3階建だが、温泉施設として使用しているのは1階部分のみ。上階は温泉つきのマンションとして賃貸しているらしい。平成18年の改装以前は男女ともに利用できる施設で、屋上には派手な電飾看板も掲げていたが、現在は地味すぎるくらい落ち着いちゃっている外観。プリントアウトした割引券を持って行ったのだが、フロントでは「会員証を作ります」と。それも有無を言わさずなのだが、その会員証で毎回315円引きだし、有効期限もないという。
フロント前に小さなロビーと軽食コーナーがあって、暖簾をくぐるとリクライニングチェアの並んだ休憩室、そして脱衣所と浴室がある。平日の昼間とあって客自体は少ないし、あとからやってきた人はネクタイを締めていたものの、館内にいた人みんなが仕事をサボっているようには見えない。「借りた金を金を先に返すってのが筋だろ。どうすんだよ」なんて携帯電話で怒鳴っているお兄さんもいたが、こんな光景に出くわすなんて偶然だろう。館内着やタオルは脱衣所内に、ナイロンタオルやカミソリは浴室入口に用意されている。サボるならとことんサボるべし的な配慮であろう。
浴室は外からの光が差し込んでいて明るく、湯船の配置などもシンプルにまとまっており、とてもこざっぱりとした印象。カランは横一列に8つ並んでおり、ほかに立ちシャワーが1つ。湯船は手前から水風呂、バイブラとジャグジーがついた「ぬる湯」、しょうがを刻んだ小袋が浮かぶ「あつ湯」の3つが並んでいる。いずれもゆったりとした大きさだ。天然温泉かけ流しとうたっているが、実際は循環併用。「あつ湯」ではほんのり黄色がかっているが、これは源泉そのものの色なのか、しょうが汁のせいなのかよくわかならい。人肌程度のぬる湯と比べると、あつ湯のほうがしっかりとした入浴感があるし、しょうがの効果によってぽかぽか感が得られるような気がする。あくまでも気持ちの問題だが。壁にはこの地域の岩盤(上総層群)やこの温泉についての説明パネルが掲げられている。もうちょっと横浜寄りなら黒湯が湧出するはずだが、大和市がちょうど境目というわけか。
湯船よりサウナに人気の軍配が上がるのは、施設そのものの個性だろうか。7〜8帖分あるサウナは、浴室全体の割合からしても大きい。しっかりと熱く、サウナと水風呂を行ったり来たりするだけの人も。テレビのドラマなどには目もくれず、みんな自分との闘いに集中しているのだ。
湯上がりは館内着に身を包み、休憩室へ。毛布代わりにバスタオルを使用するのでちょっと肌寒いが、みんなシートを倒して仮眠ならぬ熟睡体制。直接床に寝転んでいるおじさんもいる。うたた寝の延長で熟睡してしまったのか、それとも本格的に熟睡したくてここを訪れているのか、とにかく大人の空間として一切の遊びはない。リクライニングシートはざっと数えて18コ。駅前の繁華街からは離れており、かつ男性専用施設であることなどを考慮すれば、深夜でも満席になることは滅多にないはず。仕事や観光の途中にふらっと訪れるような立地でもないが、オールナイト営業の施設として覚えておいて損はない。ハッピーランドという愉快な名前だが、訪れるのは渋い男たち。そんなギャップもまた素敵だ。
やまと温泉ハッピーランド
源泉/やまと温泉(温泉法の温泉)
住所/大和市下鶴間1777-3 [地図]
電話/046-274-6426
交通/小田急江ノ島線南林間駅より徒歩10分
小田急江ノ島線・東急田園都市線中央林間駅より徒歩14分
国道246号線「目黒」または国道16号線「つきみ野入口」交差点より
県道56号線〜県道50号線で「中央林間」交差点至近
料金/大人(平日10:00〜25:00)1,365円
(平日25:00以降)1,680円
(休日(終日))1,890円
深夜料金(午後11:00〜翌朝5時):1,260円
子供(10歳まで)840円
※ホームページに315円の割引券あり
時間/10:00〜翌8:30
(追記-2012/6/10)
2012/5/7をもって廃業。
事業者が変わり、8/1より通所介護+温浴施設としてオープンするとのこと。
詳細はホームページを参考のこと。
(追記-2012/10/30)
8月1日より「大和天然温泉らいおんハートの湯」としてリニューアルオープン。
詳細はシマさんのコメントにて。
お風呂の利用は男性のみ。1,050円。
営業は、平日17:00〜23:00、土日10:00〜23:00、年中無休。
(平日の日中は、らいおんデイサービスあおば中央林間として営業。※浴槽は別)


(追記-2016/7/27)
らいおんハートの湯は2016/5/24に閉店しました。