旅は哲学ソクラテス

興味があるのは風呂屋めぐりとベイスターズです。それ以外のことにはあまり興味がありません。
日帰り温泉・スーパー銭湯・町の銭湯・共同浴場・サウナ・健康ランド・野湯など守備範囲は広めです。
行動範囲は神奈川を中心とした1都3県と静岡、山梨です。

奥鬼怒温泉郷

日光沢温泉(栃木県日光市川俣)

日光沢温泉(栃木県日光市)女夫淵温泉より八丁の湯、加仁湯を経て約80分。鬼怒川の清流沿いに整備された遊歩道だが、日光沢温泉から先は本格的な登山道となり、鬼怒沼など各方面へと続いている。日光沢温泉は鬼怒川と日光沢の合流地点にあり、周囲には山々が迫って谷間の地形をなしている。木造2階建がL字型に建ち、その年季の入った佇まいは山の宿にふさわしく、日本の原風景としての郷愁をも感じさせる。林道も電気もなかった時代にこれだけの規模を建築し、また維持してきたのだから、並みの苦労ではないだろう。「関東地区高等学校体育連盟登山部指定」の看板もあり、ここで育った山男も少なくないはずだ。

日光沢温泉(栃木県日光市)玄関先に吊るされた鐘を鳴らして訪問を知らせると、宿のお兄さんにより先に2歳のマスコット犬が出迎えてくれた。日帰り入浴客が利用できるのは2ヶ所ある混浴露天風呂のみ。玄関で宿のサンダル(俗に言う便所用)に履き替え、建物の外から川のほうに直接階段を下りていく。上段の湯船のそばに棚のみしつらえた脱衣所があり、下段の湯船は裸のままでさらに数段下っていく。湯船はどちらも3〜4帖分の大きさで、源泉かけ流し。カランなどの設備はない。

日光沢温泉(栃木県日光市)日光沢温泉(栃木県日光市)
上段はタイル張りの湯船で、無色透明のお湯。頭上と背後に雑木林が覆い、正面に対岸の斜面を眺める。自然を間近に感じることができる雰囲気だ。


日光沢温泉(栃木県日光市)日光沢温泉(栃木県日光市)
下段はコンクリートづくりの湯船で、青白くにごったお湯。湯船に注がれる源泉は透明なので、時間の経過や気候の変化で白濁するようだ。わずかに硫黄のにおいも漂う。鉄製の波板が景観を壊しているように思うが、河原からの目隠しの意味で設けているのだろうか。

源泉の個性では下段の湯船に、雰囲気では上段の湯船に軍配が上がりそうだ。どちらもぬるめだったので、秋風を感じながらの長湯で気分も上々。今回は八丁の湯、加仁湯、日光沢温泉をはしごしたが、それぞれ甲乙つけ難い山のいで湯であった。いずれは手白澤温泉も訪れてみたい。

日光沢温泉
源泉/奥鬼怒温泉
     (日光沢D・千枚岩混合泉:ナトリウム−塩化物泉)
     (日光沢C・E混合泉:含硫黄−ナトリウム−塩化物泉)
住所/栃木県日光市川俣874 [地図
電話/0288-96-0316
交通/東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅よりバスで約100分、女夫淵温泉より徒歩80分
料金/500円
時間/9:00〜15:00

湯西川・川俣・奥鬼怒温泉観光協会

加仁湯(栃木県日光市川俣)

加仁湯(栃木県日光市)女夫淵温泉より遊歩道を約60分、八丁の湯を経てさらに約10分、奥鬼怒温泉郷のうち知名度で他を圧倒するのが加仁湯である。山の中に建つ一軒宿でハイカーの利用も多いのだが、同時に温泉目当ての客のための観光ホテルと言うべき規模の大きさだ。鉄筋コンクリート造地上3階地下1階建の本館は、瓦屋根を載せた和風の造りだが、山あいのロケーションではそびえ建つようにも見える。玄関先には「歓迎○○様」の看板が並び、紅葉の季節だからか平日でも客室の稼働率は高いようだ。

加仁湯(栃木県日光市)電話の対応に追われるご主人を待つ間に、カウンターに並んだパンフレットなどを眺めていると、「とちぎにごり湯の会」なる小冊子を見つけた。300円で購入すると、加仁湯の入浴料が300円引きになるという。掲載施設数は多いので、栃木県在住もしくはあちこちの温泉をまわりたい人にはおすすめだ。「見つけちゃいましたね」と笑うご主人。加仁湯は同会の事務局を兼ねている。

加仁湯(栃木県日光市)加仁湯では泉質の異なる5本の源泉を持ち、利き酒ならぬ利き湯を「ロマンの湯」で楽しめる。1人用の小さな湯船が5つ並んでおり、「たけの湯No.2」のみ無色透明だが、ほかの源泉は乳白〜青白くにごっている。温度も微妙に違うが、それ以上となるとよくわからない。ちなみに加仁湯で男女別なのは内湯(脱衣所が清掃中で入浴できず)だけで、第1露天風呂は女性専用、そのほかはいずれも混浴だ。ロマンの湯も脱衣所こそ男女別だが、外に出ると男女が裸ですれ違うこともありうるので、女性は驚くかもしれない。

加仁湯(栃木県日光市)加仁湯(栃木県日光市)ロマンの湯の真下にあるのが第2露天風呂。外にある小屋のような脱衣所は棚のみで、男女兼用。ごろごろした岩を配した湯船は、鬼怒川の川床を思わせるようなつくり。じっくり湯につかるも良し、岩に腰掛けて涼むも良し。鬼怒川の対岸の断崖は雑木林の景色で、頂上付近に紅葉と柱状節理を眺めることができる。夜はライトアップされるという。

加仁湯(栃木県日光市)加仁湯(栃木県日光市)混浴の第3露天風呂(写真左)も脱衣所だけ男女別。湯船は広いのでなんとなく分かれてしまうつくりであるが。女性専用の第1露天風呂(写真右)も近接しており、こちらも広い湯船だ。どちらも川面に近く、景色も開けているので開放的。対岸の山を正面に眺め、かつ青白いお湯に反射して輝いている。これだけのロケーションと湯船の数をもってすれば、温泉目当ての客がここまで訪ねるのも頷ける。日帰り入浴ですべてを制覇しようとすると、服を脱いだり着たりでせわしないため、できれば宿泊して楽しみたいものだ。風呂上がりにロビーで休憩しようと思ったら、昼時のせいかハイカーでごった返していた。山菜そば・うどんのみ注文することができ、一杯600円。 温泉よりそばのほうが高いとは…。

加仁湯パンフレット
加仁湯パンフレット
加仁湯パンフレット

とちぎにごり湯の会
湯西川・川俣・奥鬼怒温泉観光協会

加仁湯
源泉/奥鬼怒温泉(含硫黄−ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉)
住所/栃木県日光市川俣871 [地図
電話/0288-96-0311
交通/東部鬼怒川線鬼怒川温泉駅よりバス約100分、女夫淵温泉より徒歩約70分
料金/500円
時間/9:00〜15:00、年中無休

八丁の湯(栃木県日光市川俣)

八丁の湯(栃木県日光市)女夫淵温泉より遊歩道を歩くこと約1時間、奥鬼怒温泉郷のいちばん手前にあるのは八丁の湯だ。ひなびた佇まいの木造旅館で、玄関先には楓の大木が真っ赤に色づき、まさに山の中の一軒宿といった雰囲気を醸し出している。とはいいつつ、客の増加や多様化するニーズに応えるためか、最近建ったと思われるログハウスも数棟点在し、まさに新旧同居といった感じ。

玄関正面にフロントがあり、館内左手奥に男女別の内湯、右手奥に進めば混浴の露天風呂が3つ、右手真っ直ぐに女性専用の露天風呂と教えてくれたのだが、清掃直後で下段の混浴露天風呂と女性専用露天風呂しかお湯が張っていないという。つまり男性が入れるのは1ヶ所のみだが、宿のおじさんが笑顔でそう言うなら仕方あるまい。

八丁の湯(栃木県日光市)八丁の湯(栃木県日光市)八丁の湯(栃木県日光市)

確かに上段の露天風呂はお湯を張っている最中だった。ホームページによると、石造りの湯船は昭和4年の開業時からのものだという。数段下ると岩を組んでつくった露天風呂があり、ここが唯一入浴できた湯船なのだが、これだけでもじゅうぶん訪れる価値はあった。正面の断崖には流れ落ちる滝と紅葉、眼下には鬼怒川の清流。湯船に舞う落葉の数たるや半端ではないのだが、それだけ野趣に富み、そして開放的である。源泉は湯船に大量に注がれ、お湯は崖下へと掛け流しされている。無色透明で糸くずに似た白い湯の花が大量に混じっているが、女性専用の露天風呂ではもっと細かかったとのこと。源泉は敷地内8ヶ所の山肌から自然湧出するというが、泉質の微妙な違いだろう。湧出量は合計220リットルで、いずれも湯温が50度前後のため、湯船にそそぐ湯量で調整しているそうだ。

八丁の湯(栃木県日光市)玄関先は絶好の撮影スポットかつ休憩スポットのわりに温泉を訪れる人はおらず、貸切状態で利用できたのは最高の贅沢だった。ちなみに八丁の湯というのは、日光沢と鬼怒川の合流地点から8丁(約2km)のところに温泉があったから、ということらしい。

左の写真は女性専用露天風呂。あまり大きくないらしい。



八丁の湯パンフレット

湯西川・川俣・奥鬼怒温泉観光協会

八丁の湯
源泉/奥鬼怒温泉(単純温泉)
住所/栃木県日光市川俣876 [地図
電話/0288-96-0306
交通/東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅よりバスで約100分、女夫淵温泉より徒歩60分
料金/500円
時間/9:00〜15:00、年中無休
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当ブログでご紹介している温浴施設の情報は、すべて自ら訪問し記録したものです。再訪時に料金・設備等で変更点があればその都度追記していますが、施設によっては現在と異なる点がありますのでご了承ください(⇒情報をお寄せください)。 また、当ブログ記載の「交通」は、各施設の公式サイトやパンフレットで公表している情報です。公表なき場合は1分=80mとして計算しています。
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