
館内はフロント式。ロビーにソファやテレビがあるので、こちらでも寛ぐことが可能だが、脱衣所もまたゆったり広々。テーブルや椅子、年代物のマッサージチェアなどが置かれている。湯上りにのんびりと過ごすおじいさんも多く、銭湯というより田舎の温泉施設の雰囲気に似ている。ロッカーは数多くあるのだが、あえて籠を使う人も多い。年齢層がわりと高めであるせいか。
浴室は手前にカラン、奥に湯船という典型的な銭湯のスタイルであった。カランの配置は6、5-5、5で、固定式のシャワーがあるのは両側の壁側だけ。銭湯タイムになってすぐに訪れたのだが、おじいさんたちでカランの半分が埋まっていた。湯船のふちや床に腰掛けておしゃべるする人も多く、地元の社交場としてさっそく繁盛している様子。女湯からもおばちゃんたちの賑やかな話し声が聞こえてきた。
お湯は横浜特有の黒湯。しかもカランやシャワーから出るお湯も温泉なので、やや黒味がかっている。毎分572リットルと豊富な湯量のおかげだろう。湯船は3つに区切られており、それぞれ1.5帖ほどの大きさ。1つは深い湯船で、ほか2つは浅い湯船(ジャグジーとバイブラ)。見た目は真っ黒だが、実際には15cmほどの透明度。黒湯特有の油くささがないのは、循環処理と塩素消毒を行っているためか。お湯はあふれそうなくらいたっぷりと入っており、じりじりと熱いくらい。温度計では44℃を指していたが、「今日は熱くて入れないじゃんか」なんていう会話が聞こえてきたので、普段はもうちょっとぬるいのかもしれない。浴室入口側に水風呂もあるが、こちらでも温泉を使用している。源泉は17.9℃なので、もしかしたらそのままの温度で使用しているのかも。
3つ並んだ湯船の裏側、奥まった空間にはもう1つ湯船がある。こちらは温泉を使用していないが、40℃のぬるい強力バイブラ湯が楽しめる。カランも2つあり、隠れ部屋的な雰囲気だが、利用する人はほとんどいない。せっかくいい温泉があるのに…、ということだろうか。
常に入れ替わりで浴室は賑やかだったが、皆さんの滞在時間は総じて長い。お湯につかったり身体を洗ったりというより、休んでいる時間が長いのだ。やっぱり田舎の温泉施設みたいな雰囲気だ。もっと言ってしまうと湯治宿みたい。横浜でこんな雰囲気を味わえるなんて!しかも銭湯で!なかなか面白いし貴重だと思う。
・能見堂赤井温泉(神奈川県浴場組合)
能見堂赤井温泉
源泉/横浜温泉(赤井温泉:ナトリウム−炭酸水素塩・塩化物泉)
住所/横浜市金沢区釜利谷東3-9-51 [地図]
電話/
交通/京浜急行金沢文庫駅西口より徒歩10分
無料駐車場12台分あり
料金/(温泉タイム)大人600円、子供200円、休憩は別途500円
(銭湯タイム)大人450円、中人180円、小人80円
時間/(温泉タイム)10:30〜15:30
(銭湯タイム)15:30〜22:00
毎週月曜日定休(祝日の場合は翌日)
(追記-2009/12/23)
温泉タイムの料金が変更になっていました。大人550円→600円
(写真追加-2010/01/31)
2枚目に掲載した写真は脱衣所入口にある宝船のタイル絵です。
(追記-2017/4/4)
公式サイトでは休業中と記されていますが、施設老朽化により建物は解体され、現在は更地となっています。
この温泉は金沢文庫なんですね。ややこしいです(^^)。京急が適当に駅名を選んだのでしょうか?昔は「谷津坂」と言う駅だったです。
ところでなんと横浜にも温泉がたくさんあるんですね。そして貴殿の素晴らしい記事に感心してしまいました。私も時々有名温泉に出かけますが旅の温泉は良いですね。記事が豊富なのでこれからゆっくりと拝見させていただきます。(港南区の上大岡です)