峠山パークランドオアシス館(岩手県西和賀町)前回の記事では鉄道の駅にある温泉「ほっとゆだ」を紹介したが、今回は高速道路のSAにある温泉。秋田自動車道の錦秋湖SAにある温泉施設で、「峠山パークランドオアシス館」と言う。一般道からもアクセス可能なHO(ハイウェイオアシス)で、正確に言うと上下線の供用施設であるSAから、進入路を隔てて隣接している。錦秋湖SA自体はその名の通り、錦秋湖のほとりに位置するが、峠山パークランドは近くにそびえる峠山にちなんでいる。もうちょっとシンプルな名前にできなかったものか、とも思うが。キャンプ場やグラウンドゴルフ場などを付属した施設で、町などが出資する西和賀産業公社が運営。平成9年にオープンした。

峠山パークランドオアシス館(岩手県西和賀町)SAからは連絡橋を歩いて渡る。2階建の建物で、1階に特産品売り場とレストラン、2階に浴室とカーペット敷きの大広間がある。訪れたのが休日の夕方とあって家族連れが多く、大広間では仮眠をとるドライバー(つまりお父さん)が多い。混雑は覚悟していたが、びしょ濡れの脱衣所や混雑した洗い場には閉口した。広い湯船も子供にとっては単なる遊び場で、泳いだり潜ったりとやりたい放題。たまたまだったと思いたいが、さすがに我慢ならず露天風呂へ避難。

広い内湯とは対照的に、露天風呂は直径2mほどの円形の湯船。タイル張りで風情はなく、手すりが高いため湯船につかりながらだと景色は望めない。立ち上がっても、山と高速道路への進入路とガソリンスタンドが見えるだけ。しかも日が暮れると真っ暗。正面に見えるのは峠山だと思うのだが、現地では権五郎山と呼ぶらしい。後三年の役(1083〜1087)の際、源氏の武士鎌倉権五郎影正が傷ついた眼を沢で洗ったところ、そこに棲むカジカは片目になってしまったのだという(メッコカジカ伝説)。脱衣所にも何らかの説明書きがあったような気もするが、いま検索してみたところではこんな感じの情報が見つかった。

混雑と塩素臭が気になり、温泉らしさはあまり感じられなかった。しかし立地の良さや手軽さから、ドライブの疲れを癒すには貴重な施設だ。子供にとっても旅の思い出のひとコマとなることだろう。

西和賀町観光協会
西和賀産業公社

[鎌倉権五郎影正の伝説について]
わらびと(岩手県埋蔵文化財センター所報)-pdf

峠山パークランドオアシス館
源泉/錦秋湖温泉(峠山の湯:ナトリウム・カルシウム−硫酸塩・塩化物泉)
住所/岩手県和賀郡西和賀町本内46地割125番地106 [地図
電話/0197-82-2915
交通/秋田自動車道錦秋湖SA、国道107号線からも利用可
料金/大人500円、中学生以下300円、幼児無料
     貸切風呂2,000円(予約制・1時間)
時間/8:00〜21:00