いつも旅行するときはほとんど無計画なのだが、いちばん悩むのは宿のことだ。健康ランドがあればよいが、やむなく道の駅などで車中泊することも多い。季節によっては寒かったり暑かったりするし、ゴールデンウィークの道の駅などは早く行かないと駐車場の空きがない、なんてこともある。福島県の旅では2日連続で車中泊だったが、深夜は寒くてたまらなかった。そこで思いついたのが、ネットカフェの存在である。翌日の移動のことを考えて、県の中心地である郡山市へと移動し、郊外店のマンガ喫茶を訪れることにした。「10時間パック」で1,300円、ゴロ寝できる小部屋(といってもパネルで仕切っただけだが)もあり、もちろんネットで情報収集もできる。あえて郊外店としたのは駐車場が無料だから。なんと素晴らしいことか。これからも旅行の際には大いに活用したいと思う。ちなみに利用したのはサイベックス郡山店。全国にチェーン展開しているようだけど、神奈川県内には1店舗もなく、いちばん近いのは中野サンプラザ店だった…。

並木温泉ゆの郷(郡山市並木)さて、マンガ喫茶の近所に「並木温泉ゆの郷」という日帰り温泉施設を見つけた。郡山市では郊外型の温泉施設が増えているようだが、ゆの郷はそのなかでも比較的早い時期のオープンではなかろうか。体育館を思わせるドーム型の外観に派手さはなく、食事処のほかに大広間や個室の休憩室を備えた館内は、大衆的というか気取らない雰囲気というか…。

並木温泉ゆの郷(郡山市並木)フロントにて下足箱の鍵と脱衣所ロッカーの鍵を引き換える。ロッカーはひと昔前の業務用。浴室は内風呂のみ。右手に10個のカランが横一列に並び、左手には2つの立ちシャワー、3帖ほどのサウナ、地下水を使用した水風呂、そして8帖ほどの湯船が1つ。ジャグジーなどの設備は一切なく、雰囲気的にはホテルや公共施設の大浴場に似た感じだ。外には木が2〜3本植えられているが、換気が悪くなるから窓を開けてはいけない、との注意書き。無色透明の源泉は37.5℃のため加温し、塩素消毒、循環かけ流しの併用で、大量のお湯が湯船からあふれている。お風呂に入ることを純粋な目的として訪れたなら満足だろうが、スーパー銭湯のイメージを持って訪れると若干物足りないかもしれない。

市内には競合施設が多数あるにもかかわらず、こちらでも多くの客を呼び込んでいたのは、常連率が高いためだろうと推測する。町の銭湯、ひいては社交場としての役割を担っているのかな、と。いまどき公式サイトがないこと自体も珍しいが、宣伝媒体として必要ないのかもしれないし。ただし、郡山市民のみならず、旅行や出張で訪れる人にもじゅうぶん使い勝手のある施設であることは記しておきたい。市内中心部、かつ幹線道路にもほど近いという立地は、福島県内の交通の要衝である郡山市にあって大きな魅力であるのだ。

並木温泉ゆの郷パンフレット

並木温泉ゆの郷
源泉/並木温泉(ナトリウム−硫酸塩・塩化物泉)
住所/郡山市並木3-5-14 [地図
電話/024-991-1126
交通/JR東北本線郡山駅よりバス「朝日3丁目」停徒歩2分
     国道4号線「若菜町」交差点、国道4号線あさか野バイパス「上亀田」交差点
     国道49号線「桑野3丁目」交差点より、それぞれうねめ通り(軍用道路)へ
料金/大人500円、子供250円(3歳〜小学生)
時間/8:00〜22:00、毎週水曜日定休(祝日を除く)

郡山へ行こう「郡山のいで湯-市街地」(郡山市観光協会)

(訂正-2012/8/15)
営業時間ですが5:00〜24:00、毎月第2水曜日定休
→現在は8:00〜22:00、毎週水曜日(祝日を除く)に変更となったようです。
源住泰さんのブログ「*小さな旅日記-in sta izumichuo-*」
並木温泉ゆの郷 (福島県郡山市並木) のページにて教えていただきました。