おんり〜ゆ〜(南足柄市)「おんり〜ゆ〜」は南足柄市にある唯一の温泉施設で、平成19年11月20日にオープンした。南足柄市らしからぬ洒落た雰囲気と強気の料金設定にはちょっと躊躇したが、夕方18時以降なら少しだけ料金が安くなることを知り、オープン半年たってようやく訪れることにした。

おんり〜ゆ〜(南足柄市)交通の基点となる大雄山駅から道了尊最乗寺方面を目指していくが、駅から5分も経たないうちに周囲は立派な森林の景色。さすが神奈川県の端っこに近いだけのことはある。小さな看板を目印にして道了尊方面と枝分かれし、しばらく走ったところにある。平成18年まで「どんぐりの家(旧足柄青年の家)」というキャンプ場があったところで、森を背景にして平屋の建物が建っている。ゆるやかな傾斜地に建ち、森に面してガラス張り。デッキでも寛げるようになっており、さらには森を散策することもできる。タウンニュースによると「樹齢50〜80年のクヌギ、ケヤキの大木の樹林地」だというから、本当の自然が体感できる。館内は勾配天井で明るく開放感があり、なにより洒落ている。東京や横浜など都会の人に人気があるのも頷ける。

おんり〜ゆ〜(南足柄市)会員になると入館料が大人1,500円、子供750円になる。入会金不要・期限なしだという。普段なら遠慮するのだが、入館した瞬間の印象で「また来るかも」と思い、会員登録することにした。同時にフロントで館内の説明を受けるが、一度聞いただけではよくわからない。ちなみに時間制限はなく、しかも入退館は自由。といっても道了尊くらいしか周囲にはないのだが。

浴室は別棟にあり、「番台」という名のカウンターで作務衣・バスタオル・フェイスタオルを受け取る(18時以降の入館だと作務衣なし)。番台のある建物の2階に女性ロッカー・脱衣所・浴室があり、そして男性のロッカー室のみがある。男性はこのロッカー室で作務衣に着替えたり、下駄に履き替えたり、貴重品を保管したりする(館内の飲食には財布が必要だが)。男性の浴室はさらに別棟にあって、渡り廊下を通っていく。

横一列にカランが並び、湯船が2つ、そして小さなサウナと水風呂がある。湯船のうちの1つは40℃ほどだが、もう1つは38℃ほど。「ぬるいお湯に30分ほどつかってください」といったことが書かれている。よっぽどの長湯派でないと30分はつらいと思うが、気持ちよくて意外とあっという間に時間が経ってしまう。ぬるめの湯船のほうが小さいのだが、どうしても客が集中するので逆にしたほうがいいと思う。

露天風呂はぐるりと木々に囲まれている。むしろ森のなかに湯船があるのだ。頭上も緑で覆われている。そんな中に岩風呂調の湯船が2つある。内風呂と同様、1つは40℃ほどで、もう1つは38℃ほど。ちなみに女性の浴室は「木舟」、男性の浴室は「沢舟」という名前。文字通り沢が露天風呂のすぐ下を流れている。いまどきの繁盛店はジャズを流しているというが、女性の露天風呂でもジャズが流れているらしい。だけど男性の露天風呂では沢を流れる水の音と風になびいて揺れる木々の音のみが聞こえてくる。この露天風呂は神奈川県のベスト5といっても過言ではない。素晴らしいロケーションだ。

おんりーゆーパンフレット

源泉は地下1,500mから湧出。無色透明で、白く小さく泡だっているところがあるが、これは硫黄の成分なのだという。細部までこだわりのある施設なので、源泉かけ流しだと高く評価できるのだが、循環式・塩素消毒であるのは仕方がないのか。

おんり〜ゆ〜(南足柄市)風呂上りはごろ寝スペースへ。枕が高いような気がするけど、なかなか落ち着く空間だ。無料で利用できるスペースといえば「三昧講座」(無料ワークショップ)。禅と瞑想、写経、ヨガ、ストレッチといったプログラムを日中1時間おきに開催している。予約制であるらしい。温泉、健康、リラックスは互いにリンクする要素でもあるが、実践的な講座を無料で開催していること自体がすばらしい。東京の施設だったら間違いなく金を取っていることだろう。

おんり〜ゆ〜(南足柄市)食事はレストランにておばんざいバイキング。地場野菜を中心とした自然食メニューで1,500円也。ほかに喫茶店やエステ、ドッグハウスといった設備もある。宿泊も始めたようだ。

といったわけで、温泉に入るだけではもったいない。はるばる南足柄まで行くのだから、これらの施設や森の景色を満喫してほしいと思う。それだけの価値はある。


おんり〜ゆ〜
源泉/南足柄温泉(単純硫黄泉)
住所/南足柄市広町1520-1 [地図]
電話/0465-72-1126
交通/大雄山線大雄山駅よりバス8分「おんり〜ゆ〜」停下車
     大雄山駅より県道723号線
     ※無料駐車場120台分あり
料金/大人1,800円、子供900円(小学生)
     18時以降の入館:大人1,200円、子供600円
時間/10:00〜22:00(1日滞在型・入退館自由)
     毎月第1・3木曜日定休


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おんりーゆー・おんり〜ゆ〜のオープンを伝える記事
 (タウンニュース秦野版より)