あづま湯(逗子市沼間)逗子市は三浦半島西側の付け根の町で、近接する横須賀線逗子駅と京急新逗子駅では、一体となって賑やかな繁華街を形成している。そこから県道24号線で東へと進むと、これまた賑やかな国道16号線や京急田浦駅へと出る。その中間に東逗子駅はあり、マルエツのほかに個人商店がちらほら点在するだけの、のんびりとした駅前風景。駅から3分ほどのところにあるあづま湯は逗子市唯一の銭湯で、民家が集合する一画に位置する。

町の銭湯というと意外と無機質な外観だったりもするが、あづま湯は店舗正面をきれいに改装しており、そこだけ見ると銭湯とは思えないほどの感じのよさ。大きく取った窓からはロビーの様子がうかがえるが、ゆったりとした空間と明るい雰囲気からは、喫茶店のような印象すら受ける。下足箱わきの券売機で入浴券を購入し、中に入る。ロビーでは風呂上りの客がテレビを見て寛いでいた。フロントをはさんで左右に男湯、女湯の暖簾がかかっている。脱衣所は左右にロッカーがあり、ベンチ、体重計、洗面台、コイン式洗濯機1台といたって普通な感じ。

浴室にはカランが6、5-5、6の配列。中央の島はシャワーなし。ほかに立ちシャワーが左右に2ヶ所。湯船は浴室の奥に大小2つある。大きい方は何の設備のない2帖ほどの湯船にプラスして、パイプで仕切って底が深い座湯ジャグジー。もう一方の小さな湯船はイベント湯で、この日は黄緑色の「はちみつプロポリス」。世間にはいったい何種類の入浴剤が存在するのか知らないが、この入浴剤は初体験。激しいバイブラ湯でもあるせいか、お湯につかっていると甘いにおいが鼻先に漂う。ぬるめだったこともあり、心地よい入浴感が得られた。もしほかの入浴剤、しかもごく一般的なものだったりしたら、あづま湯自体が一般的な銭湯だったという印象しか残らなかっただろう。たかが入浴剤と言うなかれ。入浴剤ひとつで気分も違ってくるのだ。

あづま湯(神奈川県浴場組合)

あづま湯
住所/逗子市沼間1-19-11 [地図
電話/046-871-3929
交通/JR横須賀線東逗子駅より徒歩3分
     県道24号線「沼間1丁目」交差点より約50m
     ※駐車場7台分あり
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/15:30〜22:30、毎週木曜日定休