旅は哲学ソクラテス

興味があるのは風呂屋めぐりとベイスターズです。それ以外のことにはあまり興味がありません。
日帰り温泉・スーパー銭湯・町の銭湯・共同浴場・サウナ・健康ランド・野湯など守備範囲は広めです。
行動範囲は神奈川を中心とした1都3県と静岡、山梨です。

沖縄県

日の出湯(沖縄県那覇市泉崎) ※2014/5/14廃業

日の出湯(沖縄県那覇市泉崎)沖縄県では最盛期の60年代には離島を含めて300軒以上の銭湯があったというが、現在残っているのは沖縄市の「中乃湯」と、那覇市の「旭湯」「日の出湯」の3軒のみ。このうち旭湯は、県道拡幅のため今年5月に閉店するのだという。全国的に町の銭湯は減少の一途をたどっているが、沖縄県はさらに厳しい状況にある。うちなーの「ゆーふるやー(銭湯)」を知ることは、沖縄の庶民の生活を知ることでもある。皆さんの沖縄観光にも「銭湯」を加えてみませんか?ということで、那覇市泉崎の「日の出湯」へ。

日の出湯(沖縄県那覇市泉崎)那覇随一の繁華街「国際通り」から南へ10分程度の場所にあり、観光客にとっても利便性は高い。住宅街の一画にあって、3階建の1階部分で銭湯を営んでいる。建物のつくりこそ沖縄っぽいし、暖簾も出していないが、見た感じは本土の銭湯と何ら変わりはない。引き戸を開けるとその正面に番台風のフロントがあって、孫娘だろうか、若い女性が出迎えてくれた。番台というと普通は半畳ほどの狭い空間だが、日の出湯は1帖程度あり、女性は膝を伸ばしてテレビを観ていた。まさに自宅で寛ぐような格好で。

男湯と女湯は左右に分かれ、暖簾をくぐると脱衣所、そして仕切りもなく浴室へと続いている。境目にはわずかに段差があるだけ。温泉場の共同浴場ではこうしたつくりもよくあるが、銭湯では珍しい。気候が温暖だから、あえて仕切る必要がないようだ。壁の一面に四角いロッカーを設けているが、鍵が壊れているどころか、扉が外れている箇所も。玄関先に下足箱がないなぁと思って、たたきに脱ぎっぱなしにしてしまったが、実は脱衣所内に設けている。洗面用具を置く棚も兼ねているようだ。

浴室の真ん中に小さな湯船があって、カランは奥の壁に3つと側壁に5つ。奥のほうを使ったが、蛇口の位置は床から1mほどの高さにあって使いづらいことこの上ない。蛇口の印でお湯と水を判別するのが普通だが、ここではタイルに直接「湯」「水」と書いてある。蛇口から出てくるお湯の量は少なく、そしてぬるい。いっそのこと湯船から汲み出して洗い流そうかと思ったが、誰もそうしていないのでやめておいた。側壁はもっと高い位置に蛇口を設けていて、蛇口のすぐ下には丸型のボウルがある。そこには栓がなく、お湯と水の蛇口を両方ひねって混ぜ合わせたら、床に置いた桶に流れ落ちるという仕組み。立ったり屈んだりしなければならないが、このつくりは日の出湯に限ったことではなく、いわば沖縄スタイルということらしい。

湯船は2帖ほどの大きさで、隅を切った八角形。黄緑色の入浴剤が入っている。お湯はかなりぬるめで、ひょっとしたら40℃を下回っているのでは?と思う。温暖な沖縄だからこそ、かもしれない。日頃の熱いお湯に慣れちゃっていると物足りないし、長湯でごまかそうとも思うけど、小さな湯船は4人が精一杯。平日の昼間だが5〜6人の客が訪れていたので、他人の動向に気を遣いつつ…。湯船に注ぐためのパイプ管が2本設えてあるが、1本は水、もう1本はお湯。さすがにぬりと思ったのか、おじさんが勝手に蛇口をひねって足し湯。「水で埋める」というのは関東でよくある光景だが、まったく逆の光景だ。パイプが錆びていたり、タイルが茶色く変色したりとくたびれているが、このローカルな風情が味わえるのも町の銭湯ならでは。

風呂から上がると、今度は「おばぁ」が番台に座っていた。日の出湯は50年以上続いているという。「地元の人は少ないねぇ。みんなシャワーさー」。観光客も時おり訪れるそうだが、それは銭湯マニアに限ったことではなく、やはり立地の良さが客を惹き付ける理由だろう。ホテルのユニットバスで作業的にシャワーを浴びるよりも、銭湯でのんびり過ごすほうが疲れも癒されるはず。旅の思い出にもなるだろう。

日の出湯
住所/沖縄県那覇市泉崎2-11-2 [地図
電話/098-832-0204
交通/ゆいレール県庁前駅より徒歩10分
料金/大人350円、中学生250円、幼児100円
時間/15:00〜21:00、毎週日曜日・木曜日定休



沖縄県内のそのほかの銭湯(2011/2/22現在)

旭湯
住所/沖縄県那覇市樋川1-27-9 [地図
時間/15:00〜21:30、毎週水・木・日定休
 ※道路拡張のため今年5月に閉店予定(正式な時期未定)
  ⇒2011/5/31に廃業しました。

中乃湯
住所/沖縄県沖縄市安慶田1 [地図
時間/15:00〜21:30、毎週日曜日定休

(追記-2014/6/30)
日の出湯は2014/5/14をもって廃業しました。
『那覇最後の銭湯「日の出湯」 60年の歴史に幕』(琉球新報)

むら咲むら [銭湯ゆーふる](沖縄県読谷村字高志保)

むら咲むらむら咲むら
むら咲むらむら咲むら
むら咲むらむら咲むら
むら咲むらむら咲むら
むら咲むらむら咲むら
むら咲むらむら咲むら

「むら咲むら」は読谷村にある体験型テーマパーク。15,000坪の広大な敷地は、1993年に放送されたNHK大河ドラマ「琉球の風 DRAGON SPIRIT」で使用されたオープンセットで、14〜15世紀頃の琉球王国の城下町を再現したのだという。漆喰シーサーづくりやトンボ玉づくりなど「32の工房・101の体験アイテム」があり、また昨年夏にはホテルもオープンした。



[銭湯ゆーふる]

個人的に見逃せなかったのは「銭湯」の看板だった。銭湯といえば普通は「町の銭湯」を連想するが、そうでないことは明らか。なにより「ここまで来て風呂に入るのか!」という気もするが、見つけてしまったからには入らないわけにはいかない。「体験型」テーマパークであるのだから。

むら咲むら(銭湯ゆーふる)「銭湯ゆーふる」はホテルに隣接した体験館の中にある。むら咲むらの営業時間は18時までだが、それ以降はホテル側の第2ゲートのみ開放となる。店頭に準天然温泉の看板を掲げているが、それは「トゴール・ウォームタイト」という風化鉱物を使用した「トゴールの湯」を提供しているためだ。製造元のトゴール研究所のホームページによれば、砕石状の製品をお湯に溶かし込むことで天然温泉に近い泉質・効果が得られるとしている。いわば人工温泉というわけだ。

むら咲むら(銭湯ゆ〜ふる)体験館は2階にガラス工芸、1階に銭湯ゆーふる。ホールの正面では、琉球衣装に身を包んだ若い女性が写真撮影中。いきなりの光景に驚いたが、フロントで入浴料金を支払って浴室へ。昼間から工芸体験もせず風呂だけ入る客も珍しかろうが、先客として親子連れ、あとからおじさん数人もやってきた。奥さん子供を待っている間にひとっ風呂、という活用法もあるのかもしれない。

むら咲むら(銭湯ゆーふる)浴室には10コほどのカランと、大小の湯船が並んでいる。このうち3つ並んだ小さな湯船は、ジャグジーとバイブラ湯で、スカイブルーに色づいていた。大きな湯船は無色透明で、2つの四角形を組み合わせた形をしているが、温度も深さも変わらない。全体的にお湯はぬるめ。沖縄は冬でも暖かいとはいえ、ちょっと物足りない温度ではある。円形の露天風呂もあるのだが、冬は休止中とのことで、湯船は空っぽ。北国では雪見の露天風呂があるというのに、沖縄ではなぜ休止するのか…。入浴に対する発想や文化の違いだろうか。

窓の外には沖縄らしく朱色に塗られた塀が立ち、南国の木々を眺める。観光施設なのだから室内外の装飾や音楽などで、もっと沖縄らしさを演出しても良いと思うのだが…。

むら咲むら
住所/沖縄県中頭郡読谷村字高志保1020-1 [地図
電話/098-958-1111
交通/国道58号線「伊良皆」交差点より県道6号線。ホテル日航アリビラ手前
料金/入場:大人500円、中高生400円、小学生300円、幼児無料
     銭湯ゆーふる:大人500円、小人300円
時間/体験9:00〜18:00(最終受付17:00)
     銭湯ゆーふる:平日12:00〜22:00、休日10:00〜22:00
     年中無休

読谷村観光協会
e-pon(むら咲むら)

リザンシーパークホテル谷茶ベイ [スパエルパティオ](沖縄県恩納村字谷茶)

リザンシーパーク谷茶ベイリザンシーパーク谷茶ベイ
リザンシーパーク谷茶ベイリザンシーパーク谷茶ベイ
リザンシーパーク谷茶ベイリザンシーパーク谷茶ベイ

沖縄本島の中部、恩納村の海岸線沿いには国道58号線が走り、ビーチリゾートの大型ホテルが点在している。今回宿泊したのは谷茶(たんちゃ)地区にある「リザンシーパークホテル谷茶ベイ」で、800mのビーチに面して建ち、沖縄県最大の客室数(558室)を誇るという。リザンというのは沖縄王朝尚家時代の名官「謝名親方利山」に由来するそうだが、詳細はこちらで。8階のスタンダードルームだったが、広さはゆったり30㎡。ワイドスパンのベランダつき。窓越しに東シナ海の絶景を一望する。

リザンシーパーク谷茶ベイリザンシーパーク谷茶ベイ
リザンシーパーク谷茶ベイリザンシーパーク谷茶ベイ
リザンシーパーク谷茶ベイリザンシーパーク谷茶ベイ

館内には7ヶ所のレストラン、6ヶ所のショップ、インドアプール、エステなどが充実。ホールでは琉球舞踊とエイサーが毎晩2回公演で行われている。「遊花」という女性2人組による迫力のライブだ。

リザンシーパーク谷茶ベイリザンシーパーク谷茶ベイ
リザンシーパーク谷茶ベイリザンシーパーク谷茶ベイ



[スパエルパティオ]

さて、このブログでは「サウナ付き展望風呂 スパエルパティオ」をご紹介しないわけにはいかないだろう。フロント階の通路を、屋内・屋外のプールを横に見ながらどんどん先へ。別棟として建っている。ホテルの宿泊客からも料金を徴収するのはいかがなものかと思うが、そうでもしないと混みあってしまうと考えているのだろうか。宿泊客以外の利用も可能だが、よそに入口を設けているわけではなく、特別な宣伝をしているわけでもなさそうだし、絶対的な割合としては皆無に等しいのではないだろうか。沖縄に温浴施設そのものが少ないとはいえ、またリゾートホテルの付属施設だとはいえ、一般利用料金大人1,500円は強気な設定だと言わざるを得ない。

リザンシーパーク谷茶ベイホテルの館内では部屋のタオルを小脇に抱えて浴衣姿でうろうろするおばちゃんをよく見かけたが、そもそも浴衣で出歩いちゃダメだし、タオルはスパの受付で貸し出している。料金は現金払いでもいいし、部屋番号でチェックアウト時に精算してもいい。

浴室はゆとりのある空間設計で、半円と曲線のカーブを描いた2つの湯船、水風呂、10コのカラン、高温ドライサウナと中温ミストサウナがある。露天風呂を冬季閉鎖する理由がわからないが、浴室からもガラス越しに海岸を間近に一望できる。二面採光のもう一方の窓の外には緑があって室内はとても明るい。湯船には黄土色のタイルを使用しているが、軽石のような質感は沖縄原産なのだろうか。木目の勾配天井とあいまって、心地いい雰囲気だ。

半円に曲線を組み合わせた大きな湯船は「展望風呂」、もう1つの半円形の湯船は「癒し湯」というコンセプトだ。季節によって替えているようだが、いまの時期はラベンダー湯。紫色の入浴剤だった。ホテルの施設だからか、沖縄県民の好みなのか、お湯はぬるめ。景色を堪能したくて朝風呂にしたのだが、朝食のことを考えるとあまりゆっくりもしていられない。夕方もあと1時間早ければなぁという気がする。

ひと言でまとめれば、リゾートホテルは大浴場もリゾート仕様。ホテルでのんびりしている時点で、じゅうぶん贅沢な時間を過ごしていることになるが、そこにきて部屋のバスタブじゃつまらない。お湯につかりながら海辺の景色を眺めたい。もはや自然な発想だと言えるだろう。

リザンシーパークホテル谷茶ベイ
住所/沖縄県国頭郡恩納村字谷茶1496 [地図
電話/098-964-6611
交通/沖縄自動車道石川ICより国道58号線へ
     那覇空港よりリムジンバスで約80分

スパエルパティオ
料金/宿泊者特別料金
     (10月〜6月)大人600円、小人300円、幼児無料
     ( 7月〜9月)大人800円、小人500円、幼児無料
     一般利用者料金
      大人1,500円、小人1,000円、幼児500円
     ※小人は小学生、幼児は3歳〜6歳
時間/朝風呂6:00〜9:30
     夕風呂17:00〜24:00
     ※毎週水曜日は点検のため朝風呂はクローズ


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神奈川県の銭湯料金
神奈川県の銭湯の料金は下記の通りです。
・大人470円(12歳以上)
・中人200円(6歳以上12歳未満)
・小人100円(6歳未満)
銭湯にはタオル、ボディソープ、シャンプーを持参して行きましょう!

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