おふろcafe bivouac(埼玉県熊谷市久保島)既存の温浴施設を新空間へと蘇らせ、新たなブランドへと再生した大宮の「おふろcafe utatane」、静岡の「おふろcafe bijinyu」。様々な媒体で紹介され、すっかり人気も定着している。思い切った空間演出は温浴施設の枠を超え、新たなライフスタイルの提案とでも言えよう。そしてこのたび9/10にオープンした熊谷市の「おふろcafe bivouac(ビバーク)」は、グランピングをコンセプトとし、館内ではボルダリング体験もできるという。ビバーク、グランピング、ボルダリング。いきなり難しいカタカナばかりで、何のことかさっぱりわからない。

おふろcafe bivouac(埼玉県熊谷市久保島)今年6/30に閉店したサイタマ健康ランドを改装したが、現地を訪ねてみればその面影は一切なし。それどころか一見して温浴施設とはわからない、見事なまでの変身ぶり。自動ドアを開ければ、アウトドア用品店のディスプレイと見紛う演出。おしゃれなBGMも聞こえてくる。かつては団体客を迎えていたであろう無駄に広かったロビーは、驚きの光景へと大変貌を遂げていた。

おふろcafe bivouac(埼玉県熊谷市久保島)時間制の銭湯コースもあるが、多くの客はフリータイムでの入館だろう。フロントでは精算用リストバンド、館内着、タオルセットを受け取る。浴室には大きな変化はないが、炭酸カルシウム温泉は入浴剤を使用した硫黄の湯となり、ラジウムミスト岩盤浴はアカスリルームに。薬湯は9月中旬に向けて準備中。タイル張りのジャグジーは健在で、ひのき風呂と一部のカランは撤去され、泥パック体験コーナーに。露天風呂は雰囲気の欲しい箇所だが、いまだ手を加えられず、今後の課題の一つか。サウナ室には自動ロウリュのイズネスを導入し、男湯は毎時00分に蒸気が発生する。

おふろcafe bivouac(埼玉県熊谷市久保島)風呂を楽しんだあとは、館内着で探索。暖炉やポンドソファ、ハンモック、フリーPCのあるワークスペースなど、utataneとbijinyuの人気要素を採り入れ、さらに「インドアで楽しむアウトドア」として高さ5mのボルダリングウォール、ツリーハウスを意識した小空間、そして当然のように置いてあるテント。40〜50代の男性がターゲットとは言うけれど、若いカップルや女性客がまったりし、そんな光景を含めて全てが洗練されている。

おふろcafe bivouac(埼玉県熊谷市久保島)ところで、ボルダリングとはフリークライミングの一種で、世間では注目を集めているらしい。こうした趣味をお持ちの人にとっては夢のような空間だろうし、無縁の人にとっては新たな扉が開いた瞬間か。そもそもボルダリングなど風呂屋の発想ではなく、しかし実際に作り上げてしまうとは、温泉道場という会社でどのような会議が行われているのだろうか。

おふろcafe bivouac(埼玉県熊谷市久保島)2階に上がればまた雰囲気が変わる。リクライニングシートの休憩スペース、簡易マットの仮眠室は昔の雰囲気のまま。安価な宿泊を目的とするなら料金に見合っているだろうし、宿泊需要が多ければいずれ改修するのだろう。テントを張って寝たり、寝袋で雑魚寝でも良さそうだし、じゅうぶんな広さはあるからアイデアは尽きなさそう。

おふろcafe bivouac(埼玉県熊谷市久保島)いちばん驚いたのはレストランだ。かつてのステージ付き大広間は、屋内になのにアウトドアな雰囲気へと一変。まるで高級な高原リゾートを訪ねているかのようだ。カウンター席、テーブル席のほか、大型テントを張り巡らせてしまう遊び心も素敵だ。ワイルドにステーキでも奮発したいが、ワンプレートメニューならボリュームも料金もちょうどいい。

おふろcafe bivouac(埼玉県熊谷市久保島)既成概念ならば充実した風呂がメインで、休憩施設はサブ。しかし、ビバークでは、おしゃれで楽しい空間の一部分に風呂があると考えるべきか。「家は3回建てないと満足できない」と言うが、おふろcafeも3軒目にして自由すぎる発想はさらに進化。疲れる日常から逃れる(ビバーク)するのに、熊谷という地は都会から程よい距離感だ。グラマラス(Glamorous=魅力的な)とキャンピング(Camping)を掛け合わせた「グランピング」という言葉を造ってしまうあたり、もはや時代の仕掛人。そして、10/1には神川町の白寿の湯が「おふろcafe 白寿の湯」として生まれ変わるというのだから、温泉道場の勢いは止まらない。

おふろcafe bivouac(埼玉県熊谷市久保島)おふろcafe bivouac(埼玉県熊谷市久保島)

おふろcafe bivouac
住所/埼玉県熊谷市久保島939 [地図]
電話/048-533-2614
交通/JR高崎線籠原駅より徒歩約20分
     JR高崎線熊谷駅よりバス「高柳」停徒歩5分
     籠原駅・熊谷駅より無料送迎バスもあり(時間要確認)
     国道17号線「高柳」交差点より約200m
     関越道花園ICより約13km
     ※無料駐車場195台分あり
料金/(フリータイム入館)大人1,380円、小学生690円
     ※館内着・タオル付き
     ※深夜追加料金1,200円
     (銭湯コース60分)大人580円、小学生290円
     (銭湯コース90分)大人780円、小学生390円
     (銭湯コース120分)大人980円、小学生490円
     ※受付10:00〜25:00(営業終了26:00)
     (朝風呂入館)大人580円、小学生290円
     ※受付5:00〜8:30(営業終了9:00)
     ※いずれのコースも小学生未満の入館不可
時間/10:00〜翌9:00


おふろcafe bivouac(埼玉県熊谷市久保島)
2021/5/30訪問


(追記-2021/9/21)
5日間の休館を経て、2021/9/18に「おふろcafe ハレニワの湯」としてリニューアルオープン。