PARADICE(東京都港区芝)慶應大学のお膝元といえば三田。通学路はさぞかしおしゃれだろうと思いきや、三田駅から続く慶応仲通り商店街は、昔ながらの庶民的風情。狭い路地に飲食店がひしめく。その一画にあった万才湯(2016年廃業)は、銭湯空間を活かした居酒屋にリノベーションされ、そして再び銭湯サウナとしてリニューアル。一般公衆浴場→飲食店営業→その他の公衆浴場という流れには、銭湯時代からの客はおろか、管轄の保健所も驚いたことだろう。

PARADICE(東京都港区芝)事前にLINE経由での会員登録が必須。店頭では下足箱とロッカーの鍵を引き換える。木札とアルマイト、どちらも銭湯でよく見るタイプ。懐かしくも憎い演出だ。料金は後払いで、現金不可(キャッシュレス決済のみ)なのでご注意を。フロントの裏手にノスタルジックスタイルの応接間というかロビーがあって、そこからさらに脱衣所へと通じている。

PARADICE(東京都港区芝)浴室の真ん中には大きな植栽があって、そのまわりを高級銘木であろう一枚板のベンチが囲んでいる。手前に洗い場、奥に湯船とは東京の銭湯によくある配置で、銭湯時代の名残だろうか。湯船は水風呂と高温浴がそれぞれL字型、左右対称に並ぶ。その間に設けた扉の向こう側がサウナだ。

PARADICE(東京都港区芝)もともと釜場があった場所なのだろう。思いのほか広々としており、ベンチはL字型に2段(短辺側が3段)。薄暗く静寂が保たれた空間に円筒型ヒーターを設置し、セルフロウリュも可能で、熱さとともにほうじ茶の香りが広がる。銭湯のリノベ物件と高をくくっていたけれど、PARADICEにあってはサウナ店も顔負けの本格派。水風呂も3槽に分かれており、ひとつは水温一桁設定だとか(客数の影響か温度は上がっていたが)。確実に言えるのは渋滞はないということ。

PARADICE(東京都港区芝)浴室内の階段で2階に上がると、椅子がいくつも並んだ畳敷きの休憩スペース。宙に浮いたロフトというか、浴室を見下ろす桟敷席のようでもある。欄間も見事で、建築に興味がある人はきっと楽しいはず。鳥獣戯画を模したアニメーションが壁に映し出され、昔と今のコラボレーションとでも言うべきか。古さを残しつつ、新しい発想をどんどん取り入れ、この先の何十年を見据えているのかもしれない。

男女浴室をぶち抜いて男性専用としたが、毎月10日・20日・30日の10:00〜24:00に限ってレディースデーを開催している。交通便も良く、気軽に立ち寄ることができ、周辺に飲食店も多くあるのも魅力だ。

PARADICE ※男性専用
住所/東京都港区芝5-23-16 [地図]
電話/ー
交通/JR山手線・京浜東北線 田町駅より徒歩5分
     都営三田線・浅草線 三田駅より徒歩5分
料金/最初の30分750円、以降10分ごと250円
     個室サウナは90分3,500円
時間/24時間(清掃時間4:00〜6:00を除く)

※浴室やサウナの写真は公式サイトより転載