瀬戸大橋スパリゾート(倉敷市)倉敷市街地より瀬戸大橋を渡る手前の児島地区に「瀬戸大橋スパリゾート」はある。
駅からは約30分ほどの国道430号線沿いで、ゆるやかな坂道を上っていく。西側の視線の先には水島の臨海工業地帯がまぶしく光り、操業中のコンビナートが白い煙を上げている。瀬戸大橋スパリゾートはそんな景色を見下ろす高台に、ぽつんと建っている。10階建てのホテルに併設した健康ランドだが、その外観はシンプルで、健康ランドの大衆的な雰囲気を感じさせない。観光客はもとより、出張などのビジネス客も割合的に多いのかもしれない。

瀬戸大橋スパリゾート(倉敷市)瀬戸大橋スパリゾート(倉敷市)

フロントで入館料を支払い、下足箱の鍵と脱衣所ロッカーの鍵を引き換える。その先に左右に分かれて男湯と女湯があり、館内着やバスタオル、フェイスタオルは脱衣所入口でもらう。フロントと脱衣所の間にはテーブルと椅子の休憩スペースがわずかにあるが、このご時世では分煙にしたほうが良いのでは?と思う。喫煙者が言うのもおかしな話だが、換気が悪くてフロア全体がタバコくさい。

浴室に入るとまず円形の大きな湯船。4等分で区切られ、それぞれ深さが異なる。そのうちの1つは後ろに大きく広がっており、身体を半分浸して寝転ぶためのヒノキベッドが設置されている。この円形風呂を中心として、左手には八角形のジャグジー風呂、小さな岩風呂、打たせ湯、そして15mの温水プールがある。右手には円形のバイブラ湯、薬湯、ラドン湯、歩行浴、露天風呂がある。浴室自体は広くもなく狭くもなく、湯船の数は多くもなく少なくもなくといった感じ。湯船ごとにお湯の温度が違うとか日替わり湯のような趣向があると良いのだが。

とくに印象的だった湯船として、まずは薬湯。漢方延寿薬湯という名前で、10数種の薬草に西洋のハーブをブレンドしているという。黄土色に濁っており、、薬湯独特のにおいはあまりしないが、2度3度お湯に浸かると皮膚の薄い部分がヒリヒリと熱くなる。歩行浴は底に玉砂利が敷き詰められており、1周10m足らずだったと思うが、足ツボを刺激して意外と気持ちがいい。3〜4周すると内臓や頭部の血行促進に効果があるという。露天風呂は岩風呂と円形バイブラ湯が1つずつ。植栽と灯籠など日本庭園風だが、あくまで雰囲気のみ。塀が高くて囲まれた感じがする。

サウナは3種類。高温サウナ、塩サウナ、ミスト岩盤浴。とくに岩盤浴は別途料金の施設が多いなか、無料である点がすばらしい。室内には5人分のスペースがあり、温められた麦飯石の上にバスタオルを敷いて寝転ぶ。じんわりと汗をかくことができる。脱衣所までバスタオルを取りに戻るのが面倒だが、バスタオルなしだと熱くて我慢できず。室内に常備したりといった改善はできないものか。とはいえ試してみる価値はある。

食事は3階に和食、2階に洋食の店がある。しかし和食は21:30、洋食は22:30と店じまいは早く(たまたまなのか?)、選択の余地なく洋食レストランに入ったのだが、メニューは少ないし、値段はちょっと高めだし。何とかならないものかと思う。娯楽施設としてはマンガコーナー、カラオケ、ゲームコーナー、卓球、ビリヤードなどがあり、退屈はしないはず。休憩スペースは2階。テレビコーナーにはリクライニングチェアが並び、前方に各局の番組が放送されている。そのわきには畳コーナーもあり、これらは0時消灯。ほかにマットが並んだ男女別の仮眠室がある。いざとなれば併設のホテルもあるので寝る場所には困らないはずだ。

というわけで、こうして書いてみると改善してほしい点もいくつかあるが、コテコテの健康ランドにはなってほしくないなぁと思う。あくまでもスパリゾートの雰囲気で。瀬戸大橋は見えないし、スパといっても温泉ではないのだが。

瀬戸大橋スパリゾート
住所/倉敷市児島塩生3777 [地図
電話/086-475-1126
交通/JR倉敷駅よりバス約35分「宇頭間」停下車
     JR児島駅よりバス約15分「金浜」停下車
     ※倉敷駅などから無料送迎バスあり
     倉敷市街地より国道429〜430号線で児島方面へ
     瀬戸中央自動車道水島ICより車で12分
料金/大人2,200円、小人1,100円(3歳〜小学生)
     深夜追加料金1,050円(1:00〜5:00)
     ※ホームページに割引券あり
時間/24時間

瀬戸大橋スパリゾートパンフレット

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