底倉温泉は箱根の中でも温泉場としては小規模で地味なのだが、江戸時代の箱根七湯の1つに数えられた由緒ある温泉場。富士屋ホテルがある「宮の下」交差点を強羅方面に曲がってすぐ。国道1号線の下に流れる蛇骨川の川べりは遊歩道になっており、対岸には1590年の豊臣秀吉による小田原攻めの際に、兵士の傷を癒したとされる「太閤石風呂」の跡がある。(⇒詳しくはこちら

そこくらの湯つたや川べりから「つたや」を見上げれば立派な建物だが、国道1号線から見れば崖下に建っているため、駐車場からは小さな看板と簡易的な出入口しか見えない。階段をひたすら降り、建物の3階から1階のフロントまではエレベーターで降っていく。フロントで入浴したい旨を告げると、内風呂と露天風呂の利用方法を教えてくれた。浴室は地下1階にあり、内風呂と露天風呂は離れているため、いったん服を着て行き来してほしいとのこと。男性だから上半身は裸でも構わないが、ズボンは履いてほしいとのことだった。

旅館の規模からすると内風呂の浴室はかなり広く、左右に分かれたカランの間には何もない空間があって、かなり贅沢なつくりだといえる。蛇骨川に面して全面がガラス張りで、対岸の山の景色を眺めることができる。11月下旬は紅葉真っ盛りで、木々が赤や黄色に染まっていた。楕円形の湯船は石造りで、傍らには子供の像があり、洋風の雰囲気。やや温めで、お湯がやわらかい感じがする。

そこくらの湯つたや-露天風呂もう一度服を着て、今度は露天風呂へ向かう。別棟になっており、脱衣所は小規模で木造の簡素な造り。湯船はこじんまりとはしているが、石造りで、内風呂と比べるとこちらは和風の趣。景色は内風呂と変わらないのだが、開放感のあるロケーションは素晴らしい。循環式だが、かけ流し。塩素ではなく紫外線による消毒ということで、嫌な臭いはまったくしない。温めなのでゆっくりお湯に浸かれるし、景色を眺めながら椅子に腰掛けて湯冷ましするのもよい。

「そこくらの湯つたや」の前身は江戸時代から続く「蔦屋」という旅館。館内に掲示してある箱根町指定文化財「七湯の枝折」の絵地図や「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データサービス」などで当時の様子を確認できるが、国道が開通する以前の底倉集落は河原に面してもっと広さがあり、外国人観光客で賑わった宮ノ下に対して、のどかな温泉場として支持されてきたようだ。いまでは温泉場としての底倉の雰囲気は変わってしまったが、蛇骨川の対岸の山の景色だけは変わっていないようだ。

そこくらの湯つたや
源泉/底倉温泉(ナトリウム−塩化物泉)
住所/足柄下郡箱根町底倉240-1 [地図
電話/0460-82-2241
交通/箱根登山鉄道宮ノ下駅より徒歩10分
     国道1号線「宮の下」交差点(富士屋ホテル)より約300m
料金/(入浴のみ)大人1,050円、小学生500円、幼児無料
     ※フェイスタオルつき(レンタル)
     (入浴休憩)大人2,050円、小学生1,000円、幼児無料
     ※浴衣・バスタオル・フェイスタオルつき(レンタル)、途中外出自由
時間/10:00〜19:00、毎週火曜日定休(祝日の場合は翌日)

「もしもツアーズ〜箱根名湯うんちくツアー〜」フジテレビ、2008/02/02放送