鬼岩湯元館(岐阜県瑞浪市日吉町)岐阜県温泉協会のホームページによれば、岐阜県内の源泉数は487で、うち17.2%の84源泉が放射能泉であるという(平成16年3月末現在)。国内のデータを検索して調べてみたところ、3659源泉のうち283源泉が放射能泉で、その割合は7.7%(だんべー,com ひとっぷろ前の温泉コラム)。全国的に見て放射能泉の割合が高いことは明らかだが、とりわけ多いのが東濃地方である。鬼岩温泉も放射能泉で知られる温泉地で、鬼岩公園の前には数軒のホテル・旅館が建っている。今回立ち寄ったのは「鬼岩湯元館」(旧小松屋)。国道には目立つ看板が掲げられ、そして玄関前には数多くの幟がはためいている。

鬼岩湯元館(岐阜県瑞浪市日吉町)鬼岩湯元館(岐阜県瑞浪市日吉町)

フロントで料金を支払い、浴室のある最上階の7階へ。エレベーターホールには、源泉掘削時に使用したロッドと掘削屑が展示されていた。地下1,630mから毎分90リットル湧出し、泉温は33.6℃。湯船での浴用には加温しているが、シャワーでは源泉そのままを使用している。「髪の毛がきれいになった」「白髪が減った」などという声が寄せられているという。2つの湯船が並んでいるが、片方は37℃、もう一方は41℃。湯船には近郊より産出された「石英片岩」が使用されており、遠赤外線とマイナスイオンの効果が期待できるという。

鬼岩湯元館(岐阜県瑞浪市日吉町)鬼岩湯元館(岐阜県瑞浪市日吉町)

さて、放射能泉といえば「ホルミシス効果」。低レベルの放射線は人体に有益であると言われている。鉱泉分析法指針によれば、温泉水1kg中にラドンを3ナノキュリー(=8.25マッヘ=111ベクレル)以上含有する場合に放射能泉というが、鬼岩湯元館のラドン濃度は61.8マッヘ。基準値を大きく上回り、療養泉(泉温25℃以上あるいは一定値以上の成分含有)でこの高濃度は「日本屈指」だと自称している。肌ざわりやにおい、色などで泉質を実感できるわけではないし、身体への効果も直ちに実感できるわけではない。ひとつ言えるのは、自然豊かなこの土地でのんびりと温泉につかれば、健康に良いことは間違いない。

鬼岩湯元館(岐阜県瑞浪市日吉町)ラドンは吸気と皮膚呼吸によって体内に摂取されるため、露天風呂などもってのほか。しかし、山の緑を眺めながらの入浴も気分上々だろう。あいにく調整中とのことで利用することはできなかったが。また、浴室内にはサウナを設けている。

鬼岩湯元館では長期療養者向け・低価格の別館を建設中で、今年10月完成予定だという。そのほか、ホームページには「10トンの岩石をくりぬいて作る家族露天風呂」「モンゴルの遊牧民の住所パオ(ゲル)の休憩所」「イスラエルの不思議な沈まない海 死海を体験できるプール」「陶芸教室(ろくろ・たたら)」「日本初の屋内温泉流水プール」と今後の予定が記されており、ますますの発展が見込まれる。

鬼岩湯元館
源泉/鬼岩温泉(単純放射能泉)
住所/岐阜県瑞浪市日吉町9499-13 [地図
電話/0120-515137
料金/大人900円
時間/11:00〜

鬼岩観光協会
岐阜県温泉協会