伊香保温泉石段街伊香保温泉の歴史は古く、万葉集や古今和歌集にも詠まれたほど。戦国時代末期には長篠の合戦によって負傷した武田軍の兵士を癒すために、伊香保神社からの石段街がつくられ、現在の温泉街の原型が形成された。伊香保温泉といえば石段の両側に温泉旅館が軒を連ねる風景が有名だが、石段の中央には湯樋があり、一定の湯量が各旅館に引湯される仕組み(こま口制度)になっている。江戸時代には榛名山詣が盛んになり、さらには明治時代に来日したドイツ人医師ベルツの功績により、温泉保養地としてますます発展するようになった。

伊香保関所石段は関所跡から伊香保神社まで続いている。伊香保温泉は昔から子宝の湯として知られており、関所は湯治客が対象であったが、とくに婦人客が多かったという。



伊香保関所
住所/渋川市伊香保町伊香保甲34 [地図
電話/0279-72-4933
料金/無料 時間/8:00〜17:00、第2・4火曜日定休

伊香保神社距離にして約300m、360段の階段を上ると伊香保神社に到着する。いまでも子宝祈願に訪れる人が多いようだ。825年創建。上野国三ノ宮の由緒ある神社だ。参詣無料。



石段街には旅館のほかに土産物屋が多いのだが、射的屋もちらほらある。昔ながらの…といった店構えではないが、由緒正しき温泉街を残していこうという意気込みが感じられる。ちなみに伊香保は茶色い温泉饅頭の発祥の地でもあるらしい。1910年から売り出されているというから、その歴史は古いというべきかどうなのか。



伊香保温泉露天風呂伊香保神社の境内から南にさらに500mほど歩いていくと「伊香保露天風呂」がある。その名の通り、露天風呂だけの共同浴場で、すぐわきにある源泉からお湯が引かれている。入口をガラッと開けると、すぐ目の前が露天風呂の湯船があり、脇にある脱衣スペースには棚があるだけ。伊香保を代表する温泉施設なのに、このシンプルな感じが実にいい。大きな湯船だが、熱めと温めといった具合に2つに区切られている。お湯自体はもともと透明なのだが、空気に触れることで茶褐色になる。源泉から近いうえに掛け流しなので、贅沢な感じがする。周囲は緑が多く、かなり寛げる空間だ。

伊香保露天風呂のすぐ近くには「飲泉所」がある。錆びた鉄の味がして、とてもじゃないが飲めたものじゃない。消化器系の疾病や慢性アレルギーに効果があるという。伊香保の日帰り温泉施設としては、石段の途中にある「石段の湯」、温泉街の入口にある「伊香保グランドホテル黄金の湯館」もある。

伊香保露天風呂
源泉/伊香保温泉(ナトリウム・カルシウム−硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉)
住所/群馬県渋川市伊香保町伊香保581 [地図
電話/0279-72-2488
交通/JR上越線渋川駅よりバス25分「伊香保温泉」停下車徒歩12分
料金/大人450円、子供200円
時間/(4月〜9月)9:00〜19:00
     (10月〜3月)10:00〜18:00
     毎月第1・3木曜日定休(祝日の場合は翌日)