親松の湯(横浜市神奈川区六角橋)横浜六角橋の仲見世通り商店街は、戦後のバラック市に端を発し、いまでも狭い通りに個人商店が密集している。今年8月某日に発生した火災では16棟を焼いたといい、早期の再建が望まれるところ。そして下町風情は永久に残してほしいものだ。そんな六角橋の町には2軒の銭湯がある。白楽駅寄りには以前ご紹介した千代田湯(⇒記事)。そして商店街の反対側、六角橋交差点の近く(三浦藤沢信金の角を入る)に親松の湯。猫企画さんを訪問したあとに立ち寄ってみた。

親松の湯(横浜市神奈川区六角橋)親松と書いて「しんまつ」と読むらしい。屋号の由来は聞かなかったが、店の前には立派な松の木が一本、斜めに生えている。建物は路地に面しているが、電飾看板は大通りからもよく目立つ。ちなみに看板には「ラドン浴泉」「バスタイムセンター」の文字。玄関先を洋風に、そしてフロントへと改装しているが、脱衣所から見上げれば格式のある折上格天井で、かなり大きな絵画も飾られている(戸部の記念湯(⇒記事)に似た感じ)。『さあ、ヨコハマ銭湯へ行こう!』によると、先代が描いた100号の油絵「裏金時」とのこと。脱衣所は1間ほど、浴室は半間ほど建て増ししているようだ。脱衣所はこじんまりとしているが池のある庭に面している。

浴室は手前に洗い場、脱衣所に突き出す格好でサウナ、奥に湯船が並んでいる。カランは間仕切り側に4つと立ちシャワー2つ、島が6-6と6-5、壁側に5つ(この列のみシャワーなし)。また壁側には小さな水風呂もある。3つ並んだ湯船のうち、間仕切り側はサッシで完全に仕切った空間に2帖ほどの湯船。俗に言う「カプセル風呂」で、ガリウム石温浴泉(これが「ラドン浴泉」というわけか)の日替わり湯。この日は「はちみつ」。やや緑がかってはいるが、全体としては黄色く、しかも甘いにおいが漂っていた。そして真ん中は寝湯のバイブラ湯が2人分。そしてもう1つはコーナーに石を並べて岩風呂に見立てている。この湯船がいちばん大きいけれど、ジャグジーは1基だけ。また、真ん中の湯船とともに袋詰めした備長炭を浮かべている。いずれの湯船もぬるめの湯加減がいい感じだ。

かつて市電の終点だった六角橋は、横浜の旧市街地だと言えるだろう。現在2軒だけ残る銭湯はどちらも下町情緒を感じさせる。近所にある神奈川大学の学生にも積極的に利用してほしいなぁと思う。

親松の湯(神奈川県浴場組合)
親松の湯(横浜市浴場協同組合)

親松の湯
住所/横浜市神奈川区六角橋2-15-5 [地図
電話/045-491-8196
交通/東急東横線白楽駅より徒歩9分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
     サウナ別途100円
時間/14:30〜24:00、毎週水曜日定休