「のぼり雲」は三崎街道から100mほど入ったところにあり、しかもその曲がり角には信号がなく、車だと通り過ぎてしまうかも。目印は小さな洗車場、そして「佐野4丁目」バス停。曲がったらば突き当りが「のぼり雲」。山の斜面にへばりつくようにして建物が建っており、1〜2階(層)が駐車場、その上階にフロント、さらにその上階に浴室がある。ちなみに山の背後には「のぼり雲」の母体でもある佐野ゴルフガーデン(打ちっぱなし)がある。
さて、「のぼり雲」を訪れてまず気づくのは、敷地の入口にある立派な長屋門。当地の名主・永島家の長屋門で、江戸時代末期の建築。「永島」という表札が掲げられている。(由来についての詳細は写真をクリック)
和風テイストあふれる長屋門と対比して、施設自体はいまどきの建築なのだが、ロビーを見てまず思うのは、スーパー銭湯とは一線を画す落ち着きのある雰囲気。ロビー階にはちゃんとした和食を出す食事処、そして作務衣や暖簾など本物志向を思わせる商品を並べた売店がある。浴室はその上階。フロントでは下足箱の鍵と引き換えにリストバンドを渡されるが、これは館内施設でのチェックのみに使い、100円返却式のロッカーは自由に選んで使う。
浴室はこじんまりとしていた。洗い場の奥に6帖大の内風呂が1つだけ。三方の窓がが開放できるようになっており、半露天的な感じで入浴できる。お湯は茶色と緑を混ぜたような色で、ちょっと熱めに設定してあるようだ。露天風呂は岩づくりで5〜6人が入れるような広さ。そのほかに歩行浴の湯船もある。深さ1mくらいで、狭い範囲をグルグルとまわるだけなのだが、おじさんたちが入れ替わりで歩いている。歩行浴の中にはジャグジーのブースも2つある。ちなみに歩行浴でも源泉を利用しているが、循環を繰り返しているためかお湯は入浴剤のようなきれいな緑色。
施設自体が高台にあるのに、露天風呂から見えるのは整備された山の斜面だけ。雨の日用にと菅笠や番傘が用意されている。湯船のまわりは広々としているのに、ベンチが1つしかないのが不満だが、ウッドデッキになっているのでそのままゴロンと横になっているおじさんの姿も。2階にある休憩室は20帖の畳敷き。ここでもゴロンと横になっている人が多い。喫煙所は休憩室の外のバルコニー部分。ここからの眺めがいちばん良いかも。町の様子がなんとなく一望できるだけだが。
佐野天然温泉のぼり雲
源泉/佐野天然温泉(ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉)
住所/横須賀市佐野町4-5 [地図]
電話/046-851-2617
交通/JR横須賀線衣笠駅より徒歩15分
京急横須賀中央駅よりバス「佐野4丁目」停すぐ
※駐車場100台分あり
料金/大人1,000円、小学生以下500円
時間/9:00〜24:00、不定休(月1回定休日あり)