府中駅前天然温泉 縄文の湯(東京都府中市宮西町)梅雨本番を思わせる大雨。露天風呂で雨に打たれる趣味はないし、なによりも雨に濡れずに店まで向かいたい。といったわけで、府中駅前の縄文の湯へ。正確に言うと駅前ではなく、「至近」だと思うが、大型商業ビルの6〜12階とはビッグスケールだ。エレベーターを降りると縄文杉を思わせる立派な柱が2本。フロントもゆったりしており、まるでホテルのよう。初めて訪ねた旨を告げると、「こちらの用紙をご記入ください」。説明もなくいきなり何故と思うが、「当館は会員制なんです」。そんなことホームページのどこかに書いてありますかね。

府中駅前天然温泉 縄文の湯(東京都府中市宮西町)広さを持て余したフロント階より再びエレベーターに乗り、12階の男性脱衣室へ。浴室は下って11階。素っ裸ではなく、館内着での移動が正解。料金前払いといい、こういう点はサウナ店スタイル。浴室手前の棚を見て慌てて引き返した自分が恥ずかしい。

ビル施設特有の天井の低さと、そのわりに広い室内のせいか、浴室の天井には見せ梁をあしらうも魅せる感じではない。浴室内には温泉を使用した湯船が2つ、バルコニータイプの半露天風呂にも1つ。いずれもゆったりとした大きさだが、もう少し温度に差を付けてくれたらよいのに。温泉は地下1,500mから湧出した黒褐色の湯。「太古の地層から湧出した〜」と言ったりする店もあるが、それならば「縄文の地層から…」と言うかと思えばそうでもない。縄文はいったいどこへやら。

サウナ室の外にある温度計は45℃を表示しており、他を探すも高温サウナはなかった。室内は岩盤浴そのもので、入口にあったパレオとはそういうことだったのか。数人の客が寝ていらしたが、岩盤浴の気分で訪ねていないので、奥の方にあるベンチに腰掛けじっくりと。湿度がかなり高めなのが救いで、それでも20分程うとうとして、これ以上はキリがないなと。水風呂の温度計が20℃以上を指す店はひさしぶりだが、これまさに冷温交互浴。じっくり冷やし、どこかに腰掛けて休もうにも、小さな切り株ではどうしようもない。

府中駅前天然温泉 縄文の湯(東京都府中市宮西町)食事をしようと7階へ。喫茶コーナーをもじって「きっさこ」だろうか、そのわりにはかなり広い。昼ピークをとっくに過ぎたというのに、下げ膳していない卓がちらほら。新規客に気づかないのだから、その後も想像がつく。考えようによっては、忙しなくうるさい店が苦手な人には向いているのかも。8階にはリクライニングシートが数多く並んでおり、しかも個別ブース仕様。おまけに室内は薄暗いので、周囲を気にせず安眠できる。あちこちからいびきが聞こえ、おそらくは睡眠目的で訪ねる客も多いのだろう。

内線通話しながらの精算業務はいかがなものか。なんのためにフロントに2人いるのか。随所にもやもやしつつも、平日の昼間なんて常連ばかりだろうから、普段着感覚の接客なのだろう。一端の入館料を取るのだから、上質なひと時を過ごしたかった。

府中駅前天然温泉 縄文の湯
源泉/縄文の湯(ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉)
住所/東京都府中市宮西町1-5-1 [地図]
電話/0120-041-265
交通/京王線府中駅南口より徒歩1分
     JR南武線・武蔵野線府中本町駅より徒歩9分
     国道20号線「寿町三丁目」交差点より約550m
     ※駐車場は3時間まで無料
料金/基本セット2,400円(休日は2,900円)
     90分コース1,500円(最終受付22:00)
     深夜追加料金1,500円
     朝風呂コース1,500円(5:00〜9:00)
     ※小学生以下利用不可
時間/10:00〜翌9:00、年中無休