地獄谷温泉後楽館(長野県山ノ内町平穏)地獄谷温泉は「湯田中渋温泉郷」のひとつで、渋温泉あるいは上林温泉より山道を行く。横湯川の川べりに湧く温泉で、猿が温泉につかることで有名な「地獄谷野猿公苑」、国の天然記念物で高さ20mほどになるという「渋の地獄谷噴泉」で知られている(⇒記事)。後楽館は地獄谷温泉唯一の宿で、周囲を山々に囲まれ、車で直接訪れることはできない。野猿公苑や噴泉を見物するときには玄関の前を通っていくのだが、猿が温泉につかっているのを見ておきながら、自分が温泉につからないのはもったいない。

地獄谷温泉後楽館(長野県山ノ内町平穏)地獄谷温泉後楽館(長野県山ノ内町平穏)

日帰り入浴が終了する15時まで時間がなかったのだが、「いま大人数が来てるから15時過ぎでいいよ」とのこと。先に野猿公苑に向かうも、遊歩道は高台にあるため露天風呂を眺めることができる! なんという開放感だろうか。これは期待が持てる。温泉猿を堪能して戻ってくると、ちょうど先客が風呂から上がったところで、図らずも独り占め。

地獄谷温泉後楽館(長野県山ノ内町平穏)旅館は幾度かの増築を経ているようで、本館より下っていくと浴室棟がある。脱衣所は棚のみのシンプルさ。浴室は鄙びた風情をも感じさせるが、シャンプーやボディソープは完備。分析書によると、源泉は自然湧出で毎分134リットル。70.5℃(使用60.0℃)の高温であるため、湯船には源泉の倍以上の量の水が出っ放し。しかし湯船はちょっと熱め。

窓を開けると噴泉が正面に見え、また噴泉に通じる橋が間近に見える。もちろん橋を渡っていく人も見えるのだが、通行人からしたらこんな近くで風呂につかっているとは思わないだろう。

地獄谷温泉後楽館(長野県山ノ内町平穏)地獄谷温泉後楽館(長野県山ノ内町平穏)

浴室から扉を隔てて露天風呂につながっているが、あとから気づいたが露天風呂は混浴だった。女性は脱衣所から出入りするようだ(女性専用の露天風呂も別にあるらしい)。さて、露天風呂は手前が石づくりで、奥はコンクリートづくり。奥のほうがちょっとぬるめだ。どちらも真正面に噴泉を眺め(2枚目の写真)、噴泉を眺めている人からも丸見えという大胆なロケーションだ。立ち上がるとかなり恥ずかしい感じ。驚いたのは入浴中に猿が後ろを通り過ぎていったこと。さすがに猿と混浴はなかったが、こんなハプニングは地獄谷温泉だけだろう。

地獄谷温泉後楽館
源泉/地獄谷温泉(ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩温泉)
住所/長野県下高井郡山ノ内町平穏6818 [地図
電話/0269-33-4376
交通/渋温泉街より約2km、地獄谷有料駐車場より徒歩約10分
     上記は冬期通行止となるため、上林温泉より徒歩約30分
料金/大人500円、子供250円
時間/12:00〜15:00