旅は哲学ソクラテス

興味があるのは風呂屋めぐりとベイスターズです。それ以外のことにはあまり興味がありません。
日帰り温泉・スーパー銭湯・町の銭湯・共同浴場・サウナ・健康ランド・野湯など守備範囲は広めです。
行動範囲は神奈川を中心とした1都3県と静岡、山梨です。

徳島県

日帰り温泉・スーパー銭湯のオープン&閉店情報(首都圏)
* 海辺の湯 久里浜店(横須賀市久里浜) -2017/1/11オープン
* Gensen Cafe(湯河原町) -2017/2/24オープン
* 西武秩父駅前温泉 祭の湯(埼玉県秩父市) -2017/4/24オープン
* 花湯スパリゾート(埼玉県熊谷市) -2017/4/27オープン
* ひだまりの泉 萩の湯(東京都台東区) -2017/5/29リニューアルオープン
* 湯けむり天然秘湯 龍泉の湯(千葉県成田市) -2017/6/1オープン
* 桜湯(山梨県昭和町) -2017/6/7オープン
* センチュリオンホテル&スパ 上野駅前(東京都台東区) -2017/7/7オープン
* サウナつかさ新城(川崎市中原区) -2017/7/20閉店
* スパニュージャパン(横浜市中区) -2017/8/31閉店予定

ホテルかずら橋(徳島県三好市西祖谷山村)

かずら橋かずら橋祖谷といえば「かずら橋」である。平家の落人が追っ手を逃れるため、いつでも切り落とせるようにと「かずら」で作ったもので、祖谷川の流れより14mの高さに、長さ45m、幅2mの橋が架けられている。かつては渓谷一帯の唯一の交通施設であったという。国の重要有形民俗文化財に指定されているほか、大月市の猿橋や岩国市の錦帯橋(ほか諸説あり)と並んで「三大奇橋」と呼ばれている。(写真は大歩危・祖谷観光NAVIより)

この橋を目当てに祖谷を訪れたのに、3年ごとの架け替え工事が始まったところだった(1/5〜2/10。現在は工事完了)。観光閑散期に加えて工事の影響だと思うが、かずら橋周辺の車通りはまばら。工事の件は祖谷に向かう途中、道路の電光標識で知ったのだが、はっきり言って情報の数と内容が少なすぎる。温泉で満足させてもらわなければ、まったくの無駄足である。

かずら橋周辺には数軒のホテルと旅館があるが、今回訪れたのは「ホテルかずら橋」。新祖谷温泉の宿だが、日帰り入浴も受け付けている。こちらの売りはケーブルカーで上がった先にある露天風呂。それでいて入浴料は「祖谷秘境の湯」と同じく大人1,000円だというのだから、コストパフォーマンスの差は歴然としている。

ホテルかずら橋(徳島県三好市)ホテルかずら橋(徳島県三好市)ホテルかずら橋(徳島県三好市)
ホテルかずら橋(徳島県三好市)ホテルかずら橋(徳島県三好市)ホテルかずら橋(徳島県三好市)

館内の廊下を突っ切ったところにケーブルカー乗り場がある。車体と屋根を木の板で覆った和風仕様で、乗車定員10名。座席はなく、たとえるなら一般的なエレベーターほどの広さ。運転ボタンを自分で押し、出発進行。40度ほどの勾配をぐんぐん上っていく。あっという間に5階建てのホテルの屋根を越し、祖谷を取り囲む山々の尾根を真正面に眺める高さに。わずか1〜2分の乗車だが貴重な体験だ。

ホテルかずら橋(徳島県三好市)ホテルかずら橋(徳島県三好市)ホテルかずら橋(徳島県三好市)

到着したところには「半兵衛の家」という休憩所がある。茅葺きの古民家を模した建物で、座敷の囲炉裏に火がくべられている。煤けた障子を通して差し込んでくる陽射しとわずかな灯りによって、室内は薄ぼんやりとしたオレンジ色に染まっていた。季節柄、軒には干し柿が吊るされ、素朴で質素な田舎風情を見事に演出している。裏手に回ると、せり出したデッキに足湯が設けられていた。見晴らしは最高。しかし、もっと素晴らしいのは露天風呂からの眺める景色だ。

ホテルかずら橋(徳島県三好市)ホテルかずら橋(徳島県三好市)「天空露天風呂」と名づけられた風呂は、山の斜面ギリギリに岩風呂が接している。正面に祖谷の山々を一望し、実に開放的。一面に緑が広がる以外には、人工物は何もない。標高はかなり高く、天空の名のとおり広々とした空も間近に感じられる。岩風呂のほかに信楽焼の陶器風呂が2つ並んでおり、うち1つは温めの設定。ホテルかずら橋(徳島県三好市)長湯を楽しめる。岩風呂と同じく、お湯は信楽焼の狸が持った壷から絶えず注がれており、なんともユーモラス。植栽もよく手入れされており、好感が持てる。露天風呂は男性の「雲海の湯」、女性の「樹海の湯」のほか、混浴の「筍の湯」もある。こちらは背後に山の斜面が迫り、丸太のまま柱と梁を組んだ屋根が湯船全体を覆う。開放感でやや劣るが、混浴露天風呂は貴重だし、カップルや夫婦はきっと楽しめるはず。肝心の泉質は硫黄泉とのことだが、一般的にイメージする白濁や鼻をつく匂いなどはなく、無色透明でお湯自体に特徴はないかも。泉温17.9℃のため加温しており、循環かけ流し。(写真左・中は「雲海の湯」。右は「筍の湯」)

ホテルかずら橋(徳島県三好市)館内の大浴場も利用可能。大きな湯船に加え、ジャグジーや打たせ湯、サウナの設備がある。露天風呂に満足度が高かったぶん、どこにでもある観光ホテルの風情でやや興ざめな気もするが、あえて入浴しないという選択肢もあり。そもそも入浴料1,000円で温泉と景色を堪能させてもらい、ケーブルカーの付加価値がつけば、もうこれでじゅうぶん。四国といえば松山市の道後温泉くらいしか浮かばず、実際に温泉資源が乏しい地であるが、ホテルかずら橋の存在はもっと注目されてしかるべきだと思う。

ホテルかずら橋
源泉/新祖谷温泉(単純硫黄泉)
住所/徳島県三好市西祖谷山村善徳32 [地図
電話/0883-87-2171
交通/JR土讃線大歩危駅よりバス18分「ホテルかずら橋前」停下車
料金/大人1,000円、子供500円
時間/10:00〜16:00

秘湯ロマン(テレビ朝日)
大歩危・祖谷観光NAVI(三好市観光サイト)

祖谷秘境の湯(徳島県三好市西祖谷山村)

祖谷秘境の湯(徳島県三好市)祖谷秘境の湯(徳島県三好市)祖谷秘境の湯(徳島県三好市)

大歩危へと至る国道32号線、そして大歩危から祖谷かずら橋方面へと至る県道45号線で、やたらと目に付くのは「秘境の湯」という看板だ。自ら秘境と名乗るその温泉は道の駅にしいやに近接し、田舎道に似つかわしくない無駄に大きなゲートが客を迎える。進入路のスロープをあがると、そこには高層のホテルが建っていた。手前と山の斜面の奥にもう1棟。こんなに宿泊客が訪れたらもはや秘境ではないのであって、しかも山を切り崩して造る必要があったのか。周囲の景観とまったく調和が取れていないではないか。がっかりして帰ろうかと思ったが、温泉に入れば多少印象も変わるかもしれない。三角屋根の温泉施設棟を訪れた。

日帰り温泉施設でありながらホテルの大浴場も兼ねており、館内はゆったりとしている。2階にはレストラン、ギャラリー、休憩室を完備しているが、これらの充実ぶりは団体客利用を想定しているのだろうか。浴室は男女各198名入浴可とのことで、アバウトに200名じゃダメなのか?そもそもこの数字の根拠は?など疑問点を挙げればキリがない。

メインとなる全長10mほどの大きな湯船は、その内部にジャグジー、バイブラ、寝湯コーナーを設けている。源泉は湯温19.2℃の鉱泉で、フッ素とメタホウ酸が温泉法の基準を満たしているようだ。無色透明のクセのないお湯だが、こんなに湯船が大きくては温泉のありがたみがない。もう1つある湯船はヨモギの薬湯だったが、こちらのほうが満足度が高いのだから矛盾している。塩素臭が気にならなかったことが唯一の救いか。浴室内にはほかに打たせ湯、ボディシャワー、塩サウナがある。

祖谷秘境の湯(徳島県三好市)浴室から数段下ると露天風呂がある。岩風呂風のつくりで、阿波の青石を組み合わせているという。背後に祖谷の山々が迫り、紅葉の時期なら雰囲気がよさそうだ。山の下を見下ろすと、祖谷ふれあい公園、そして山すそには住宅地が広がっている。塀があって直接景色を眺めることができないし、それ以前に秘境というほどの景色ではないのが残念だ。世間では岐阜白川郷、徳島祖谷、宮崎椎葉村が「三大秘境」と言われているらしいが、交通便の解消によって秘境も過去の話になりつつある。(写真は駐車場から撮ったものだが、露天風呂からも同じような景色を眺めることができる)

「祖谷秘境の湯竣工記念碑」
 この温泉は、昭和63年4月四国県民の夢であった瀬戸大橋が開通し、本州と四国が陸続きとなり、高速道路時代を迎えた。これを機に、年間50万人の観光客が日本三大奇橋「祖谷のかずら橋」を訪れるようになり、観光立村を最重要施策として、通過型から滞在型温泉地への飛躍を目途に、平成元年10月ふるさと創生事業により温泉開発に着手し、平成3年3月温泉井(祖谷川左岸、総事業費85,000千円、掘削長1035m)の掘削に成功した。この資源を有効活用すべく、平成7年2月地権者の絶大な理解とご協力により村民の健康増進と観光拠点となる温泉施設「祖谷秘境の湯」の建設に着手、2年余の歳月をかけ、平成9年3月施工した。
 さらに徳島県知事のご高配を賜り主要地方道西祖谷山山城線の改良と進入路及び駐車場を県営の「道の駅」事業で整備され、周辺環境の整備も充実することができた。
 ここに関係各位に対し永く深甚の敬意と感謝を意を捧げるために記念碑を建立するものである。
平成9年4月吉日 西祖谷村長 尾茂光男

敷地内には上記の石碑が建っていた。これに付け加えると、「ホテル秘境の湯」のオープンは平成12年5月のことであり、旧西祖谷山村がほとんどを出資した第3セクター会社が運営に携わっている。バブル景気のピーク時に温泉掘削を開始し、景気悪化に逆行するようにして入浴施設、ホテルを完成させているが、果たして収支は成り立っているのだろうか。訪れたのが1月初旬の閑散期、しかも平日昼間とはいえ、198名が入浴できるはずの浴室にたった3名とは寂しすぎる。三好市の方々には余計なお世話だが、「ハコモノ行政…」と思わずにはいられない。

祖谷秘境の湯
源泉/祖谷渓温泉(単純温泉)
住所/徳島県三好市西祖谷山村尾井ノ内391 [地図
電話/0883-87-2800
交通/JR土讃線大歩危駅よりバス「秘境の湯」下車
     国道32号線「大歩危橋」より県道45号線で約15分
     ※無料駐車場120台分あり
料金/大人1,000円、子供500円(小学生)
時間/10:00〜21:00、毎週火曜日(祝日の場合は翌日)と1月1日定休

三好市観光サイト-大歩危・祖谷観光NAVI

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