喜多の湯(東京都清瀬市元町)7月を待たずに梅雨明けするとは最速記録らしいが、酷暑の夏は準備を待たずにやって来た。こうなると湯船やサウナよりも、頭の中はただ一つ、水風呂のことだけ。清瀬市の喜多の湯では井戸水を軟水化して使用、水風呂では井戸水原水かけ流しだという。最近では水にこだわる銭湯も多く、設備投資に頭は下がるが、それも最新銭湯ではなく、昔ながらの宮造りという意外性。浴室は毎週土曜日に男女が入れ替わり、炭酸泉、絹の湯のどちらかが楽しめる。

昭和40年代に市内7軒あった銭湯も、現在3軒を残すのみ。そのなかでも、喜多の湯は昭和35年創業だが、よく手入れされており、とにかく綺麗の一言に尽きる。番台から改装されたフロントでは、まず下足箱の鍵を預ける。そして、ロッカーの鍵と(今回はサウナも利用するので)引っ掛け鍵とバスタオルを受け取る。

訪ねた日は男湯に絹の湯。マイクロバブルのいわゆるシルク風呂だ。ほかにジャグジーや電気風呂の湯船もあって、見上げれば中島盛夫師によって描かれたペンキ絵。テーマは清瀬から眺めた富士山。別料金のサウナは終始貸切で、ベンチ2段に最大8人のこじんまり感。遠赤ヒーターで温度計は91℃を指す。室内にはJ-WAVEが流れており、サウナで聴くラジオもなかなか良いなと。

そして、これまたこじんまりとした水風呂は19℃とごく一般的だが、井戸水かけ流し×常時吐水でほどよい冷たさ。こちらも他に利用者がおらず、ひとりじっくりと堪能。真夏はいつまでも水風呂に浸かっていたい。

喜多の湯
住所/東京都清瀬市元町1-7-7 [地図]
電話/042-493-0123
交通/西武池袋線清瀬駅北口より徒歩4分
     ※無料駐車場10台分あり
料金/大人460円、中人180円、小人80円
     サウナ料金込み700円
時間/15:30〜22:00、毎週金曜日と毎月第3木曜日定休

(追記-2019/6/3)
設備老朽化により5月30日をもって閉店。