大町市街地から大町ダムを経て、高瀬川を上流へさらに約5km。高瀬渓谷に湧くのが葛温泉だ。慶長年間の飢饉の際に村人が葛を採りに山中に入り、温泉を発見したのが発祥とされている。400年に渡って湧き続けているのだが、昭和44年8月の豪雨は土石流となって旅館3軒が流失、交通が寸断され孤立状態となる水害(44災)を経験した。これを契機に大町ダムが建設され、葛温泉は現在、仙人閣湯宿かじか高瀬館の3軒が高瀬川沿いに点在している。

しかし今回は旅館の日帰り入浴ではなく、目当ては河原の野湯。「無料&格安温泉」(SAN-EI MOOK)という本を参考にして訪れたのだが、「県道を走りながら見当をつけて橋を渡り〜」という記述で、その場所は特定できた。橋といえば「湯宿かじか」に渡る橋くらいしかなく、そこから河原を眺めてみると、ゴロゴロとした岩場の中に湯溜まりのような箇所がいくつかある。天然なのか人工なのかはわからないが、どう見ても岩風呂だ。橋を渡ってそこに近づくと、「ここで水あそびしてはいけません」という看板のすぐ傍から、「河原へと下りてください」と言わんばかりにロープが垂れ下がっている。これで、河原までの斜面は容易に上り下りすることができる。

葛温泉河原の野湯(長野県大町市平)葛温泉河原の野湯(長野県大町市平)
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河原のあちこちから温泉が湧いていた。周囲の石が変色しているし、煮えたぎる感じもすぐわかる。熱湯なのは一目瞭然なので、川の水と混じって程よい湯加減を探すも、むやみに手を突っ込むと火傷は必至。かといって川に近づくと水が冷たい。河原をさんざん歩き回ってみたが、熱すぎたり冷たすぎたりして入浴できそうな場所はない。川の水がもう少し多ければよかったのだろうけど、季節や天候が左右するし、大雨やダムの放流によって増水したら危険な場所。そもそも県道や橋から丸見えのロケーション。

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この記事を書くにあたって調べてみたら、源泉は約80℃あるという。どうりで熱いわけだ。野湯としてはアクセスしやすいし、高瀬渓谷の景色も良好だが、いつでも気軽に温泉を楽しめるというわけではない。それを踏まえて野湯であるのかもしれないが。今回は残念だったが、長野県内には河原の野湯として有名な温泉があちこちにある。これらを訪ねてみるのも面白い。

葛温泉河原の野湯(長野県大町市平)葛温泉河原の野湯(長野県大町市平)
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葛温泉河原の野湯
源泉/葛温泉(単純温泉)
住所/長野県大町市平 [地図
交通/長野道豊科ICより県道326号線経由で約40km
料金/無料
時間/24時間

大町市観光協会

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