美登利園(厚木市飯山)美登利園(厚木市飯山)美登利園(厚木市飯山)
飯山温泉は東丹沢の山裾にあり、坂東三十三ケ所の第六番札所・飯山観音長谷寺の周辺に点在している。小鮎川に沿いに5軒の旅館があり、それぞれがコンパニオンプランを目玉とした宴会旅館。美登利園は県道より引っ込んだ高台に位置し、のどかな雰囲気に囲まれた大衆的な佇まいだ。客室15、収容90名で大広間などを完備。本館と別館からなる館内は、土地の高低差に合わせて迷路のように複雑な構造だ。

美登利園(厚木市飯山)まずは1階奥にある内風呂へ。6帖大の浴室には岩を並べてつくった湯船と、4つのカラン。窓の外には建物があるので曇りガラスは仕方がないが、昼は明るい日差しが入ってくる。お湯は循環とかけ流しの併用で、どういうわけかかなりぬるめだった。脱衣所に成分分析書の類はなかったが、その代わりに「源泉名 光明石」(光明石の文字をテープで隠した跡あり)という貼り紙があった。ネットでこの旅館の源泉について調べてみると、アルカリ鉱泉を使用しているとのことだが、その泉質は不明。温泉としての成分を満たなさいぶんを、天然鉱石による人工温泉で補っているということか。お湯自体に特徴は感じられなかった。

美登利園(厚木市飯山)露天風呂は離れたところにあるため、もう一度服を着る。2階でサンダルに履き替えたら外通路へ。さらに高台にあるため、鉄骨のスロープ、そして畦畔のような小道を50mくらい(?)歩いていく。すると男湯、女湯、貸切風呂の3つの門構えが見えてくる。建物のように見えるがそうではなく、暖簾をくぐるとその裏側に棚が設えてあり、そこが脱衣スペース。いきなり開放的な露天風呂の空間が広がっている。山の雑木林が眼前に迫り、上々の風情。ちょうどいい温度のお湯が2ヶ所から注がれていて、あふれたぶんは洗い場のほうに流れていく。設計施工の妙と言うべきか。

美登利園(厚木市飯山)美登利園(厚木市飯山)美登利園(厚木市飯山)

泉質に温泉らしさは感じられなかったが、新宿から約1時間の距離でこの風情なら満足度は高いはず。とはいえ七沢温泉とは甲乙つけ難しであるが。帰りに缶のウーロン茶を貰うが、フロント前の小さなロビーではなんだか落ち着かず、車中で飲むことにした。館内または庭にでもゆっくりできる休憩所があれば…、と思う。

美登利園
源泉/奥飯山鉱泉(泉質不明)
住所/厚木市飯山5157 [地図
電話/046-241-2577
交通/小田急線本厚木駅よりバス15分「飯山温泉入口」停徒歩6分
     国道246号線「厚木市立病院」交差点より県道60号線(厚木清川線)
     ※無料駐車場50台分あり
料金/1,000円
時間/11:00〜15:00

飯山観光協会
厚木飯山旅館組合