京急の追浜駅を最寄りとする銭湯は３軒あって、駅の北側に「みなと湯」、西側に「鷹取温泉」、東側に「ニュー松の湯」。いずれも駅からほどよく離れている。駅の東側から横須賀スタジアムの方向へと商店街が延びており、その途中で南に路地を入っていったところにあるのがニュー松の湯。１階に数台分の駐車場とコインランドリー、２階に銭湯（とよくわからないスペース）、３階を住居としたビル銭湯で、建て替えたときに屋号を「ニュー」としたのであろう。さらには「アクアスポット」というヨコモジが連なる。現代的な屋号にすることで若い客も取り込みたい。そんな意気込みが感じられる。
玄関を入るとすぐ左手にフロントがあって、広々としたロビーの一角にはテレビやソファなどを設置している。男女別に２つ並んだ暖簾をくぐると脱衣所、そして浴室へと続いている。浴室は右手側から奥にかけてＬ字型に湯船が並び、カランは左側に8つと真ん中に5-5の列（いずれも固定式シャワー付き）で並んでいる。湯船について１つ１つとご紹介していくと、まず別途料金のサウナ、そして小さな水風呂。露天風呂は石づくりで１帖大。ドアを開閉するのにも気を遣う狭さだ。浴室側の三方はガラス張りで、外側は高い塀。吹き抜けの空間といったほうがしっくりくるかも。日替わりの入用剤は、真っ赤な色した「ワインイヴタス」。ところで「イヴタス」って何だろう？と思っていたが、友達が伊吹正化学工業株式会社のブランド名だと教えてくれた。同社ではほかに「バスフレンド」シリーズも展開しており、実は銭湯ファンにはおなじみの入浴剤メーカーなのだ。湯船はさらにバイブラ湯（かなり激しい）、打たせ湯、電気風呂、ジャグジー＋バイブラの寝湯（３人分）がある。湯船の種類が多く、お湯はぬるめなので、ついついのんびり長湯をしてしまう。
追浜の湾岸部は日産自動車などを始めとする工業地域。潜在的な客はきっと多いはずだ。横須賀スタジアムでの観戦ついでに訪れるのもよいだろう。ところでこの日は、「何をやってもうまくいかない世の中だ…」とつぶやきながら出てきたおじさんがいた。風呂に入ればたいていの人はハッピーな気分で帰るのに、おじさんにはよっぽど洗い流せない何かがあったのだろう。銭湯も人間模様さまざまだ。
・アクアスポットニュー松の湯（神奈川県浴場組合）
アクアスポットニュー松の湯
住所／横須賀市追浜東町3-47 [地図]
電話／046-865-4546
交通／京浜急行追浜駅より徒歩７分
料金／大人450円、中人180円、小人80円
サウナは別途300円
時間／14:00～23:00、毎月4･14･24日定休
