南武線の登戸以北はあまり乗ったことがないが、車窓からの景色は実にのどかなものだった。沿線は宅地化されているが、停車駅ごとの駅前風景に賑やかさはなく、初めて降りる南多摩駅にいたっては駅前にコンビニが1軒あるのみ。いきなり住宅地というありさまで、駅自体が最近新設されたのかと思いきや、南武線開業時からの古い歴史を持つというから驚いた。この辺りは高架化の工事が進められている真っ最中だから、完成の暁には駅舎もリニューアルされることだろう。
稲城天然温泉 季乃彩(ときのいろどり)は南多摩駅より徒歩5分。区画整理地内にあって、市立中央図書館は道をはさんで向かい側。大型無料駐車場を完備した典型的なスーパー銭湯だが、松を配した門構えからしてセンスの良さが感じられる。傾斜地に建っているため、見た目の規模はかなり大きい。フロントで下足箱の鍵とリストバンドを引き換え、館内奥の階段より2階の浴室へ。そこまでの間には左手に食事処、右手にマッサージがある。
そして2階に上がると、オープンスペースにはリクライニングシートが並び、その奥にはごろ寝できる休憩室。廊下を行くと男女脱衣所があって、さらに行くと岩盤浴エリアとなるが、その手前にもリクライニングシートの休憩室がある。無料休憩スペースは80席とのこと。平日の夕方は3割ほどしか埋まっておらず、充足感ありすぎだったが、きっと休日には混み合うことだろう。日がな一日過ごす客が多いに違いない。ちなみに岩盤浴は「四季の石癒(いやし)」と銘打って、春(黄土)・夏(熔岩)・秋(麦飯)・冬(涼み)の4室がある。
さて、肝心の浴室だが、内風呂はバラエティーに富んでおり、メインはゆったりとした広さを持つ温泉浴槽(循環式)。以下、井戸水循環式の人工炭酸泉、寝湯や座湯のジャグジーと電気風呂、水風呂。最近は炭酸泉の人気がすっかり定着しており、こちらでも空くタイミングを見計らう必要あり。もうちょっと湯船が広かったら…という気も。サウナはドライ式とスチーム式(薬草を蒸した塩サウナ)の2つ。後者はスチームサウナにありがちな息苦しさがなく、快適な温度で楽しめたが、前者はいたって普通のタワーサウナ。
露天風呂のメインといえば2つ並んだ岩風呂で、1つは源泉かけ流し、もう1つは循環式。ほかに檜風呂、寝ころび湯、井戸水を使用した石釜風呂が3つ。檜風呂は湯船の縁にだけ檜をあしらったもので、加水かつ循環式。となれば源泉かけ流しの岩風呂に人気が集中しがちだが、意外と均等に客が分散しているから不思議。ゆったりとお湯につかりたいという心理か。源泉は地下1,700mから湧出し、ほんのり琥珀色の湯。泉温41.4℃、湧出量は毎分355リットル。個性は弱いが、優しい肌ざわりを実感できる。
ところで、ここは「TVチャンピオン」の東京日帰り温泉&人気スパ王選手権(2004年)で優勝した内田茂樹氏(楽久屋)が手掛けた施設。土台にあるのはスーパー銭湯の合理的な空間設計だが、利用客の楽しみや期待をふんだんに盛り込んでいる。休憩スペースや露天風呂にいたっては余分すぎると感じたが、都内の温浴施設においては贅沢な話。なによりも光るのは、手頃な入館料と電車や車でのアクセスのしやすさ。遠方からでもわざわざ訪れる価値はじゅうぶんにある。
稲城天然温泉季乃彩
源泉/稲城天然温泉(ナトリウム−炭酸水素塩・塩化物泉)
住所/東京都稲城市向陽台6-13 [地図]
電話/042-370-2614
交通/JR南武線南多摩駅より徒歩5分
京王相模原線稲城駅よりバス7分「城山公園」停下車すぐ
川崎街道(都道41号線)南多摩駅交差点より約300m
※無料駐車場198台分あり
料金/(平日)大人700円、小人400円
(休日)大人900円、小人600円
岩盤浴は別途500円(12歳以上)
※小人は12歳未満
時間/9:00〜25:00
3・6・9・12月の第3火曜日休館予定
稲城天然温泉 季乃彩(ときのいろどり)は南多摩駅より徒歩5分。区画整理地内にあって、市立中央図書館は道をはさんで向かい側。大型無料駐車場を完備した典型的なスーパー銭湯だが、松を配した門構えからしてセンスの良さが感じられる。傾斜地に建っているため、見た目の規模はかなり大きい。フロントで下足箱の鍵とリストバンドを引き換え、館内奥の階段より2階の浴室へ。そこまでの間には左手に食事処、右手にマッサージがある。
そして2階に上がると、オープンスペースにはリクライニングシートが並び、その奥にはごろ寝できる休憩室。廊下を行くと男女脱衣所があって、さらに行くと岩盤浴エリアとなるが、その手前にもリクライニングシートの休憩室がある。無料休憩スペースは80席とのこと。平日の夕方は3割ほどしか埋まっておらず、充足感ありすぎだったが、きっと休日には混み合うことだろう。日がな一日過ごす客が多いに違いない。ちなみに岩盤浴は「四季の石癒(いやし)」と銘打って、春(黄土)・夏(熔岩)・秋(麦飯)・冬(涼み)の4室がある。
さて、肝心の浴室だが、内風呂はバラエティーに富んでおり、メインはゆったりとした広さを持つ温泉浴槽(循環式)。以下、井戸水循環式の人工炭酸泉、寝湯や座湯のジャグジーと電気風呂、水風呂。最近は炭酸泉の人気がすっかり定着しており、こちらでも空くタイミングを見計らう必要あり。もうちょっと湯船が広かったら…という気も。サウナはドライ式とスチーム式(薬草を蒸した塩サウナ)の2つ。後者はスチームサウナにありがちな息苦しさがなく、快適な温度で楽しめたが、前者はいたって普通のタワーサウナ。
露天風呂のメインといえば2つ並んだ岩風呂で、1つは源泉かけ流し、もう1つは循環式。ほかに檜風呂、寝ころび湯、井戸水を使用した石釜風呂が3つ。檜風呂は湯船の縁にだけ檜をあしらったもので、加水かつ循環式。となれば源泉かけ流しの岩風呂に人気が集中しがちだが、意外と均等に客が分散しているから不思議。ゆったりとお湯につかりたいという心理か。源泉は地下1,700mから湧出し、ほんのり琥珀色の湯。泉温41.4℃、湧出量は毎分355リットル。個性は弱いが、優しい肌ざわりを実感できる。
ところで、ここは「TVチャンピオン」の東京日帰り温泉&人気スパ王選手権(2004年)で優勝した内田茂樹氏(楽久屋)が手掛けた施設。土台にあるのはスーパー銭湯の合理的な空間設計だが、利用客の楽しみや期待をふんだんに盛り込んでいる。休憩スペースや露天風呂にいたっては余分すぎると感じたが、都内の温浴施設においては贅沢な話。なによりも光るのは、手頃な入館料と電車や車でのアクセスのしやすさ。遠方からでもわざわざ訪れる価値はじゅうぶんにある。
稲城天然温泉季乃彩
源泉/稲城天然温泉(ナトリウム−炭酸水素塩・塩化物泉)
住所/東京都稲城市向陽台6-13 [地図]
電話/042-370-2614
交通/JR南武線南多摩駅より徒歩5分
京王相模原線稲城駅よりバス7分「城山公園」停下車すぐ
川崎街道(都道41号線)南多摩駅交差点より約300m
※無料駐車場198台分あり
料金/(平日)大人700円、小人400円
(休日)大人900円、小人600円
岩盤浴は別途500円(12歳以上)
※小人は12歳未満
時間/9:00〜25:00
3・6・9・12月の第3火曜日休館予定