなと花の湯(名古屋市港区品川町)スーパー銭湯激戦区の名古屋市にあって、みなと花の湯はリーズナブルな料金で大衆路線をひた走る。平日なら大人460円。70歳以上のプラチナ会員ならば、値上げしたとはいえ400円。愛知県の公衆浴場が440円だから、いかに安いかお分かりいただけるだろう。安かろう悪かろうでは決してなく、多少の年季を感じさせるだけ。イオンモール名古屋みなとに隣接し、駅から徒歩圏、名四国道からのアクセスも良く、スーパー銭湯としては申し分のない立地だ。

みなと花の湯(名古屋市港区品川町)スロットマシンが並ぶ「脳トレルーム」に脱力感を覚えつつ、券売機でチケットを購入。フロントのすぐ横に男女別の暖簾が下がっているから動線に迷うことはない。館内はワンフロアの大空間で、テーブルと椅子の休憩スペース、衝立の向こうにボディケア、そして大衆的風情の食事処。ショーケースにはこれまたリーズナブルな品々がディスプレイされ、飲食でも儲ける気はない様子。いったいどこで利益を取っているのか。

みなと花の湯(名古屋市港区品川町)替わり湯やジャグジーなどを浴室中央に並べ、洗い場がコの字に囲う。露天には岩風呂と打たせ湯。洗い場は石板の長椅子だし、ひとつひとつの湯船も大きくない。おしゃれな雰囲気や広々とした開放感などを望むなら他店を訪ねればいいし、実際にこの店は年配客ばかり。平日の昼間のサウナ室は常連の社交場と化していた。肌感覚が麻痺しているのではないかと思うくらいに、おじいさん達のサウナは長いし、いつまでも冷たい水風呂に浸かっている。塩サウナもあるが、塩は別売りとあって事実上の中温サウナ。こちらは人気がない様子。

みなと花の湯(名古屋市港区品川町)すぐ隣のTOHOシネマズが今月末に閉館し、がらんどうと化したイオンモールも来春にはいったん営業終了(ニュースリリース)。これが決定打となったか、みなと花の湯も来年3月での営業終了を発表した。スーパー銭湯の走りとして良い時代もあっただろうし、やりきった感もあるだろう。コロナ禍にあって客数は落ち込んでいるかもしれないけれど、有終の美を飾ってほしい。

みなと花の湯
住所/名古屋市港区品川町1-1-4 [地図]
電話/052-655-0222
交通/名古屋臨海高速鉄道あおなみ線 荒子川公園駅より徒歩5分
     名四国道・環状線「明四町」交差点より約1km
     ※無料駐車場230台分あり
料金/(平日)大人460円、小学生210円、幼児100円
     (休日)大人490円、小学生260円、幼児150円
時間/10:00〜23:00(休日は9:00〜23:00)
     3月・6月・9月・12月の第1月曜日定休

みなと花の湯(名古屋市港区品川町)

みなと花の湯(名古屋市港区品川町)