旅は哲学ソクラテス

興味があるのは風呂屋めぐりとベイスターズです。それ以外のことにはあまり興味がありません。
日帰り温泉・スーパー銭湯・町の銭湯・共同浴場・サウナ・健康ランド・野湯など守備範囲は広めです。
行動範囲は神奈川を中心とした1都3県と静岡、山梨です。

博多〜釜山2007/8

柳川の川下り

柳川の川くだり-船頭さん柳川市は福岡県南部に位置し、福岡(天神)駅から西鉄電車で約45分。有明海に面する都市である。江戸時代には12万石の城下町として栄え、市街地には掘割が網目のように整備されている。水郷と呼ばれ、掘割の川下りを目当てに多くの観光客が訪れる。

掘割は約400年前に柳川藩主が城の防御のために整備し、以後物資の運搬や生活用水として利用された。明治以降になると堀に船を出して遊ぶ「川遊び」が盛んになり、昭和29年に北原白秋の少年時代を描いた「からたちの花」(長谷健/著)が映画化されると、全国から注目を浴び、柳川の観光名物となったという。



川くだりの風景川下りは6社が営業しているが、多くの会社が柳川駅近くの船着場を出発し、御花へと至る約4km、70分ほどのコース。今回は西鉄の福岡〜(大宰府)〜柳川の往復乗車券と川下り乗船券がセットになった「いちにち紀行〜大宰府・柳川観光きっぷ」(大人2,800円)を利用。




川くだり。狭い橋をくぐる。柳川駅に着くと乗船場までワゴン車で送ってくれる(歩いても5分ほど)。ある程度の人数が揃ったら出発。川下りを営業するのは西鉄のグループ会社である西鉄柳川観光開発。ちなみに個人で申し込むと大人1,500円、子供800円(営業時間は9:00〜17:00(6〜10月は17:30まで)、年中無休)。「どんこ舟」と呼ばれる細長い小さな船を、ベテランの船頭さんが竹の棹で漕いでいく。コースには橋が11ヶ所あり、小さな橋だとみんな頭を低くしてもギリギリな感じ。

川くだり。船は柳川城の内堀へと入っていく。柳川城は九州屈指の難攻不落の城と言われたらしいが、明治5年の大火により焼失。城跡は柳川高校、柳城中学校の敷地となっている。柳川高校はスポーツの強豪校として有名。古くは阪神の真弓、現役選手では香月(オリックス)、憲史(楽天)、花田(ヤクルト)、林威助(阪神)という顔ぶれを輩出している。


田中吉政公の像田中吉政は1590年に徳川家康が関東に赴いた後に岡崎城主となり、その後、関ヶ原の合戦の功績により、1600年には柳川城主となった。立花家が代々治めた柳川藩の歴史の中で田中吉政とその子供の期間はわずかだが、掘割を整備した田中吉政の功績は大きい。

川下りのルート上には北原白秋の童謡「まちぼうけ」の碑や直木賞作家・壇一雄や芥川賞作家・長谷健らの文学碑も立つ。






御花-西洋館川下りの終着地は「御花」。ここは柳川藩主立花家の別邸があった場所。四方を堀に囲まれた約7000坪の敷地からなり、元禄10年(1697)に造営された。御花という名前は、造営当時に「花畠」という地名だったことにちなむ。国指定名勝の松涛園は立花家の庭園で、日本三景の松島を模してつくられた。西洋館は立花家の迎賓館として明治43年(1910)に建てられた鹿鳴館洋式の建物。奥に続く本館は明治42年から43年にかけての建築。現在は料亭旅館として営業している。

うなぎのせいろ蒸し柳川鍋








うなぎは江戸時代から柳川の特産品。硬めに炊いたご飯にたれをまぶして蒸し、蒲焼にしたうなぎをのせて再度蒸し上げ、錦糸玉子を散らしたのが柳川の名物「せいろ蒸し」。市内には数十軒の店があり、また、柳川市内では年間120万匹のうなぎが消費されているという。川くだりのルートの途中には「うなぎ供養碑」という石碑もある。毎月7日には掘割にうなぎを放流して供養するほか、土用の丑の日の前には供養祭が行われている。

正確に言うと船が着くのは御花の前の「六騎」という店の前。うなぎめし1,800円、柳川鍋850円。西鉄の切符には割引券がついている。

北原白秋生家御花からほど近い所に北原白秋の生家がある。日本を代表する詩人・童謡作家・歌人である北原白秋は、明治18年(1885)に柳川市に生まれた。北原家は代々柳川藩御用達の海産物問屋であったが、白秋の父の代には酒造業を営んでいた。裕福な家庭であったが、明治34年の沖端の大火により酒蔵を焼失(以降、家運は傾き始める)。この頃から詩歌の制作に熱中し、白秋の号を使う。37年には上京して早稲田大学予科に入学。与謝野寛や石川啄木などと交流し、以後第一線で活躍する。昭和17年(1942)東京都杉並区で逝去。

北原白秋生家-室内北原白秋の生家は明治維新前後の建築といわれている。明治34年の大火で大半を焼失し、残った母屋も荒廃していたが、昭和44年に復元し、一般に公開されるようになった。福岡県指定文化財。

昭和60年には白秋生誕100年の記念事業として柳川市歴史民俗資料館(白秋記念館)が開館した。中世以降の柳川の歴史と民俗、白秋の生涯と作品を紹介している。

北原白秋記念館
住所/柳川市沖端町55-1 [地図
電話/0944-72-6773
交通/西鉄柳川駅よりバス「お花前」停徒歩12分
料金/大人400円、小人150円、学生350円
時間/9:00〜17:00、年末年始休館

太宰府天満宮

太宰府天満宮-太鼓橋太宰府天満宮-楼門太宰府天満宮-本殿

博多から日帰りできる観光スポットとということで、学問の神様・太宰府天満宮へ。いまさら学問どうこう言ってもしょうがないのだが、全国津々浦々にある天神様の総本社である。ありがたいことこの上ない。

西鉄福岡(天神)駅から特急で約15分、二日市駅で乗り換えて約5分、終点の西鉄大宰府駅下車。駅前から参道が続き、銘菓「梅が枝餅」を売る店などが軒を連ねる。

太宰府天満宮は大宰府に左遷され、延喜3年(903)に亡くなった菅原道真公を祀る神社。
幼い頃から文才に秀でていた道真公は、18歳で進士、33歳で文章(もんじょう)博士、55歳で右大臣に就任した。有力者以外の右大臣就任は吉備真備以来のことで、異例の昇進は藤原氏の強い反発を招き、延喜元年(901)、藤原時平のざん言により失脚、大宰権帥として都を追われた。延喜3年に道真公が亡くなると、その2年後には門弟の味酒安行が墓所に祠を建てた。これが天満宮の始まりである。その後、都でつづく天変地異を道真公のたたりだと畏れた人々は、道真公を神格化するようになり、延喜19年(919)には勅令により社殿が完成。道真公の御神徳を追慕する庶民の間に天神信仰が広まり、大宰府は門前町として発展いていった。現在の本殿は天正19年(1891)に建立された「五間社流造」といい、国の重要文化財に指定されている。

太宰府天満宮では梅の木を御神木とし、春になると広い境内には約6000本の梅の花が咲くという。菅原道真と梅のつながりについては、以下のようなエピソードがある。
道真公が京都から左遷される際に、御前の梅に想いを残し、「東風ふかば におひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」と詠んだ。梅は道真公を慕うあまりに、一夜にして大宰府に飛んできたという。これが本殿に向かって右側にある御神木「飛梅」で、約6000本の梅の中でいちばんに花を咲かせるという。(写真ではちょうど切れちゃっているけど)
大宰府の銘菓「梅が枝餅」は左遷された菅原道真に同情した老婆が、餅に梅の枝を添えて持ち寄ったことに由来する。

太宰府天満宮
住所/福岡県太宰府市宰府4-7-1 [地図
電話/092-922-8225
交通/西鉄大宰府駅より徒歩5分

西鉄電車-特急西鉄電車-普通

西鉄の電車。特急でも特急料金は不要。普通電車のスカイブルーの塗装がかっこいい。

ニューかめりあ

ニューかめりあ釜山から博多へは「ニューかめりあ」を利用した。

このフェリーは釜山を夜出航し、博多には朝到着する。寝ている間に移動でき、料金は2等ならば片道9,000円と安い。釜山に来るときに乗った「ビートル」も便利なのだが、のんびりとした船旅も悪くはない。



釜山国際旅客ターミナルニューかめりあは国際旅客ターミナルから毎日20時に出航する。乗船手続きは90分前までに済ませる必要があり、19時には乗船が始まる。こう書くと慌しいような感じもするが、実際はのんびりしたもので、とくに出国の際の緊張感などまったくない。




ニューかめりあ2等室乗船してからは、まず自分の客室へ。2等室といえどもホールの雑魚寝ではなく、セミプライベート的な感覚の11人部屋。マットを広げると1mほどの幅だが、枕元で仕切られ、頭上の棚に荷物が置けるようになっている。小さなテレビが1台、そしてカーテンで仕切った更衣空間もある。ここを4人で使用。

部屋に荷物を置き、エントランスロビーへ。テレビでは韓国野球の中継をやっていたのだが、韓国のおばちゃんたちがソファを占拠。レストランも団体客の予約が真っ先に入っていたし、どうやら九州へのツアー客が多いようだ。若い人たち(やっぱり韓国人)はカラオケルームで騒ぎ、免税なのをいいことにビールを飲み続けている。ちなみにタバコはマルボロが1箱170円。日本では150円も税金を納めていることになるのか…。

船内の夕食船内の夕食2








レストランは和食、韓国料理、洋食がある。韓国料理も食べおさめということで、カルビクッパ定食、しじみのスープの定食。韓国人に人気なのはやっぱりビビンバ定食。

大浴場は海を眺めながらの展望風呂。釜山で温泉施設を訪れた際は浴室内にナイロンタオルが置いてあったが、やはりそれが当たり前だと思っているのか、タオルを持たずに出入りする人が多い。当然だが出入口はびしょ濡れだし、しかもなぜか開けっ放しだったりする。日韓の文化の違いをあらためて感じるのだが、九州へツアーに訪れる韓国人たちがどこに泊まるかは知らないが、ホテルや旅館の迷惑にならないか心配だ。

船が出航したのは22:15頃だった。20時出発というのは「出国審査終了時間」のことであって、貨物の搬入などをずっと行っていたのであろう。ひと通りやることを済ませると船の旅は暇なので、寝るしかない。到着は翌朝7:30ということになっているが、これは「出国審査開始時間」=下船時間。5:30頃には博多港に入港しているので、実際は約7時間の船旅ということになる。大きなフェリーだし、天候が良かったためか揺れをまったく感じることはなく、快適な船旅だった。

ニューかめりあ
◆運航スケジュール:毎日運航
  釜山20:00→博多07:30(翌日)
 博多12:30→釜山18:00(当日)
◆旅客運賃
  2等:片道9,000円、往復17,100円、学割片道7,200円
 ※特等、1等など運賃の詳細はホームページ

旅客定員:522名
総トン数:19,961トン
長  さ:170m
幅   :24m
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当ブログでご紹介している温浴施設の情報は、すべて自ら訪問し記録したものです。再訪時に料金・設備等で変更点があればその都度追記していますが、施設によっては現在と異なる点がありますのでご了承ください(⇒情報をお寄せください)。 また、当ブログ記載の「交通」は、各施設の公式サイトやパンフレットで公表している情報です。公表なき場合は1分=80mとして計算しています。
神奈川県の銭湯料金
神奈川県の銭湯の料金は下記の通りです。
・大人470円(12歳以上)
・中人200円(6歳以上12歳未満)
・小人100円(6歳未満)
銭湯にはタオル、ボディソープ、シャンプーを持参して行きましょう!

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