石和温泉(山梨県笛吹市)石和温泉では多くの旅館・ホテルが日帰り入浴のサービスを行っているが、宿泊しないのに暖簾をくぐるということに、少なからず気が引けるという方もいることだろう。かといって3軒ある市営の日帰り施設は駅からちょっと距離がある。そこでお薦めしたいのは、石和唯一の温泉銭湯、その名も石和温泉である。豪華な露天風呂があるわけではないが、純粋に温泉を楽しみたい方にはうってつけの施設だ。駅前の観光案内所で聞くと、「昔ながらの素朴な感じですよ」とのこと。団体客向けの温泉街とは一線を画し、地元住民のために営業するローカル銭湯も素敵ではないか。

石和温泉(山梨県笛吹市)駅前から伸びる大通りから「駅入口」交差点で左折。そして、ドラッグストアと信用金庫の間の路地を入っていく。駅から10分ほどの距離だが、通りから入ると住宅地のが広がっていた。「入浴と食事」の看板を掲げているが、食堂を兼営している銭湯というのは初めて見た。店内はテーブル席とカウンター席からなる典型的な大衆食堂の雰囲気で、日が暮れる前だというのにすでに出来上がった酔客が1人。レジにて入浴料金を支払うが、店主は白い調理着に身を包んでいる。山梨県の銭湯料金は大人400円だが、実際は50円安かった。なぜかは聞かなかったが。食事客は2度目の入浴が無料になるという。

店内奥の長暖簾をくぐると銭湯になっている。まさに雰囲気一変。どこにでもある銭湯の雰囲気でちょっとほっとした。あまり広くない脱衣所にはロッカー、洗濯機、脱衣籠、そしてなぜか鉄アレイも。「石和で2番目においしいラーメン。いっぺん食ってみろし」という貼り紙に興味をそそられた。

石和温泉(山梨県笛吹市)浴室は湯船3つとカラン9つ、サウナからなる。銭湯とはいえ、ボディソープとシャンプーを設置していることがありがたい。3人座れば目一杯の大きさだが、湿式のサウナも別途料金なしで利用できる。3つに区切られた湯船はそれぞれ温度が異なり、ややぬるい、ぬるい(電気風呂)、冷たいくらいにぬるい、という順番で並んでいる。長湯好きにはちょうどいい温度だと思うが、個人的には物足りなさを感じた。客が少なかったから釜が疎かになっていたのだろう。お湯は無色透明で、わずかなぬめり気とゆで卵のような硫化水素臭がある。脱衣所には昭和37年の分析表が掲示されていた。

銭湯といえば富士山のペンキ絵だが、こちらでは湖面に映る逆さ富士。河口湖あたりの景色だろうか、山梨県らしい題材だ。今回は甲府でのベイスターズ戦ついでに訪れたのだが、調べてみると実は甲府には温泉銭湯が数多くあるらしい。球場のすぐ近くにもあったし。山梨県の銭湯もいずれ開拓しなければ…、と思う。

ふだん着の温泉(NHK-2005/11/13放送)

石和温泉
源泉/石和温泉(単純温泉)
住所/山梨県笛吹市石和町市部1091-2 [地図
電話/055-262-3441
交通/JR中央本線石和温泉駅より徒歩10分
     路地裏の駐車場に7台分のスペースあり(3ナンバーは通行注意)
料金/大人400円、中人170円(6歳〜12歳未満)、小人70円(6歳未満)
時間/15:00〜23:00、毎週月曜日定休



石和温泉については「いかす温泉天国」(まぼろしチャンネル)の記事も
あわせてご覧ください。
No.03 石和で二番目に旨いラーメン。いっぺん食ってみろし。



笛吹市の市営温泉「ふえふき市の湯 公式ホームページ」
※料金はいずれも市外在住者の利用料

みさかの湯
住所/山梨県笛吹市御坂町成田2200 [地図
電話/055-261-6166
料金/大人700円、小学生400円
     (夜間券 *17:00以降)大人500円、小学生300円
時間/10:00〜22:00
     毎月第2火曜日定休(祝日の場合は翌日)

ももの里温泉
住所/山梨県笛吹市一宮町金沢387-1 [地図
電話/0553-47-4126
料金/大人1,000円、小学生500円
     (3時間以内券)大人600円、小学生400円
時間/10:00〜21:00
     毎週木曜日定休(祝日の場合は翌日)

なごみの湯
住所/山梨県笛吹市石和町下平井578 [地図
電話/055-230-5551
料金/大人1,000円、小学生〜3歳400円
     (5時間以内券)大人700円、小学生〜3歳300円
時間/10:00〜21:00
     毎週水曜日定休(祝日の場合は翌日)

石和温泉観光協会