旅は哲学ソクラテス

興味があるのは風呂屋めぐりとベイスターズです。それ以外のことにはあまり興味がありません。
日帰り温泉・スーパー銭湯・町の銭湯・共同浴場・サウナ・健康ランド・野湯など守備範囲は広めです。
行動範囲は神奈川を中心とした1都3県と静岡、山梨です。

七沢温泉郷

かぶと湯温泉山水楼(厚木市七沢)

かぶと湯温泉山水楼かぶと湯温泉山水楼は広沢寺温泉と同じく東丹沢七沢温泉郷に属する一軒宿で、七沢温泉街の北方に位置する。県道の看板を目印に狭い道を300mほど入って行く。途中の分岐点を真っ直ぐ下ったところが駐車場で、5〜6台分のスペースしかなく、いつ訪れても満車。玄関前にも1〜2台は駐車できそうだが、転回できそうもない。なので何度も諦めていたのだが、今回16時頃に訪れてみるとほかに客はおらず、独占して入浴することができた。

かぶと湯温泉山水楼ひとことで言えば、山あいの一軒宿。パンフレットには昭和30年頃の写真が掲載されているが、変わったのは建物が平屋から2階建になったことくらい。館主いわく「開発の波から逃げ隠れているようなヒナビタ山あいにございます」。玄関では鹿の剥製が出迎えてくれるが、この近所で鹿に出くわすなんて珍しいことではないのかもしれない。ロビーには民芸品や鎧兜が置かれ、周囲の環境はおろか、館内も昭和から時が止まっているかのような雰囲気だ。

かぶと湯温泉山水楼案内されて浴室へ。棚に籠が9つ並んだだけの小さな脱衣所だったが、浴室もまた小さくて、カランが左右に2つずつと奥に湯船が1つ。定員4人といったところか。その右手に露天風呂があり、こちらは足を伸ばすならば定員2人。無色透明で源泉は循環や塩素消毒なしの完全かけ流し。パンフレットによるとpH10.6の強アルカリ泉とのことで、入った瞬間に感じるヌルっとした肌ざわりとその後のツルツル感。泉温17.4℃のため加温しているが、やや温めなので長湯もOK。露天風呂は緑の雑木林に間近に面し、真下には沢が流れている。手付かずの山の景色を堪能できる温泉だ。

かぶと湯温泉山水楼かぶと湯温泉山水楼

かぶと湯温泉は大正12年の関東大震災のときに、かぶとの形をした岩のふもとから湧き出したのだという。その岩は畳2帖敷きくらいの大きさで、この一帯を村人達は「かぶと岩の田んぼ」と呼んでいたのだとか。これがかぶと湯の名の由来であり、自然湧出したという源泉は、脱衣所の分析書にも掘削深度5.44mとある。大規模掘削の温泉施設が多いなか、かぶと湯のような温泉はとても貴重である。

かぶと湯温泉山水楼
源泉/かぶと湯温泉(温泉法の温泉)
住所/厚木市七沢2062 [地図]
電話/046-248-0025
交通/小田急線本厚木駅(厚木バスセンター)または伊勢原駅北口よりバス約30分
     「七沢」停徒歩5分
     伊勢原市街より県道64号線(伊勢原津久井線)。県道より約300m
料金/大人1,000円、子供500円
時間/日帰り入浴は11:00〜17:00、火曜日は休み

七沢荘(厚木市七沢)

七沢荘七沢荘は七沢温泉の中でもわりと名の知れた旅館。玄関先には源泉がタダで持ち帰れるようになっているが、さりげなくて知る人ぞ知るといった感じ。ちなみに20リットルまで。それより気になるのは、「なんだこの石氣源石(重男)」「なんだこの水波動水(典子)」というプレートのついた石。土台の上に鎮座している。なんだ?と聞きたくなるのはこっちのほうで、重男・典子っていったい誰なんだろうか?

七沢荘の宇宙エネルギー・パワーボックス玄関を入ると番頭さんが出迎えてくれる。日帰り入浴で利用できるのは露天風呂と隣接する内風呂。館内のいちばん奥にあり、その途中には「宇宙エネルギー・パワーボックス」なる不思議なボックスがある。利用料は30分2,000円とのことで、とても謎めいている。館内からいったん外に出ると足湯があって、テーブルと自販機が並んでいる。そこが休憩所。そして向かいに露天風呂の入口がある。

脱衣所の入口を開けるとすぐ目の前には露天風呂。脱衣所といっても棚が並んでいて屋根が付いているだけの簡単なつくり。ちなみに脱衣所は2ヶ所に分かれていて、どちらも同じつくりなのだが、その先にほかの風呂があると勘違いして裸のまま出て行く客もいた。普通は勘違いしないし、せめて服を着ていくけど。そんな人が何人もいるということが不思議だ。

七沢荘の露天風呂湯船は岩風呂が3つとゆるい勾配の寝湯があり、ぬるいお湯から熱いお湯まで段階的になっている。大小の岩を適当に並べたようなつくりで、石灯籠があったりして和風庭園のような感じ。緑がたくさんあるのもいいが、景色は竹垣で遮られていて、立ち上がっても山の稜線しか見えないのがちょっと残念。源泉はpH9.54を誇る高アルカリ泉なので、肌が膜が張ったようなすべすべ感とヌルヌル感がある。とくにぬるいお湯につかるとそれを実感できる。ローションのような化粧水のような感じ。カランは数ヶ所に分かれて設置してあり、源泉を使用している。

七沢荘の露天風呂2さて、ここの源泉は平成元年より3年の歳月をかけて地下300mより掘削したとのことで、「全国名湯100選・美肌の湯ベスト9」に選ばれたとのこと。露天風呂は循環式だが、貸切風呂(1人1,500円)は源泉かけ流し。

さて、謎の氣源石であるが、“21世紀のビックリ現象”とのことで、「源泉から出る癒しの波動(響き)を小石に転写することに成功!!」(パンフレットより)とある。「四万十川の小石に源泉のお湯、丹沢の山々で取れた薬草、土、そして多くの人が病から少しでも開放されて欲しいという願いを転写して、大きな鍋に入れ、ゼロ磁場で、炭火の優しい炎で何昼夜も煮、炊き上げることに成功しました」(ホームページより)。というわけで、かの「重男」というのは七沢荘の社長であり、縄文気功の実践者なのである。そして「典子」というのは女将であるようだ。氣源石や縄文気功など詳しいことはホームページを見てほしいのだが、館内には七沢荘を訪れた人の感謝の手紙が数多く張り出されており、なんだか有名な宿であるらしい。純粋に温泉だけを目当てに訪れた人には、さっぱり意味がわからないのだが。非常に奥深いのだが、日帰り入浴も広く受け付けているので、一度訪れてみる価値はある。

七沢荘(厚木市七沢)七沢荘(厚木市七沢)七沢荘(厚木市七沢)
七沢荘(厚木市七沢)七沢荘(厚木市七沢)七沢荘(厚木市七沢)
七沢荘(厚木市七沢)

敷地内には元気の広場という広大な庭がある。以下はその説明文。
「この一帯は表丹沢から流れ出るおいしい水と波動の高い温泉が湧き出るところです。緑あふれる山々の「気」と円型におかれた巨石の「リングストーン」に注ぎ込まれる宇宙エネルギー。この場所を訪れる皆様の愛と優しい心によってゼロ磁場を形成しております。磁場気が高くマイナスイオンがとても多く気持ちの良い元気の出る広場です。どうぞ時間を忘れ何も考えずに気楽におくつろぎください。ありがとうございます」

七沢荘
源泉/七沢温泉(単純温泉)
住所/厚木市七沢1826 [地図]
電話/046-248-0236
交通/小田急線本厚木駅よりバス「七沢城跡」停徒歩3分
     伊勢原市街地より県道64号線(伊勢原津久井線)で七沢温泉方面
料金/大人1,000円、小学生700円、幼児500円
時間/8:00〜21:00

(2011/02/11追記)
昨年夏に館内を明るくきれいにリニューアルしています。
営業時間を修正しました。

広沢寺温泉玉翠楼(厚木市七沢)

広沢寺温泉玉翠楼厚木市内には温泉場がいくつか点在しているのだが、広沢寺温泉もその1つ。七沢温泉にほど近く、曹洞宗広沢寺の門前にある一軒宿だ。駐車場はバスの転回所と敷地を共有しており、バスを降りたら目の前が旅館。交通便は良さそうに感じるが、バスは1日に平日2本、休日4本という少なさ。大通り(伊勢原津久井線)の「広沢寺温泉入口」停だとバスの便数も多いので、そこから七沢川に沿って歩いて訪れるのが賢明。

広沢寺温泉玉翠楼の中庭雰囲気のある和風旅館。平日の昼時なのに駐車場には常に3〜4台停まっていて、みんな日帰り入浴で訪れている。入浴料は1,000円だが、次回は半額となるサービス券をくれるのでリピーターは多いのかもしれない。宿泊を目的とする旅館に温泉だけ入らせてもらうというのはどうも恐縮してしまうのだが、ここなら気軽に立ち寄れる。軽食や昼食プランもあり、名物の猪鍋や川魚を味わうことができる。

広沢寺温泉玉翠楼の露天風呂(不動の湯)日帰り温泉の客が利用できるのは露天風呂のみ。日本庭園の中庭を通って男湯は「不動の湯」(渓流岩風呂)、女湯は「弁天の湯」(漆塗総檜風呂)。引き戸を開けるといきなり露天風呂。その脇に小さな脱衣所がある。丹沢の渓流をイメージしたという風呂は、木々に囲まれ野趣溢れる雰囲気。ゆったりとしていてとてもリラックスできるのだが、唯一の難点はカーポートみたいな屋根がせり出していること。

お湯はこの地域特有の強アルカリ性で、pH値は10.3(pH7が中性)。石鹸水と同じような値なので、美肌効果を実感できる。「美男風呂」と書いてあるのはそのため。

館内には旅行番組などで訪れた芸能人のサイン色紙が飾ってあるのだが、山奥の一軒宿にしては数多い。そのなかには横浜ベイスターズのコーチ陣の色紙もあった。彼らも渋いところで忘年会をするのだなぁと思うとほほえましい。

広沢寺温泉玉翠楼
源泉/広沢寺温泉(単純温泉)
住所/厚木市七沢2607 [地図
電話/046-248-0011
交通/小田急線本厚木駅(バスセンター)からバス39分・「広沢寺温泉」停下車すぐ
     小田急線本厚木駅(バスセンター)からバス25分「広沢寺温泉入口」停徒歩14分
     小田急線伊勢原駅北口からバス26分「広沢寺温泉入口」停徒歩14分
     県道64号線(伊勢原津久井線)で黄金井酒造を通過。中沢橋で左折し約1km。
料金/(日帰り入浴:1時間)大人1,000円、小学生700円、幼児500円
     (日帰り入浴+休憩:2時間)大人1,500円、小学生1,000円、幼児700円
時間/(平日)11:00〜16:00
     (休日)11:00〜17:00、年中無休
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