城崎温泉街志賀直哉の『城崎にて』で知られる兵庫県の城崎温泉は、関西圏を代表する温泉地である。飛鳥時代にコウノトリが傷を癒したとされ、さらに奈良時代には温泉寺の開祖・道智上人が「まんだら湯」を発見したのだという。文献にその名が記されたのは平安時代で、以来1300年の歴史を持つ。江戸時代の温泉番付には西の関脇として名をつらねるなど名湯として知られ(西の大関は有馬、東の大関は草津、関脇は那須)、その当時から遊技場や飲食店が賑わいを見せていたという。志賀直哉のほかにも島崎藤村や与謝野寛・晶子、泉鏡花など、多くの文豪が城崎を訪れている。温泉街のあちこちに文学碑、そして作品を紹介する城崎文芸館がある。

城崎温泉街城崎温泉駅前から旅館や飲食店などが軒をつらね、地蔵湯のある地蔵橋から大谿川沿いに温泉街が続いている。川べりには柳並木、途中から桜並木となる。かつて城崎には内湯を備えた旅館がなく、外湯(共同浴場)の温泉街として栄えた経緯から、いまでも浴衣姿で外湯めぐりを楽しむ宿泊客が多い。ちなみに7軒ある外湯はいずれも宿泊客の利用は無料。鴻の湯あるいは温泉寺あたりまでが温泉街で、駅からだと1.5kmほどの距離。特筆すべきは、スマートボールや射的など昔ながらの遊技場がこの範囲に7軒もあり、夜遅くまで賑わっている。



外湯(共同浴場)の紹介(駅から近い順にご紹介します)

さとの湯(城崎温泉)さとの湯
城崎温泉駅に併設する施設として平成12年にオープンした。和風・洋風の大浴場は男女日替わり。ジェットバスやバイブラバス、サウナなどを備え、それぞれに露天風呂もある。
料金/大人800円、小人400円
時間/7:00〜23:00、第2・4木曜日定休

地蔵湯(城崎温泉)地蔵湯
モダンな外観は和風灯篭を、六角形の窓は玄武洞をイメージしたという。名前の由来はこの泉源から地蔵尊が出たことから。以来、庭園にはその地蔵尊を祀っている。平成4年に新築された。
料金/大人600円、小人300円
時間/7:00〜23:00、第1・3水曜日定休

柳湯(城崎温泉)柳湯
中国の名勝西湖から移植した柳の木の下から湯が湧き出たから柳湯という。現在の建物は平成16年に新築された。お湯の温度は高めであるのが特徴で、開湯と閉湯は太鼓の音で知らせるのだという。
料金/大人600円、小人300円
時間/15:00〜23:00、毎週金曜日定休

一の湯(城崎温泉)一の湯
平成11年に建て替えした建物は、以前の外観の面影を残し、歌舞伎座のような風格をもつ。かつては新湯といったが、江戸中期に温泉医学者・香川修徳がこの湯を天下一と賞したことから「一の湯」の名がついた。
料金/大人600円、小人300円
時間/7:00〜23:00、第2・4火曜日定休

御所の湯御所の湯
文永4年(1267)に後堀河天皇の御姉・安嘉門院が入湯したことが名前の由来。平成17年に四所神社の隣に移転し、新築された。京都御所を模した「御池庭」がある。
料金/大人800円、小人400円
時間/7:00〜23:00、第1・3木曜日定休

まんだら湯まんだら湯
養老4年(720)に温泉寺の開祖・道智小人の曼荼羅一千日祈願によって湧き出したという仏縁にちなんで名づけられた。現在の建物は平成13年に新築されたが、むかしから唐破風様式の建物であったという。
料金/大人600円、小人300円
時間/15:00〜23:00、毎週月曜日定休

鴻の湯鴻の湯
いまから1400年前にコウノトリが傷を癒したことから発見されたと伝えられている。温泉街のいちばん奥にあり、施設前には有料駐車場がある。平成3年に新築された。
料金/大人600円、小人300円
時間/7:00〜23:00、第1・3火曜日定休

いずれも宿泊しない外来客の料金設定。小人は1歳〜小学生。
各施設の定休日は城崎温泉観光協会豊岡市役所温泉課のホームページで確認を。



(入浴したところ)

地蔵湯
内風呂のみの施設で、浴室の中央に楕円形でかなり大きく、深さのある湯船。端のほうにはジャグジーの噴射口がある。お湯は熱めで、無色透明。かすかな塩素臭がちょっと残念だ。湯船を囲むようにして三方の壁際にカランが並び、もう一方の壁際には四角柱の玄武岩がオブジェのように数多く並べられ、なんだか庭園風。城崎温泉の外湯はそれぞれに内風呂+αがあるようだが、地蔵湯の場合は+αが打たせ湯。浴室の隅にスペースが設けられていたが、利用する人は誰もおらず。モダンな外観だけに期待していたのだが、浴室についてはとくに感動することもなし。それでも多くの客で賑わっていた。

一の湯
温泉街の中ほどにありライトアップされた外観が美しい。7軒ある外湯のうち、いちばん人気があるのではないだろうか。ひっきりなしに客が出入りしていた。奥行きのある浴室には大きな湯船があり、隅のほうにジャグジーあり。城崎温泉は源泉を混合泉で供給しているので、お湯の感じは地蔵湯と同様。カランもたくさんある。裏山に面しており、窓の外には石積み擁壁。浴室の奥にある扉を開けると、そこは洞窟風呂。平成11年に建て替えした際、裏山を利用して造られた。岩盤を削ったのであろうが、天井も高く、5帖程度だが広さも申し分ない。スチーム効果もあり、内風呂につかるより、はるかに高い満足度を得られるはず。




城崎温泉
源泉/城崎温泉(ナトリウム・カルシウム−塩化物泉)
住所/兵庫県豊岡市城崎町 [地図]
電話/0796-32-3663(城崎温泉観光協会)
交通/JR山陰本線城崎温泉駅下車

城崎温泉観光協会
豊岡市役所温泉課