鬼怒川温泉ホテル(日光市鬼怒川温泉滝)鬼怒川温泉ホテルは温泉街の中心に位置し、鬼怒川河畔に面して建つ。日光金谷ホテルの鬼怒川支店として開業したのが、昭和6年。当時は西洋的で瀟洒な雰囲気を持ち、旧皇族や華族らが利用するハイクラスなホテルだったという。現在は170室745名を収容する大型ホテルで、館内は遊楽館、湯の街館、懐かし館の3つにゾーニングされている。今回は宿泊で訪れたのだが、エレベーターの扉の色が違うということ以外、コンセプトがどう異なるのかわからなかった。ちなみに部屋は最上階の11階だったが、湯の街公園という小さな公園を眺めるだけの微妙な景色だった。そしていま気づいたが、昨年宿泊したあさやホテル→記事)とは隣同士だった。

1階に木造り風大浴場「渓谷の湯」、地下1階に石造り風大浴場「湯里」があり、時間帯で男女入れ替えとなる。いずれも大きな湯船が5つあり、多人数に対応すべくカランが一列にずらっと並ぶ。典型的な団体客向け大浴場の雰囲気だ。ゲルマニウムや健緑石、トルマリンといった鉱石で湯船ごとの個性を示そうとしているが、その違いを実感するには至らない。むしろ湯温の差をもっとハッキリさせるとか、ジャグジーなどの設備を検討するなどしたほうが、客の満足につながるのではないだろうか。「木造り」は湯船のふちに板を貼り付けただけだし、「石造り」にいたっては黒御影調タイルではないか。

いずれの浴室も露天風呂はふちに石を並べた岩風呂風。バルコニー的な構造であるため完全な開放空間ではない。内湯同様、鬼怒川に面しているのだが、対岸にも建物があるため、必要以上に目隠しがされているのは残念だ。温泉目当ての客が不満に思う点でも、一般的にはこれで良しなのかもしれないが。

鬼怒川温泉ホテル
源泉/鬼怒川温泉(単純温泉)
住所/栃木県日光市鬼怒川温泉滝545 [地図
電話/0288-77-0025
交通/東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅より旅館循環バスで約7分
     国道121号線で鬼怒川温泉街へ
料金/大人1,050円 ※フェイスタオル・貸しバタオル付
時間/13:00〜(火曜日は14:30〜)