さんない温泉三内ヘルスセンター(青森市)東北自動車道は青森ICが終点で、国道7号線(青森環状バイパス)に直結しているが、その直結部分の北側に「さんない温泉三内ヘルスセンター」はある。バイパスには接道していないので、住宅街をかすめるように迂回して側道を入っていく。三内の地名が示すとおり、約800m東方には三内丸山遺跡が広がっている。ヘルスセンターとは言うけれど、大衆演劇を上演するような施設ではなく、ましてや健康ランド的な派手さもない。しかしながら大広間などの休憩室を備えており、地元客(とくに高齢者)の憩いの場として活用されているようだ。

料金区分のうち、入館とは入浴+休憩のこと。入浴のみなら大人390円だが、これは青森県の銭湯料金。したがって券売機に記載されている小人とは銭湯でいうところの「中人」(12歳未満)、同じく幼児は「小人」(6歳未満)となる。入館料金の記載と統一すべきではなかろうか。入浴のみといっても脱衣所のホールには、ソファやテレビ、自販機があり、じゅうぶん寛ぐことができる。

浴室はドーム状の屋根で、その広さといい、まるで体育館のようだ。ざっと見たところ2間×8間、つまり32帖ほどの大きな湯船が浴室のほとんどを占め、窓際にカランが一列に並んでいる。ボディソープやシャンプーの備え付けがないのは、銭湯として営業しているからなのか。温泉マニアの間で三内温泉の名が知れ渡っているのは、青森市内では珍しい硫黄泉であることだ。浴室の扉を開けた瞬間にわかるにおいと、まぶしいほどに緑がかった乳白色のお湯。地下750mから湧出しているという。湯船には2mほどの高さから滝のように注がれ、半端でない量がかけ流しされている。温泉の成分で湯船は白く変色し、側面は堆積して滑らかに盛り上がり、底はざらついている。しかし壁は茶色や黒、緑に変色しており、この温泉のすさまじさを感じずにはいられない。

46℃の源泉をそのまま投入しているので、湯温はちょっと熱め。湯船が大きくても皆じっとしてその場を動かず。むしろお湯に浸かるより、床で寝転がっているおじさんの方が多い。平日の朝9時の時点で、男湯には7〜8人の客。女湯はもっと賑やかだったようだ。湯上りはいつまでもじんわりとした温かさが残るが、多少の疲れも残る。床で寝転ぶ人が多いのはわかる気がするし、大広間で休憩しながらの湯治気分も納得がいく。青森市内にいながらにしてこの温泉体験ができるのは、とても貴重だ。地元客と温泉マニアだけの存在にしておくのは勿体無い。

さんない温泉三内ヘルスセンター
源泉/三内ヘルスセンター温泉(含硫黄−ナトリウム−塩化物泉)
住所/青森市三内字沢部306-1 [地図
電話/017-766-0185
交通/JR東北本線青森駅から徒歩10分の古川バス停より乗車し、「三内温泉前」停下車。
料金/(入館)大人800円、中人500円、小人300円、幼児200円
     (入浴)大人390円、小人150円、幼児60円
時間/8:30〜21:00