土湯温泉街土湯温泉といえば福島県内で指折りの温泉地。福島市西部に位置し、聖徳太子が開湯伝説にまつわるなど歴史は古い。また、日本三大こけしの産地としても有名だ。温泉街の中心を荒川が流れ、大小のホテルや旅館が林立する。日帰り入浴を受け付けているところも多い。共同浴場は「中の湯」1軒のみで、午前中と夕方以降の営業だ。ほかに足湯が4ヶ所。ゴールデンウィークとあって、多くの観光客でごった返していた。

サンスカイつちゆ(福島市土湯温泉町)そんなわけで、温泉街の東側の高台にある「サンスカイつちゆ」を訪れることにした。福島市観光開発(株)が運営する施設だが、もとは雇用・能力開発機構が所有していた福島建設労働者研修福祉センター。会議室や研修室を備えた施設で、土湯の自然を紹介する「自然ふれあいセンター」を併設している。そして、またの名を「こけし湯」といい、日帰り温泉としても営業しているのだ。穴場施設かな?とも思ったが、ここもやはり多くの客が詰め掛けていた。外観や館内はいかにも公共施設の雰囲気で、この日は和室と円卓の会議室が休憩室として開放されていた。こけし湯の名の通り、陳列ケースにはたくさんのこけしが飾られている。

脱衣所には棚と籠、洗面台のみ。貴重品は廊下にあるロッカー(100円返却式)にしまう。浴室はカラン5つと2帖大の湯船が1つあるのみで、定員オーバーなのは明らかだった。シャンプーやボディソープの備え付けはないが、フロントで購入することもできる。お湯は無色透明だが、大勢の客がつかっているため若干にごった感じもする。しかし脱衣所の貼り紙には湯の花とあるから、そう信じたい。源泉はかなり高温なので、同時にホースでは水も加えている。室内は床のみタイル張りだが、壁や天井、湯船は板張りなので、年季が入ったふうにも見える。掛け流しであることも魅力の1つだと言える。曇りガラスなので景色はよく見えないが、山なみの方を向いている。窓を開ければさぞかし開放的だろう。しかし、この低料金で開放していること自体ありがたいことで、それ以上を望むのは贅沢なのかも。ふらっと立ち寄れる気軽さが、この施設のいちばんの魅力であることは間違いない。

サンスカイつちゆパンフレット

サンスカイつちゆ
源泉/土湯温泉(単純温泉)
住所/福島市土湯温泉町字赤坂7-6 [地図
電話/024-595-2612
交通/JR東北本線福島駅東口よりバス38分「土湯温泉入口」停徒歩10分
     東北自動車道福島西ICより国道115号線で約12km
     ※無料駐車場70台分あり
料金/大人250円、小人120円(1歳〜12歳未満)
時間/9:00〜20:00
     年末年始(12月29日〜1月3日)のほか、臨時休業日あり

土湯温泉観光協会



土湯温泉「中の湯」共同浴場「中の湯」
温泉街の中ほど、荒川大橋のたもとにある
現地に駐車場はないので、観光協会前駐車場の利用を
料金/大人200円、小人100円(1歳〜12歳未満)
時間/7:00〜11:00、17:00〜20:00、毎週火曜日定休