旅は哲学ソクラテス

興味があるのは風呂屋めぐりとベイスターズです。それ以外のことにはあまり興味がありません。
日帰り温泉・スーパー銭湯・町の銭湯・共同浴場・サウナ・健康ランド・野湯など守備範囲は広めです。
行動範囲は神奈川を中心とした1都3県と静岡、山梨です。

横浜温泉

スパ・リブールヨコハマ(横浜市鶴見区獅子ヶ谷)

スパリブール大深度掘削によって誕生した日帰り温泉施設は郊外のあちこちにあるが、いかにして差別化を図るかが生き残りの課題であろう。安価を売りにしてファミリー層を取り込もうとする施設がある一方で、年齢制限を設けて大人の寛ぎをテーマとする施設もある。また、和風もあれば洋風もといった具合だが、数ある施設のなかで「バリ風」を謳うのはおそらくここだけだろう。平成18年3月31日にオープンした施設だ。

スパ・リブールヨコハマは市内の大動脈、環状2号線沿いにあって、ショッピングセンターのトレッサ横浜に近接。地理的には綱島と鶴見の中間に当たる。5階建の大型店で、1階に駐車場、2階以上に浴室やレストランなどがフロアごとに分かれている。2階の更衣室で館内着に着替えたら、4階の浴室へ。タオルなどは脱衣所に用意してある。

スパリブールパンフレット現在は期間限定料金を設定しているとはいえ(本来は大人平日2,100円・休日2,420円)、それでも一般的な日帰り施設と比べれば割高な設定。付加価値といえば、館内の随所にある南国風の植栽や装飾、雑貨、ガムランのBGMによるバリ島演出にほかならない。バリ島といえば青い海と白い砂浜だが、ここでは温泉、しかも黒湯である。

いくつかある湯船のうち、源泉かけ流しも1つだけあって、そもそも客は多くないのでゆったりと寛げる。温泉はほかに循環式と、ナノテクノロジーによって黒さを除去した湯船。黒湯は汚れが目立ったり、段差が見えずに足を踏み外すこともあるが、無色透明だとまったく違った湯に触れているようだ。高い塀が囲んでいるため露天風呂から外の景色を眺めることはできないが、ゆったりとした開放感も。

5階は岩盤浴とバーカウンター、屋外には足湯がある。岩盤浴は室内全体の床に天然岩石を敷き詰めており、「バリ島の気温・湿度と同じ状態を演出した空間」だという。個別に分かれているわけではなく、好きなところで寝転がったり座っておしゃべりしたりという、いわばチムジルバンのスタイル。男一人だと時間も場所も持て余してしまうので、カップルあるいは女性どうしが良かろう。温泉に肩まで浸かっておきながら、足湯もどうかと思うが、楽しみ方によってはこのフロアだけで寛ぎの時を過ごせるのかもしれない。

スパリブールパンフレット

仮眠室は2階。オールナイト営業だが、ほかの施設と違って深夜料金の制度はなく、6時間を超える滞在の場合は1時間につき300円が加算される。入館料と合計すれば平日で最大3,480円。場所が場所だけに横浜西口のスパイアスやみなとみらいの万葉倶楽部より安い。個別テレビつきのリクライニングシートは74席ある。

レストランやエステなどを満喫すれば、あっという間に1〜2万円は必至だが、たまの贅沢を楽しむ施設か。客は少ないながら、ほとんどがセレブ女性。これが「スパ・リブール」の現状だ。

スパ・リブールヨコハマ
源泉/横浜温泉(獅子ヶ谷源泉:ナトリウム−炭酸水素塩泉)
住所/横浜市鶴見区獅子ヶ谷2-39-18 [地図
電話/045-575-7573
交通/JR京浜東北線鶴見駅西口よりバス約15分
     東急東横線綱島駅東口よりバス約10分
     JR横浜線・横浜市営地下鉄新横浜駅東口よりバス約15分
     「駒岡車庫前」停徒歩1分、または「トレッサ横浜前」停徒歩2分
     鶴見駅東口・川崎駅西口より無料送迎バスあり
料金/(平日)大人1,680円、子供800円
     (休日)大人1,890円、子供800円
     ※2012/12/31までの期間限定料金
     ※6時間まで。以降1時間ごとに300円(上限1,800円)
     ※子供は小学生以下
     (60分コース・平日のみ)1,200円
時間/10:00〜翌8:00

平安湯(横浜市鶴見区平安町)

鶴見市場駅の名はかつて開かれた海産物市場に由来する。駅の南側には第一京浜(国道15号線)が走り、屋上に自由の女神が立つホテルニューヨークを過ぎればゴム通りに出る。この道をまっすぐ行くと、いまは大型分譲マンションに変わってしまったが、ここはかつてのワイルドブルーヨコハマ。戦前は横浜ゴムの工場があった。その南にある京三製作所は鉄道や道路の信号メーカーとして有名だが、戦前は自動車の生産も行っていた。ゴム通りの東側、鶴見区平安町と川崎区京町は大正時代に京浜急行が分譲した町で、2つの町を隔てていた運河跡はいまでも地図上で確認できる。町に歴史ありとはまさにこのこと。普通電車しか停まらない小さな駅だが、降りてみるとなかなか面白い。

平安湯(横浜市鶴見区平安町)ゴム通り三差路そばのローソンを過ぎて東に行けば、しばらくして平安湯がある。正面の外壁はきれいに改装しているが、屋根を見れば昔ながらの銭湯の味わい。コインランドリーを併設し、通り側に4つ並んだ出窓のところがロビーで、フロント両側に男女浴室の暖簾が下がっている。脱衣所は折上格天井で堂々たるもの。

平安湯(横浜市鶴見区平安町)平安湯の魅力は温泉を使用していること。横浜温泉は一般的に黒褐色だが、ここは茶と緑を足した色で、湯の花によるわずかな濁りがある。浴室に入ってすぐ右手には小さな水風呂があって、床のタイルは茶色に変色している。鉄分を多く含むようで、かすかな鉄サビ臭とさらさらとした肌ざわり。神奈川県内においては個性が際立った泉質だと言える。しかもかけ流し。水風呂で客が呼べる銭湯だ。

浴室の奥には加温した温泉浴槽もあるが、そちらは色も薄く、水風呂に比べれば個性は劣る。ほかに白湯で押しボタン作動式の電気風呂、バイブラ湯、座湯ジャグジーの湯船がある。背景のタイルは魚が泳いでいる様子を描いたもの。洗い場は水風呂の壁側に4つ、5-5の島が2列、境壁側に6つのカランが並んでいる。そして脱衣所に食い込む格好で高温乾式のサウナがあって、これは無料で利用できる。

水風呂に入りたいがために加温浴槽、サウナを何往復。水風呂は大人2人で目一杯の大きさなので気を遣ってしまうが、ほかに客がいなければ独り占めしていたい気持ちよさ。はるばる訪れる価値のある温泉銭湯だ。

平安湯(神奈川県浴場組合)
平安湯(横浜市浴場組合)

平安湯
源泉/横浜温泉(ナトリウム−塩化物・炭酸水素冷鉱泉)
住所/横浜市鶴見区平安町1-70 [地図
電話/045-502-4126
交通/京浜急行鶴見市場駅より徒歩8分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/15:00〜24:00、不定休

太平館(横浜市港北区大曽根)

太平館(横浜市港北区大曽根)大倉山駅東口より線路沿いを綱島方面へ。しばらく住宅地が続くが、やがて庶民的な商店街に風情を変えていく。夕方になって地元住民の足は買い物、そして銭湯に向かうのだろうか。個人商店が軒をつらねる通りから、路地の奥に目をやれば太平館を発見。クラシカルな佇まいだが、通りから見た感じは一団の古き商店街のようで、すし屋の看板のほうがよく目立つ。くまなく探し歩いた末の発見であった。

太平館(横浜市港北区大曽根)太平館(横浜市港北区大曽根)

暖簾をくぐれば広々とした脱衣所には番台、ぶら下がり健康器、マッサージチェアなど、昔ながらの銭湯の雰囲気は健在。奥まって建っているためか掃き出し窓を全開にしていた。

浴室の手前に洗い場、奥に湯船が並んでいる。カランは壁側に8つずつ、島列はシャワーなしで7-7、お湯は超熱湯で驚いた。鏡に近所の店の広告が出ているのもいまどき珍しい。3つ並んだ湯船のうち座湯ジャグジーのみ白湯。ほか2つ(深湯・浅湯)には温泉を使用している。透明度5cmほどの黒湯で、隣駅の綱島温泉は有名だが、大倉山ではここ太平館と西口のしのぶ湯のみ。銭湯としての雰囲気が異なるので、遠方から訪ねる方はハシゴしてみるのもよいだろう。

間仕切壁はモザイクタイルで描いた湖畔の風景、湯船の上もモザイクタイルで色とりどりの魚が描かれている。そしてペンキ絵は亡き早川利光師による大歩危の景色(H19/10/12)。女湯は南伊豆。多少傷んできているが、早川師の作品は年々描き替えが進んでおり、いまや貴重な存在だ。

西区久保町の太平館は奥さんの弟が経営しているという。どちらもクラシカルな雰囲気をよく残しており、銭湯らしさを存分に堪能できる。

太平館(神奈川県浴場組合)
太平館(横浜市浴場組合)

太平館
源泉/横浜温泉(ナトリウム−炭酸水素冷鉱泉)
住所/横浜市港北区大曽根1-25-2 [地図
電話/045-531-0361
交通/東急東横線大倉山駅より徒歩9分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/15:30〜22:30、毎週金曜日定休
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当ブログでご紹介している温浴施設の情報は、すべて自ら訪問し記録したものです。再訪時に料金・設備等で変更点があればその都度追記していますが、施設によっては現在と異なる点がありますのでご了承ください(⇒情報をお寄せください)。 また、当ブログ記載の「交通」は、各施設の公式サイトやパンフレットで公表している情報です。公表なき場合は1分=80mとして計算しています。
神奈川県の銭湯料金
神奈川県の銭湯の料金は下記の通りです。
・大人470円(12歳以上)
・中人200円(6歳以上12歳未満)
・小人100円(6歳未満)
銭湯にはタオル、ボディソープ、シャンプーを持参して行きましょう!

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