日航亭大湯熱海といえば日本三大温泉に数えられるなど、全国的に高い知名度を誇る温泉地だ。山の斜面から海岸にかけてホテル・旅館が林立し、とくに夏場は海水浴も楽しめるとあって多くの観光客が訪れる。首都圏からだと東海道線で気軽に行けるアクセスの良さも魅力で、東京や神奈川からだとじゅうぶん日帰り圏内でもあるが、日帰り専門の施設となると「マリンスパあたみ」と今回紹介する「日航亭大湯」、そして数軒ある共同浴場に限られてしまう。

温泉街には「熱海七湯」という古くからの源泉が点在しているが、このうちの1つ、大湯に近接して日航亭大湯はある。かつては旅館だったといい、いつの開業かは知らないが外観や館内からは年季を隠せない。近代的なマリンスパとは対照的だ。

日航亭大湯2つある浴室は男女日替わり。過去に何度か訪れているが、いつも大きな露天風呂が印象的な浴室だった。石づくりで長方形の湯船はやたらと大きく、どこに座るべきか迷ってしまうほど。しかし今回はもう一方の浴室。内湯と露天風呂の双方に脱衣所があるので混乱してしまうが、室内でつながっており、そしてカランも双方に設けている。脱衣所のロッカーは100円が必要なので、籠を使う人も多い。まずは内湯から。

日航亭大湯(熱海市)室内は窓から差し込む光がまぶしいくらいだ。曇りガラスで外の景色は望めないが、すぐ近くで建物に隣接しているようだ。大きな湯船はタイル張りで、無色透明の源泉が掛け流し。お湯はまず長方形の枡に溜められ、少しずつ湯船にこぼれ落ちていく。高温の源泉を適温で提供するための工夫だろうか。茶色に変色したさまや成分の堆積などが味わい深い。ちなみに2本ある源泉は、採取地の泉温が98.2℃。湧出量は1日8万リットルというから豊富に感じるが、温泉分析書の基準となる1分あたりに換算すると55.5リットルで、実際はたいして多くはない。

日航亭大湯(熱海市)続いて露天風呂。といっても一面だけ壁のない半露天式で、室内と屋外に2つあった湯船を一続きに改修したようだ。室内側は一部にジャグジーが設けたタイル張り、屋外側には適当に石を並べて湯船をつくり、植栽と竹垣でぐるりと囲っている。敷地の都合上やむを得ないが、もう一方の浴室の露天風呂とでは、大きさと開放感は極端すぎるほどに異なる。

風呂上りは、フロント前のロビーで寛ぐも良し、畳敷きの大広間で寛ぐも良し。昼食時にはカレーライスなど、簡単なメニューを注文することができるが、出前を取ることもできる。ゴロ寝する人もおり、かなり自由な雰囲気だ。

日航亭大湯
源泉/熱海温泉(ナトリウム・カルシウム−塩化物泉)
住所/熱海市上宿町5-26 [地図
電話/0557-83-6021
交通/JR東海道線熱海駅より徒歩12分
料金/大人1,000円、小人500円
時間/8:00〜21:00、毎週火曜日定休

熱海市観光協会


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