よしの湯(川崎市多摩区西生田)読売ランド前駅南口の商店街は個人商店ばかりが軒をつらね、そしてあっという間に終わってしまう。セブンイレブンと、その斜向かいにあるよしの湯までが商店街ということになるのか、その先は住宅街で夜は薄暗い。よしの湯はコインランドリーを併設した銭湯で、立体感あるタイル張りが印象的な外観。看板には「ヘルスよしの」とあるが、健全な銭湯であることは言うまでもない。

暖簾をくぐるとすぐにフロントで、その奥にはロビーがある。脱衣所はフロントの両脇に入口がある。ロッカーは真四角のほか、ハンガー2本を備えた縦長タイプもあり、ほかにサウナ利用者専用も。テレビの前には椅子が2つ並び、休憩スペースとしての体をなしているが、小上がりに卓袱台という組み合わせもあり、酒盛りしている人がいたのには驚いた。壁に巨人軍のカレンダーがかかっているのは、ジャイアンツ球場に近いからか、単に店主がファンだからか。「3時間以上のご利用はお断りします」という注意書きも。野球中継でも見ない限り3時間も銭湯にいることはないだろうと思うが、常連率が高いためか総じて滞在時間は長い。

脱衣所でくつろぐ人より浴室にいる人のほうが少ないのは、夕飯時で客がはけたためか。洗面道具をカラン上部の片付けておき、場所取りはしないという暗黙のルールがあるようだ。洗い場はきれいに整頓されている。カランは間仕切壁側に7つ、島式で5-5、もうひとつ島式でこちらは片側のみ5つ並んでいる。いずれも固定式シャワーつきだが、よく見ると外されている箇所もある。ほかに立ちシャワーが2つ。ボタン式のボディーシャワーは故障中。湯船は円形のバイブラ湯とその両側に座湯ジャグジー、電気風呂。お湯はどれもぬるめ。湯船の背後の壁にはタイルによって、スイセンのような花がデザインされている。遠めに見るとそれとなく見える。

浴室内には扉があってサウナへと通じているが、そのわきには水風呂と日替わり湯(?)がある。これらはサウナ利用者でなくとも入浴できる。日替わり湯はトウガラシではなく「トンガラシ」。しかもマジックによる手書き。うっすらと茶色のお湯で、かすかに刺激もあるし、全身がぽかぽか温まるような気がした。扉1枚を隔てているため、銭湯ではないような雰囲気だ。トンガラシという珍しさもあって、よしの湯でいちばんのお気に入りとなった。湯船の種類が多いことも含め、ここには下町の銭湯とはまた違った楽しさがあった。

よしの湯(神奈川県浴場組合)
よしの湯(川崎銭湯どっと混む)

よしの湯
住所/川崎市多摩区西生田4-12-4 [地図
電話/044-966-1035
交通/小田急線読売ランド前駅より徒歩3分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
     サウナ別途230円
時間/16:00〜22:30、毎週月曜日定休(祝日の場合は翌日)