旅は哲学ソクラテス

興味があるのは風呂屋めぐりとベイスターズです。それ以外のことにはあまり興味がありません。
日帰り温泉・スーパー銭湯・町の銭湯・共同浴場・サウナ・健康ランド・野湯など守備範囲は広めです。
行動範囲は神奈川を中心とした1都3県と静岡、山梨です。

秋田県

孫六温泉(秋田県仙北市田沢湖)

孫六温泉(秋田県仙北市)乳頭温泉郷にある7ヶ所の温泉のうち、いちばん奥に位置するのが孫六温泉である。黒湯温泉の上段にある駐車場より山道を300mほど下っていくと、先達川のほとりに見えてくる。数棟ある建物は真っ黒の板張りが印象的で、いずれも飾り気のない簡素なつくり。旅館部と自炊部から成り、すぐ裏手には雑木林の山が迫っている。「清流と深山にいだかれた人情の宿」とは言い得て妙だろう。「つげ義春の温泉」に昭和51年の写真が載っているが、その当時は秘境中の秘境で、むしろうらぶれた佇まい。いまでは先達川が護岸工事されて味気なくも感じるが、秘境らしさは失っていない。

孫六温泉(秋田県仙北市)孫六温泉(秋田県仙北市)孫六温泉(秋田県仙北市)

孫六温泉の浴室は「唐子の湯(内湯)」「石の湯(内湯+露天風呂)」。受付には「お風呂場の略図」が貼ってあるが、別の貼り紙にある「お風呂の位置は全部まわれ右して左下側です」のほうがわかりやすい。要するに川に面した側に2つの浴室はある。屋根に湯気抜きが設けられ、まさに湯小屋といった感じの建物だ。

唐子の湯も石の湯も浴室内の壁は板張りだが、床はコンクリートを打っただけ。湯船に湛えられた温泉は、ほぼ無色透明で、わずかに白い湯の花が舞っている。しかしその成分によって床は緑や茶に変色し、素っ気ない浴室に味わいを添えている。薄暗い室内にはまぶしいくらいの日が射しこみ、陰影が鄙びた雰囲気をより一層濃くしている。湯船の底には「腰掛けるために使え」ということなのだろうか、重り石やコンクリートブロックが沈んでいる。きれいに並んでいるとは言えない感じが、なんとも微笑ましい。

孫六温泉(秋田県仙北市)孫六温泉(秋田県仙北市)孫六温泉(秋田県仙北市)

唐子の湯は男女別浴で内湯のみ。石の湯は混浴で内湯と露天風呂が3ヶ所(うち1ヶ所は女性専用)がある。内湯の鄙びた湯治場風情から一転、露天風呂は石組みで開放感のある湯船だ。巨岩がごろごろと転がる先達川の流れに面し、雪解けで水量を増しているせいか、轟音が間近に聞こえる。また、孫六温泉自体が谷間にあるため、周囲の山も近くに迫り、のどかな景色を演出している。内湯に比べてお湯はぬるめなので、長湯を楽しむ客も多い。孫六温泉のお湯は、その泉質と効能から「山の薬湯」と呼ばれているそうだ。内湯にじっくりとつかって療養するのも良し、露天風呂で気分をリフレッシュするも良し。乳頭温泉郷で秘湯らしさを求めるなら、孫六温泉を訪ねてみると良いだろう。

乳頭温泉組合

孫六温泉
源泉/孫六温泉(単純温泉・単純硫化水素泉)
住所/秋田県仙北市田沢湖田沢先達沢国有林 [地図
電話/0187-46-2224
交通/JR秋田新幹線よりバス約55分「乳頭温泉郷」停徒歩10分
料金/大人500円、小人250円
時間/7:00〜17:00

つげ義春の温泉つげ義春の温泉
著者:つげ 義春
販売元:カタログハウス
発売日:2003-01
おすすめ度:3.5
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黒湯温泉(秋田県仙北市田沢湖)

黒湯温泉(秋田県仙北市)7ヶ所の温泉から成る乳頭温泉郷で、鶴の湯温泉に次いで古いのが黒湯温泉だ。人気の面でも鶴の湯に次ぐが、山あいの静かな湯治場風情を求めるなら、むしろ黒湯を訪れたほうがいい。駐車場よりスロープを下りていくと、茅葺き屋根の自炊部など数棟の建物が見える。肩を寄せ合うようにしてひっそりと建つ光景は、まるで「まんが日本昔ばなし」の世界だ。

黒湯温泉(秋田県仙北市)事務所にて入浴料を支払う。黒湯温泉の敷地は建物の背後にも広がり、事務所の裏側に混浴の「上の湯」、事務所を背にして80mほど下っていくと、男女別浴の「下の湯」がある。いずれも内湯と露天風呂、打たせ湯を備えている。

まずは下の湯から入浴することにした。荒れた岩場のあちこりから湯煙が上がり、さらには湯だまりもあった。都市部なら観光の呼び物して整備するところだが、ここでは自然のままの姿をさらしている。先ほどまでのひっそりとした谷間の風景とのギャップに驚くばかり。そして、青みがかった乳白色のお湯に、期待感はおのずと高まってくる。下の湯はこじんまりとした内湯のほかに露天風呂。もとは女性用の浴室のみ露天風呂が設けられていたが、昨年男性用の浴室にも完成した。湯につかりながら景色を見渡すと、のどかな山の風景にぽつんと1軒、茅葺き屋根の建物(離れ・1泊3万円)が見える。素晴らしき田舎の風景!の一言だが、離れからこちら側を見下ろしたらどんな気分だろうか? 素晴らしき田舎の湯治場!の一言だろうなぁ。

黒湯温泉(秋田県仙北市)黒湯温泉(秋田県仙北市)
黒湯温泉(秋田県仙北市)黒湯温泉(秋田県仙北市)

次は混浴の上の湯へ。内湯は薄暗くてひなびた風情だが、それと対照的に露天風呂は明るく開放感がある。下の湯と同じく、荒涼とした岩場が広がり、遠くに雪山の尾根を見渡す。遠くから木樋で源泉を引いているようだが、湯船への給湯は止まっていた。ぬるくて長湯にはもってこいだと思ったが、どうやら湯の花で樋が詰まっていたらしい。作業に当たっていた番頭さんによると「最近は湯の花の量が多くて、四苦八苦している」とのこと。なるほどお湯の中にも多量の湯の花が舞い、手で掬えるくらいに沈殿している。黒湯温泉でいちばん温泉度が濃い感じがした。

やがて熱めの源泉がちょろちょろと流れてきた。後日、テレビの旅行番組でこの番頭さんを拝見したが、どうやら黒湯温泉には欠かせない存在であるらしい。東北人の朴訥とした人柄と温和な表情が印象的だ。そんな番頭さんのお気に入りスポットといえば、乳頭山の登山道そばにある一本松温泉。乳頭温泉郷の数にもカウントされていない、ただの湯だまりにして、まさに秘湯の趣。お湯にこだわりが人一倍強い番頭さんが選ぶのだから間違えがない。とにかく番頭さんの印象ばかりが強く残った温泉だった。

乳頭温泉組合

黒湯温泉
源泉/黒湯温泉(単純硫化水素泉・酸性硫黄泉)
住所/秋田県仙北市田沢湖田沢生保内字黒湯沢2-1 [地図
電話/0187-46-2214
交通/JR秋田新幹線田沢湖駅よりバス約55分
     「休暇村」または「乳頭温泉郷」停から各徒歩約20分
料金/大人500円、小学生250円
時間/7:00〜18:00、4月中旬〜11月上旬

鶴の湯温泉(秋田県仙北市田沢湖)

鶴の湯温泉(秋田県仙北市)乳頭温泉郷は田沢湖の北東、乳頭山の西麓に点在する温泉の総称で、最寄りの田沢湖駅から約1時間の距離にあるにもかかわらず、多くの入浴客が訪れる日本を代表する温泉地だ。鶴の湯温泉、大釜温泉、妙乃湯温泉、蟹場温泉、孫六温泉、黒湯温泉、休暇村田沢湖高原という7つの一軒宿から成り、それぞれが独自の源泉を持っている。その泉質は異なり、10種類以上になるという。ブナの原生林に囲まれ、緑豊かなロケーションだ。乳頭温泉郷の由来となった乳頭山は、女性の乳房に似た形だからその名が付いたのだとか。それも戦前のことだというから、たいして古い話ではない。ちなみに乳頭温泉郷でもっとも古い開湯は、鶴の湯温泉の江戸時代だとされている。

田沢湖方面から県道127号線で乳頭温泉郷を目指すと、数軒のホテルが建ち並ぶ田沢湖高原温泉(Yahoo!トラベル)を通過する。そこから約3kmの地点が、鶴の湯温泉へと至る道路の入口。途中に水芭蕉の群生地を2ヶ所。見頃は4月下旬から。その後は高原の林道といった雰囲気の道路をひらすら走るが、このあたりは標高800mだという。途中で別館「山の宿」(日帰り入浴不可)を通過し、しばらくすると鶴の湯温泉が見えてくる。

乳頭水ばしょう群生地乳頭水ばしょう群生地乳頭水ばしょう群生地
乳頭水ばしょう群生地乳頭水ばしょう群生地乳頭水ばしょう群生地

乳頭温泉郷でいちばんの人気を誇る鶴の湯温泉は、休日だと9時の時点で日帰り客が行列を作っているという。それならばと8時頃に到着したが、すでに客がちらほら。しかし早すぎたので、茶屋でトーストを食べて一服していたら、だんだんと客が列を作り始めていた。慌てて列に加わるも、すでに50人以上が並んでいた。入浴開始時の10時には列をさばくため、事務所の前にテーブルを出して入浴料を徴収。同時に、ある程度の人数で入浴制限を行っていた。なるほど、噂どおりの賑わいぶりだ。

鶴の湯温泉(秋田県仙北市)敷地内には黒塗りの建物が数棟建ち並んでいる。茅葺き屋根が立派な本陣と呼ばれる建物は築350年になるといい、秋田藩主の佐竹義隆が湯治に訪れた際には警護の士が詰めていたという。ほかの建物もまた味わい深く、全体としてひなびた雰囲気を演出している。これらの建物から湯の沢を隔てた向こう側に、白湯や黒湯といった湯小屋、鶴の湯などの露天風呂がある。

まずは湯の沢を渡ったらすぐの白湯、黒湯へ。この2つは隣どうしにあり、浴室内で行き来できる。どちらも小さな湯船が1つあるだけで、白湯がやや熱めなのに対し、黒湯はややぬるめ。温泉の成分が湯船のふちに堆積し、黒や緑に変色。ひなびた風情をより一層醸し出している。白湯、黒湯とは言うけれど、どちらもお湯は乳白色。しかし天気の悪い日は、黒湯のお湯が多少黒っぽく見えるのだという。ちなみに鶴の湯温泉では4つの源泉があり、いずれも乳白色をしているが、これらは泉質や温度が異なる。そしてこれらは、半径50m以内に湧出するというから驚きだ。

鶴の湯温泉(秋田県仙北市)鶴の湯温泉(秋田県仙北市)鶴の湯温泉(秋田県仙北市)

混浴露天風呂である鶴の湯のわきを通って、今度は中の湯へ。それぞれに脱衣所があるものの、腰にタオルを巻き、裸で移動する人も多い。しかし女性の目を考えるとこの行動はどうなのか?と考えさせられる。混雑していることもあって、脱衣所の床ははびしょ濡れだし。小さな湯船1つの浴室を通って、露天風呂の鶴の湯へ。

鶴の湯温泉といえばこの露天風呂。山の斜面を背後に控え、ぐるりと緑の大自然が取り囲む。雪景色の写真でも有名だ。お湯は青白く、日差しが反射してまぶしい。お湯は足元から湧出し、また一角に設けられた滝の湯(打たせ湯)からもかなりの勢いで注がれている。底には玉石が敷き詰められており、足裏に心地よい。湯船の規模は広大で、濁り湯であるため女性でも入浴しやすいと思ったが、実際には大勢の眼差しに圧倒されるそうだ。写真撮影をするマナーの悪い客もおり、このあたりが有名になりすぎた温泉の弊害か。しかし鶴の湯は女性思いの温泉だ。女性専用の露天風呂として別に2ヶ所が設けられている。

鶴の湯温泉(秋田県仙北市)鶴の湯温泉(秋田県仙北市)鶴の湯温泉(秋田県仙北市)

帰りに別館「山の宿」に立ち寄り、名物料理の山の芋鍋を食べた。写真の通り、出てきたものは山で採れたものばかりで、素材の旨味を堪能することができた。こうした食事と温泉を繰り返していたら、きっと心身ともに健康になれるだろうな、と思う。

乳頭温泉組合
日本秘湯を守る会(鶴の湯温泉)

鶴の湯温泉
源泉/鶴の湯温泉
     (白湯:含硫黄−ナトリウム・カルシウム−塩化物・炭酸水素泉)
     (黒湯:ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉)
     (中の湯:含重曹食塩硫化水素泉(旧泉質名))
     (滝の湯:含硫黄−ナトリウム−塩化物・炭酸水素泉)
住所/秋田県仙北市田沢湖田沢先達沢国有林50 [地図
電話/0187-46-2139
交通/JR秋田新幹線田沢湖駅よりバス40分「アルパこまくさ」から送迎あり(予約制)
料金/大人500円、小人300円
時間/10:00〜15:00、月曜日は清掃日のため日帰り入浴は内湯のみ

「湯の色じゃない 名の由来 乳頭温泉郷」(朝日マリオン・コム)
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神奈川県の銭湯の料金は下記の通りです。
・大人470円(12歳以上)
・中人200円(6歳以上12歳未満)
・小人100円(6歳未満)
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